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色鮮やかな世界|エッセイ

趣味は人によって広く浅くスタイルと、狭く深くスタイルと、広く深くスタイルがあると思っている。
筆者は典型的な広く浅くスタイルだ。いや、もしかしたら狭く浅くスタイルかもしれない。

友人に勧められても表面しか撫でないし、自分が好きなものもあまり掘り下げない。例えて言うと、ポケモンのゲームのストーリー部分だけやっておしまいにするタイプだ。一番楽しい部分だけやってるつもりなのだが、勿体ないと感じる人も多いだろう。

子供が生まれてから、子どもと好きなものを共有する場面が増えた。
全く興味のなかった新幹線やトーマス等。
緑の新幹線ははやぶさ、赤いのはこまち、青いのはかがやきか…はくたかのように
全く興味のなかった新幹線の名前を言えるようになった。
トーマスの方は見分けのつかなかった青い機関車のトーマス・エドワード・ゴードンを見分けられるし、ある程度なら番号や名前が言えるようになった。
ちなみに今でも好きかと言われると微妙だが、私が新幹線やトーマスの話をすると、息子が喜ぶのだ。その笑顔のためにシャットアウトせず一緒に楽しんでいる。

子供がいることで狭まる趣味も確かにあるが、広がる世界も多い。
いつもなら見逃すことを、子供がかわりに見つけてくれたりする。
ママ見て!お花だよ!と手を引かれ、道路の花を屈んでじっと眺めたり、ダンゴムシを探したり
子供がいなかったらしないことを、一緒に経験させてもらっている。
その多くは知ってるものだけど、子供は全てを新鮮に楽しんでいる。
たまに私も知らないものを息子が見つけて、2人で「これはなんだろう?何の虫?」と追いかけたり…。虹や月を先に見つけるのも、いつも息子だ。

ずっと子供と一緒にいるとうんざりする瞬間もあるが、余裕があれば色鮮やかな世界を見れる。
子供の時色んな物が色鮮やかに新鮮に見えていた
、大人になって失ったあの感覚を息子からおすそ分けしてもらっている。

子の手を引きながら月を見上げて、母もこうだったのかと思いを馳せる。
未だに会う時は子供の頃好きだったお菓子や午後の紅茶を買ってきてくれる母。ぶつかることも多く、今でも仲が良いとは言えないけれど、母の思い出の中には小さい私が居るのだろう。

私もそうなるのだろうか。
大きくなった息子に「ほらほら!新幹線だよ!」って話しかけてしまうのかもしれない。

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