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「すばらしき世界」〜自分を救えますか

西川美和監督作品が好きです。

社会的メッセージ性のある映画かと思ったけど
実はそうではないのかも。

至極個人的ななにか。

・・・・・

誰にとってもすばらしき世界
ある。

それは一人一人違う。

お金持ちになる世界

家族を持つ世界

仕事に頑張る世界

唯一共通するのは
自分自身を苦しみから救い出すこと。

生きることは苦行

・・・・・

三上の幼少期に何があったのか
詳細はわからない。

太賀の言うように、
虐待されたのかもしれない。

わかっているのは
親と離れたことの心の痛み。

いつも、かわいそうな自分を心に抱えてた。

同じように
かわいそうな人を見ると放っておけない。

かわいそうな人をいじめるやつを見ると
叩き潰さなくてはいられない。

かわいそうなのは自分自身だから。

・・・・・
普通の人には理解できない。

そこまでやる必要ないやん。

いじめを見たら、やめろ!と言えばいいだけや。

三上はそこで止まらない。

衝動を抑えられない。

徹底的にやり返さなければ気が済まない。

心が痛むってそういうこと。

徹底的に痛めつけられた人は
世界を痛めつけなきゃ気が済まない。

・・・・・
ラスト
介護施設で、三上がもしも
いじめをしてる奴らを
暴力で押さえ込んでいたら、

陰で悪口言ってる奴らに一喝できたら

三上の最期は先延ばしされていたんだろうな。

生きることと引き換えに
暴力を肯定する人生。

過酷。

肯定を否定した時お役ごめん。

自分は自分を救えているだろうか?

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