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やるじゃんと言わせに呼びだす旧き我

 自分の中に思春期くらいの年齢のコンプレックスだらけの自分が常にいて、ときどき、その自分が登場することがある。

 先日、仕事のウェブ会議で、50人以上のひとに対して短いスピーチをする機会があった。
 先輩、後輩、えらい人、もっとえらい人、老若男女さまざまなひとに対するスピーチである。しかもけっこう重要な場面での登壇であった。

 そのとき思ったのは、人見知りを固めたきんつばみたいだった自分からしたらすごいことだよなぁ、ということだ。
 そう思うと楽しいし、笑えてくる。別に今もめちゃめちゃ人見知りなのだが、会話ではなくスピーチならまだ大丈夫。

 ぼくは常々、立場や能力があることにかこつけて、ぜんぜん関係ない話を今その話を耳にいれる必要がまったくない相手の耳にねじ込むということができたら楽しいだろうなぁと思っていた。
 それは自分に何の期待も抱いていなかった昔の自分の妄想だった。
 能力はわからんが、それなりの信頼は得てると思うのでチャンスが来た。

 いざスピーチでは、1歳の娘がいかにカワイイか、人類史上最強の生命体であるかを、語彙つよつよで懇々と語った。一応最後はビジネス的ポジティブな話っぽく締めたので問題なかったはずだ。(まあまあ拍手をいただいたのできっと大丈夫)

 話してる最中、早口でまとまりのない話し方しかできなかった昔の自分が顔をだし、なんでこんな大勢のおとなの前で、丁寧に子ども自慢してるんだろうか、と不思議な気持ちになっておもしろかった。

 人生のそこここで顔をだす昔の自分は、けっこう日々を楽しくする。
 奧さんと家でご飯食べてると、未だにときどき、
「うわ、かつて女子と会話するなど神話の出来事だと思ってたのに今なんか女の人といっしょに暮らしてご飯食べてる!」
 とびっくりする。
 なんなら今では、そのひととの間に子どもがいるので、めちゃくちゃすごい。

 驚いてばかりいないでがんばらないといけないんですけど、昔の自分を召喚するの、今が新鮮に感じられてそのときやってることのモチベーション維持に役立つのでオススメです。
 昔の自分も好きですけどね。部活で腹筋割れてたし。

読んでいただきありがとうございます!!サポートいただければ、爆発するモチベーションで打鍵する指がソニックブームを生み出しますし、娘のおもちゃと笑顔が増えてしあわせに過ごすことができます。