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episode0 #6青天狗

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episode0#5ネクロノミコン 【無料】


『探し物ならば青天狗。しかし青天狗を探す事が一番の難題』

ネクロノミコンの捜索を依頼した龍印寺貴寛は、最後にそう伊丹に告げた。
青天狗と呼ばれる『探し屋』がいるらしいのだが、
『実は龍印寺所縁の者なのですが、私は残念ながら面識がなく』という話であった。

数時間後。

伊丹と野々村はタクシーの中にいた。
都内で起こった連続殺人事件。
その被害者が搬送された病院にて、伊丹は謎の男と戦闘となる。

その男が使った技。術。半透明の怪しい物体。

かつてその半透明の物体と同じものを、伊丹はここ白浜村で見ていた。
謎の男の正体、白浜村にくればわかる。
そう考えての行動だったのだがー

「結局あの半透明な物体、妖魔って話になりましたけど、でその妖魔ってなんすか伊丹さん?」
「バカ野郎、俺に聞くな」

伊丹は競馬新聞を開いた。

「で、ですよ?ネクロノミコンとか青天狗とか。正直もうこれボクらの仕事じゃないですよ」
「だな」

話を聞いていたタクシーの運転手、伊丹の幼馴染みが口を開く。

「ケンちゃんよ、今青天狗って言ったかい?」
「ん、ああ、何か知ってんのか?」
「知ってるもなにもよ、青天狗って言えばあれだんべ。白浜の天狗祭を終わらせたおなごだべさ」

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筆者∴宗揖 魔術師・真経霊籤占術師