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楽観バイアス

 昨日は仕事で、思ってもみない方角から奇襲攻撃を受けました。余裕かましていたわけではなく、他に優先すべき事案が多くあって、それでも積み残しが出ている状態でしたので、奇襲攻撃を受けた方角の備えに配置するだけの「兵力」がなかったということです。
 ただ、後になって考えると、この方角はこれまでも奇襲を度々受けていました。自分を城にたとえれば、四方のうち、平地に面した他の三方は掘に囲まれ、奇襲攻撃を受けた一方は急峻な山に接しており、見通しも悪く城壁もあまり築けませんが、敵も大規模な軍勢を動かせませんし、こちらとしては守備に徹していればよいので、チャンスがあれば攻勢に転じられる三方に兵を配置するのは自然の理といえます。そこに「楽観バイアス」といいますか、そこまで気を回してられないよという心理がはたらき、無防備に近い状態になっており、そこを突かれた感じでした。
 奇襲攻撃は大規模ではありませんでしたが、油断していることを見透かされているような多彩な攻め手を繰り出してきて、まさに奇襲への対応を試している、そういう趣がありました。
 こういう時は、日ごろの鍛錬がものをいいますね。空き時間で頭の体操をしておくことで、さまざまな変化球に対してクリーンヒットは無理でも、ファールでかわしつつ、同じ球が来ればポテンヒットにしていく、そういう感じで奇襲攻撃を何とかかわしました。
 型どおりの攻撃に対する対応は、予定調和の中での出来事で、楽ではありますが、緊張感に欠けるものです。いつも奇襲攻撃を受けていてはたまりませんが、戦いが佳境に入る前にこうした奇襲攻撃への対応を経験することは、場慣れしていない若手にとっては良い経験ではなかったかと思います。

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