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白もいいと漸く気付いた主の話

吾輩はとあるアパートに住む
「ぬいぐるみ」である。

人間の基本的な生活において
吾輩に活躍の場はない。

どの家庭にも形こそ違えど
ひとつやふたつ…いや、数えたら
そこそこの数が生息しているであろう
ただのぬいぐるみなのだ。

ここ数回は我が主の紹介を兼ねて
今日に行き着くまでの過去の片付けの
話をしてきたが、
今回は最近やっと馴染んで良さに気付き、
今後もその方向で進んでいくであろう
話をしよう。

はじめに伝えておくが、
我が主の好きな色は「黒」である。
白が苦手でモノクロ派とも言えない。

白は汚れやすいし黄ばむし、
何より眩しいと嫌ってきた。

収納グッズやラックを選ぶ時も
我が主は一番に黒へ視線を向ける。
しかしラックなど収納家具となると
面積も大きく圧迫感も出るし
選択肢も狭くなってしまうため、
最終的に木目調のダークブラウンに
落ち着くことが多い。
もちろんその収納家具に黒要素があれば
なお良く、その中に入れるケース類は
当然黒である。

しかし、そんな黒好きの主にも
転居によって転機が訪れた。

転居を必要とした諸々の理由を
優先した結果、床のフローリングが
明るいアイボリーの部屋を
選ぶことになったのだ。

床に落ちたゴミや髪の毛も目立つから
避けたい色だったらしいが、
今では部屋が光の反射で明るく
すっかりお気に入りである。
掃除はこまめに必要だが
そこはフロアワイパーが活躍している。

転居となると何かと費用がかかる。
モノを減らしている真っ最中の
主は普段極力100円ショップを
利用しないようにしていたが、
転居してモノの配置が変わったことで
いくつか収納グッズが必要となり
買いすぎないように注意しながら
利用した。

我が主が100円ショップを好んで
利用していた時は黒い収納グッズも
店頭にかなりあったのだが、
最近は少なくなったように思う。
白や半透明や透明なケースが増えた。

一気に面積が小さくなった我が家を
すっきり片付けるには黒に拘るよりも
サイズに拘る必要があり、仕方なく
サイズも種類も豊富となった
白や半透明のケースを手にしたのだ。

それらのケースは
床の色の影響が大きいとは思うが、
白い壁と床に馴染んでいる。

白の方が馴染むと聞いていたが
苦手な色という先入観で主は
挑戦してこなかったのだ。

白いモノが増えると急に黒いモノが
重く感じるようになった我が主。

現在でも黒が一番好きな色であることは
変わりないが、白も好むようになった。
大きな発見と進歩である。

これから先、モノを買う時には
黒と白で迷うことも増えるだろう。

黒にも白にもそれぞれに良さがある。
その時々でじっくり考え、
我が家らしい選択を
主ならしてくれるだろう。


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