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私のお友達(5)浜田隆史

浜田隆史(ギタリスト)

浜田さんなくして、今の私はありません。
私に「演奏活動」を教えてくれた人であり、ツアーミュージシャンの先駆者だと思っています。

2005年にジョン・レンボーン来日公演の客席でご挨拶したのが最初の出会いで(お互いに存在は知っていたのですが詳細は割愛します)、2006年には東京でジョイントライブが実現しました。
私はそのころから浜田さんのホームページにある「ライブ日記」の密かなファンで、安い宿と交通手段を求めて苦闘する姿に一種のロマンを感じていました。

2007年、それまで東京以外で演奏した事がなかった私は、意を決して北海道でツアーをしてみようと浜田さんに相談を持ちかけました。快くブッキングを引き受けてくれた浜田さんとのジョイントで4日間、初の北海道ツアー敢行です。


初めてのアウエーツアー。
2つの衝撃がありました。

1つ目は大赤字だったことです。
細かく算段して臨んだわけではないので当然の結果ですが、この赤字は、次回以降の動き方への布石となった、実に大きな意味がありました。
宿代含めた経費は極力削ること、ライブの企画や渉外は、人を介さずに自分で行うこと、等々。
浜田さんは初心者の私を気遣って、何から何までお膳立てしてくれました。その姿勢を目に焼き付けたことが次に繋がっていきました。

2つ目の衝撃は、浜田隆史の音楽です。
このツアーで浜田さんの楽曲にハマりまくりました。
まず作曲法が非常にアカデミックで、クラシックラグを始めとする様々な音楽形態を規範としながら、それらを自在に活用していく様が圧巻なのです。
そしてどの曲にも人間、土地、生活への愛情を感じることができる。明るく楽しい外観の裏に隠れた強烈なロマンチシズムを知ることができました。

これは2021年。ロングツアーの最後にこの笑顔


そう。
初めてのツアーで浜田さんに教えてもらったものは、ツアーでの身の振り方などではなく何より「音楽」そのものでした。
旅先で心からの音楽を届けていく快感は、その後の私の生き方そのものとなっていきます。
それを継続するにはどうしたら良いのか、以降自分なりのツアーの形を組み立てていくことになります。


浜田さんは紳士です。
他者といる時は自分を前面に出さず、頼まれたらいやとは言えず、明るくユーモアがあり、よく食べよく飲み、しかし自分の意見はそんなに曲げないという独自のバランス。とにかく誰からも愛されるキャラクターの持ち主です。
友人同士が集まると、1日に1回は浜田さんの話題になるほどです。


おかげさまで2007年から始まった北海道ツアーは、現在まで15年間途切れることなく続けてこられました。また、毎年6月に行う浜田さんとの本州ジョイントツアーは、私の大きなモチベーションのひとつです。
今後とも楽しい時間をご一緒したいですね!

ジョイントツアーは年々充実してきました。

*お気に入りの1曲は、アルバム「夏の終わり」から「ノチウ」です。
他にも「朝のコーヒー」「航海者の歌」「オリオン」など好きな曲はたくさんあるのですが、やはり初めて聴いた時の衝撃度がすごかった。
CDを流しながら、いやー浜田さんすごいよ…と思わず口に出てしまったのを覚えてます。


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