見出し画像

今週の『ゆうえんち』は、読め

今週号のチャンピオンの『バキ外伝 ゆうえんち』(夢枕獏:著の小説)は、もう、全員読め!!
と思った。
全員だ。
なんという凄まじい1話か。
暴力が吹き荒れる格闘小説であるが、この1話の、初めから終わりまでの流れに、むしろ美しさを感じた。

ふたりの男が遭遇し闘う話だ。
ひとりは鬼神群平。
冒頭少し読めば、この男が相当危険かつ真の強者であるとわかる。
ひとりは龍金剛。
徐々に気配が巨大になってゆくその描写に、この男が規格外の化物だとわかる。
そのふたりが接近し、そして……

マジでシビれた。なんて完成された1話か。

『ゆうえんち』は毎話たのしみにしている。少年マンガ雑誌に掲載されている小説という異質な立ち位置であるが、肉と闘いを文章で表現し続ける夢枕獏御大の圧倒的な説得力を伴う筆致により、一瞬にして引き込まれる。
他の連載マンガ同様、3分くらいで読んで楽しめる密度と量に調整されている。
そして、3分くらいで読めるけれど、登場する個性的かつ妙にリアリティあるキャラクターたちの半端なさと、そいつら同士のマッチメイクの危険さがその短い文章で完全にわからされるため、マンガを読むモードで読んでもすぐ没入できる。

それにしても今回のエピソードは凄まじかった。え、何、御大はこんな小説を連綿と書き綴ってきてらっしゃるのか。やばいな、この人。もっと読みたい。

現在、ダイハードテイルズ主催の「逆噴射小説大賞2019」が開催中であるが、この、『ゆうえんち』の一瞬でゴー・トゥー・フィクションさせてくれるパワーは、完全なるパルプ小説のひとつだと思う。とても参考になる。

とか、そんな話は良いのだ。ともかく、今週の『ゆうえんち』は、読め。

 #ゆうえんち #バキ外伝 #感想文 #週刊少年チャンピオン

読んでいただきありがとうございます!!サポートいただければ、爆発するモチベーションで打鍵する指がソニックブームを生み出しますし、娘のおもちゃと笑顔が増えてしあわせに過ごすことができます。