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3歳の着替え|エッセイ

3歳にもなると、大体のことは自分でできるようになるようだ。
朝は娘を着替えさせながら息子に声かけをして、自分で着替えて貰うことが多かったので、今朝じっくりと息子の着替えを見て、愛しさが爆発した。

畳まれた着替えを全部広げて、「パンツあった!肌着は?どこ?…あった!」と何故か目の前にあるのに見えなくなってしまう。
「ママ着替え見てるの?」と親の視線を独り占めできて嬉しそうにはにかんで着替え始める。
と思ったら、パンツを履いた時点で「なんかうんちしたい!」とトイレに走っていった。寒いだろうに。

お尻を拭いて一緒に手を洗うと、あんなにノリノリで着替えてたのにやる気がなくなってしまったようだ。
「自分で着替えられなくなっちゃった」
あらー。大変ね。長袖のパジャマを脱がせるとまた自分で着替え始めた。肌着をすぽっと着て、長袖の裾を広げるとくるくると回し始めた。着た時に前後ろにならないように、自分で調節している。えいっと頭を突っ込むと、必死な顔がぬっと出てきた。可愛い。袖を通す仕草をみていると、(よいしょ、よいしょ)と声をかけたくなるが、本人は必死なので心の中にとどめた。
ズボンに両足を通してぴょんぴょんと跳ねると着替えが完了した。

この前生まれたと思ったのに、できることがどんどん増えていく。オムツだったのにパンツになって、食事の介助も必要なくなってきた。
足場を持ってきて自分で電気をつけたり、ひとりでおもちゃで遊んだりしているところを見ると成長を感じる。

特に風呂上がりは最近全く介助してない。自分で体を拭き、オムツとパジャマを着て(機嫌が良ければ保湿もして)、勝手にテレビを観に行く。
その間に私は娘を抱っこして湯船に浸からせ、丁寧に洗って拭いて保湿して服を着せて…息子もこうだったなぁ。大きくなったなぁと感動する。

親は勝手なので、ずっと赤ちゃんでいてほしいと思うときもあれば、早く大きくなってほしい…と思うときもある。
今朝は嬉しさと寂しさが半々だ。
いつまで「ママ見てー!」と呼んでくれるんだろう。「一緒に遊ぼうよ!」と誘ってくれるんだろう。

「ママ、自分でお着替えできたよ。みて」
ズボンが前後ろだったり、肌着がはみ出てたり。
着替えるだけの我が子がこんなに愛しいなんて。
「自分でできるんだ!!!えー!ママ助かる!」大げさに喜ぶ私をみて息子が笑った。ニコニコする息子をみて朝から幸せな気持ちになった。

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