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最後の利根川渡しヘの遠い道のり

 僕は月に何回か、アマゾンで買い物をしています。単価の安い文房具などは、プライム会員でないためヨドバシを利用することが多いですが、単価が高ければ送料無料になります。

 この送料無料の金額が、近々引き上げられるようですが、その価格をクリアできれば、商品価格自体はアマゾンの方が安い場合が多く、そもそもアマゾンでしか取り扱いがない商品もあり、品ぞろえもアマゾンが圧倒的です。
 ワイヤレスイヤホンのような、海外メーカーが多数参入する、レッド・オーシャンの商品は、似たような商品が数多く並んでおり、選択に迷うということはありますが、基本的にはまずアマゾンで商品の目星をつけて、一応、他のネットショップでも価格を確認する感じでしょうか。

 ただ、2024年問題による、運輸業界の人手不足で、再配達に対する風当たりが強くなっており、こうしたネットショップで購入した際の宅配サービスを利用するにあたっては、再配達をいかにさせないようにするかを考えるようになっています。

 大型配送品でなければ、宅配ボックスが一番の解決策であり、前に住んでいたアパートは、3世帯で4つの宅配ボックスがあるという非常に恵まれた住まいであり、困らなかったのですが、今のマンションは20世帯以上あるにもかかわらず、7つしか宅配ボックスがなく、不在の場合、オートロックで中に入ることもできないため、再配達になってしまいます。

 このため、僕は自宅以外の配送先にすべく、近所の配達可能な店舗を探したところ、家の隣にあるコンビニが、アマゾンロッカーを設置しており、ロッカーの数はそれなりにあったので、本や日用品であれば、ある程度ここで受け取ることで対応可能なようです。

 ただ、薬などはロッカーで受け取れなず、このコンビニでは店頭受け取りは対応していないようなので、別なコンビニを探すことになりました。最寄り駅と家の間の動線にあるコンビニが望ましく、目薬や花粉症の市販薬などは、最寄り駅の構内にあるコンビニを指定することにしました。

 早速、昨日、駅のコンビニで受け取ったのですが、駅構内にあって夕方の店内は大混雑であり、事前にマルチコピー機でバーコードのレシートはプリントアウトしたものの、店頭での受け取りはなかなか煩雑で、後ろに何人も並んでいるため、圧を感じながら受け取ってきました。
 また、小さな目薬でも段ボールに入っており、家まで持ち帰るにはちょっと手間になりました。

 やはり、休日の混んでいない時間に、まとめて受け取りにいけるような、郊外型のコンビニを探し、受け取った方がよさそうです。

 デジタル庁が発足し、自動運転やドローンによる商品の実証運用なども行われて何年か経ちましたが、どれもラストマイルの手前まで、人でも何とか渡れるような小川は乗り越えられても、川幅の広い利根川のような、あるいは落ちれば二度と上がってこれない千尋の谷のような、ラストマイルを渡りきることを任せるには、信頼性の面で程遠い状況であり、その間にラストマイルの担い手不足が忍び寄り、顕在化して、足もとでは物流や交通の仕組みをむしろ後退させざるを得ないような状況が生じつつあります。

 専門性の高いスタッフが高度に機能分化した組織が、いざというときに役に立たないように、最後まで行き着くために、専門や得手不得手を乗り越えて、協力して目的達成までやり抜く、この、役割分担を超えた効率的ではないフレキシブルな対応をできない限り、最後の利根川渡しは、人の関与を外せないように思います。

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