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毎月の飲み会を、83回も開催し続けている、たった一つの理由

わいわい東京って、単なる「飲み会」を、主催しています。


2007年9月に帰国してから、毎月欠かさず開催してきたので、なんと、今回で83回目を迎えます。(過去、台風とインフルエンザと猛暑で、3回ほど、中止した)

83回目なんて、なんとも中途半端な記念日ですが、ひとつメモを残しておこうと思います。(ってか、7周年だった!)

わいわい東京ってのは、堅苦しい交流会でもなければ、ステキな出会いがある合コンでもなく、何の目的もなく集まった10~20人くらいの人たちが、ただひたすらおしゃべりしているって飲み会です。


ちょっと寄り道


いつものごとく、本題に突入する前に、少しだけ、寄り道しましょ。



こんな感じの小難しいCDがあるんです。(http://www.amazon.co.jp/dp/4108301331

その中で、こんなことが話されてます。

ある婦人が、こう告白します。

夫が戦場で戦死する瞬間、遠くの故郷にいた私が「夫が塹壕で倒れたところ」を夢に見た。 それで、夫が死んだことを知った。

それを聞いた学者が、こう話します。

私はその話を信じます。
だけど、困ったことに、そういう「虫の知らせ」が間違っていることも非常に多い。
たまたま偶然に当たった方だけを、どうして諸君は取り上げなけりゃならないか。

それを聞いた若い女子が、こう言います。

先生のおっしゃることは、
非常に論理的に正しいけども、
私は何か先生は間違ってると思います。

その率直な感想を聞いたベルグソンというおっさんは、「その娘さんのほうが正しい」と思ったらしいです。

そんで、小林秀雄が、こう解説します。

その婦人はだね、まざまざと夫が倒れる様子を見たんです。

あんまりこれは生々しい光景であるから、それを人に語ったんです。ありのままを人に語ったんです。

ところが、学者というのは、その「確かに見た生々しい話」を、「本当に、夫はその瞬間に倒れたか倒れなかったか」という問題にすり替えてしまう。

そしたら、倒れた場合の数と、間違った場合の数とを比較しなきゃならなくなり、そうすりゃ間違った場合の方が無限に多いでしょう。

そんなら、それはただの偶然じゃないかって結論が出るじゃないか。

そうじゃなくて、なんで、婦人の話をそっくりそのまま聞いてやれなくなっちまったんだ、今の世の中はよ


さて、本題

わいわい東京ってのに、人を誘うと、だいたい、「どんな人が来るの?」「何人くらい来るの?」って聞かれます。

でも、いつも、「どんな人が、何人来るか、当日にならないとわからない」と回答します。

なぜなら、事前に出欠をとっているわけでもなく、私か、過去の参加者が、勝手に、周りの人に「来なよー」と誘ってるだけなので。

時には、すげー人数が来ちゃって大変なときもあれば、全然来なくて4人くらいで濃い話(恋話)をしてたりすることもあります。

まぁ、ぶっちゃけ、出たとこ勝負です。人数も話題も。


なんで、そんな飲み会を、83回もやり続けてるのかっていうと、先ほどの小林秀雄の話に関係してる(はずな)んです。


目的がはっきりしている飲み会(例えば、ビジネス交流会や合コンなど)だと、みんな、人の話を聞いていないし、みんな、自分の体験した生々しい話をしていないんです。

ビジネス交流会だと、相手の話は、すべて、自分のビジネスにどうつながるのか、ってフィルターで取捨選択して聞いている。

合コンだったら、相手の話は、すべて、自分のパートナーとしてメリットがあるか、ってフィルターで取捨選択して聞いている。

しかも、話す側も、相手のフィルターに気づいているから、そもそもフィルターでふるい落とされるような話題は避けている。


私は、そんなんじゃーいけない、と思うので、わいわい東京なんていう「単なる飲み会」を、83回も続けてきたわけです。

わいわい東京では、初めて来た人からは、「何やってる人?」「どこ出身?」「テレビ見る?」とか根掘り葉掘り聞いているんです。さらに、常連からは、「最近どーよ?」って話を延々と聞いているんです。

はっきり言って、わいわい東京で話されてる内容は、その後のビジネスにもつながらないですし、その後の恋への発展もありえません。

でも、「ビジネスや恋に発展しなきゃならん」って風潮は、さっきの学者が「確かに見た生々しい話」を、「本当に、夫はその瞬間に倒れたか倒れなかったか」という問題にすり替えてしまうのと同じくらい、忙しい大人の病だと思うんです。(そんな風潮があるのかどうか、そんなんこと知らんけど)

なんで、ヒマだと思われてる私が、率先して、みんなの「確かに見た生々しい話」をそっくりそのまま聞いちゃう「飲み会」ってのを開催し続けるわけです。


ってなわけで、わいわい東京の7周年記念は、10月15日(水)18:30より、ダブリナーズ新宿店でやりますんで、来てね。途中で来ても、途中で帰っても、誰を誘ってきても、電話やSkypeでの参加でも、なんでもOKな「飲み会」です。きみの「確かに見た生々しい話」を聞かせてくれ。

https://www.facebook.com/events/753004388080923/

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