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「Little Letter」曲目解説(1)誰も通らない道

使用ギター:中野潤(2019)
使用マイク:Schoeps CMC65

この曲は元々劇中歌として作曲したもので、歌詞があります。
その歌詞は少し変わっていて、10数個の「単語」を繋ぎ合わせてなんとなく意味を持たせたものでした。
「夢、それは誰も通らない道」が歌い出しの歌詞で、それをタイトルとしました。

実はこの曲、昨年(2020年)にリリースしたIndigo Noteのミニアルバム「Long Way」に収録済みで、お馴染みの方もいらっしゃる事と思います。ギターソロでもよく響く曲なので、ソロライブでもよく取り上げてました。

間奏部の美しい旋律は、Indigo Noteのヴィオラ奏者三好紅さんが作ってきたものです。
是非ともIndigo Note版の「誰も通らない道」も聴いてみてほしいです。ヴィオラの渋い輝きは、この曲の違う一面を見せてくれます。


この曲は元々ハウザーⅡ世(1958)で録るつもりでした。
ハウザーは1弦の7〜10フレットあたりの厚みがあり、この曲のポイントにピッタリだからです。
しかしブースで中野潤を弾いているうちに、このギターならではのドラマ性を活かしたい気持ちが大きくなり、採用となりました。

ハウザーの特長は音色の透明さにあり、ブーシェのレプリカである中野潤は透徹感はハウザーと似ていますが「純白」という色を持ちます。

その色を、今回メインマイクに採用したSchoeps CMC65(ステレオペア)が実に絶妙に再現してくれました。余韻が膨らみながら混ざらずに消えゆく感じが、この旋律に合っています。

最近のライブではこの曲を一曲目に持ってくることが多く、アルバムでも最初に置きました。
仄暗い風合いのスタートが今後のプログラムへの想像をかきたてる効果があり、気に入ってます。

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