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ドラマ『体感予報』の “美しさ” について語り尽す。

みなさま、はじめまして。こんにちは!
早速本題ですが、現在わたしは「体感予報」というドラマにハマっています。

MBS放送の深夜ドラマ枠で放送されていたBLドラマです。
おそらくこの記事を開いてくださった方の多くは、このドラマをすでにご覧になられている方が多いと思うので、諸々の説明は省かせていただきますが、簡潔に説明すると、超人気の超素敵ドラマです(笑)
あと、わたしがどのようにハマっていったのか、以下の記事に書いていたりするのですが…、まぁこれは読まなくて大丈夫です!(笑)

で。
今回の記事で何を書くかということなのですが、『樋口幸平さんがイケメンでかっこよくて、魅力的で素敵すぎて、大好きすぎるから、みんなで体感予報をもっと見ようぜ!Netflixガンガン回そうぜ!(もちろんHuluユーザーはHuluも回そうぜ!そしてU-NEXTユーザーはU-NEXTも回そうぜ!!!)』ということを伝えたくてnote書きます(笑)

わたしも繰り返し何度も見ているのですが、放送終了後なのにも関わらず、海外でイベントが決まったり、主演キャストのSNSの登録者数が増え続ける影響力の大きさに驚いています…。そして、この作品がここまで評価されている理由には、増子さん・樋口さんが魅力的だということはもちろんですが、もっと他に要素があるのでは…?と思うようになりました。
と言いますか、増子さん・樋口さんがこんなにも魅力的に映るのには、もちろん2人の努力が一番ですが、それ以外に仕掛けがあるとしたら、それって何だろう?と考えるようになったのです。

樋口さんはインタビューで「美しく見えるカメラの角度をチェックしながら撮影した」というようなことをおっしゃっていました。やはり、何度見ても見飽きない、圧倒的に絵が強くて美しいことに見惚れるんですよね。それがこのドラマを何回もリピートして見てしまう要素で、それはその樋口さんの努力の賜物なのに他ならないのですが、でも、それをさらにプラスアルファで魅力的に見せている要素があると気づいたんです。

そう! !!!!!! Light!!!!! 照明!!!!!!!

わたしの他の記事をご覧になっていただければ、なぜわたしがこんなにも光についてうるさいのか分かっていただけると思いますが、そもそも顔が見えてるってことは何かしらの光が当たっているということで、その光の質がいいと、顔もさらに良く見えるのは当たり前でしょ?ってそういうことに気づいた訳なのです。

なので、各話、光から2人の魅力について具体的に考察し、このドラマの素晴らしさについて、わたしなりに解き明かしていきたいと思います!
それが、もうドラマを何回も繰り返し見て見飽きたような人が、もう一度見るきっかけになったり、このドラマの素晴らしさを再発見するきっかけになれば嬉しいな〜、そうなれば結果、NetflixもHuluも回すことができるな〜と思っています(笑)

さて、いきましょう!!!!


◆ はじめに

突然ですが。1つだけ覚えていただきたい照明用語があります。
Back(バック)』という言葉です。意味はそのままで、後ろから当たる光のことを言います。
(※わたしの専門は舞台照明、つまりは演劇・ミュージカル・バレエ・オペラにあり、テレビドラマや映画の照明に関しては全くの無知です。おそらくこれから話していくにあたって、専門的な知識をお持ちの方にとっては、もっと適切な専門用語がるなと感じる方がいるかもしれません。しかし、この記事はなるべく分かりやすく簡潔に伝えたいという意図がありますので、ご了承いただけると幸いです。何か気づかれたことや間違いがありましたらコメントまでお願いいたします。)

©2023 劇場版「美しい彼〜eternal〜」 製作委員会

体感予報からは少しそれますが、Backが分かりやすく使われており、印象的で綺麗だと感じた作品で「美しい彼」の最終話 理科室でのシーンがあります。光が当たっているのは後ろ、つまり明るいのはカメラに写っていない反対側なので、カメラに映る前側の部分は暗くなるんですよね。
これでどういう効果が期待できるのかと言われると、視聴者が見ることに関して能動的になることが挙げられると思っていて、私たちはドラマを見る際、画面とわたしは分離されていて、一定の距離があるのが普通だと思います。しかし、画面が暗くなったり、顔がはっきり見えないような演出になった瞬間「どんな表情をしているんだろう?気になる…」と想像力が掻き立てられ、グッと画面の映像に対して能動的、もっと分かりやすくいうと引き込まれたり、前のめりになる瞬間があると思うのですね。それを引き出すのがこのBackであったり、照明の細かなのテクニックだと思っています。

さて、前置きはここまでにして、各話それぞれ好きなシーンを光と共に語り尽くしていきたいと思います!!!


◆ 1話 〜 これは葉の物語であること。


1話目の印象的なシーンといえば「衣食住の金は保証してやるから、俺のところに来い」!
はぁ……、もうね……….、早速なのですが、一話目冒頭にして、実は全カットの中で一番好きなシーンなのです…….…..、ここ……….。

わたしは最初、タイトルがそもそも「体感予報」で、天気予報士が登場人物と聞いたら、これは純粋に瀬ヶ崎さんの主軸の物語かな?と思っていたのです。
瀬ヶ崎さんがイケメンで、そのイケメンさに葉が服従したり振り回されたり、あくまで瀬ヶ崎さんがイケメンというところを主軸にそこだけで回っていく話。そして、この構造はこのタイプの恋愛ドラマでは必須な要素であって、今回もそのタイプかなと思ったのです。
でも、最終回まで見た方はわかる通り全然違いますよね。これは瀬ヶ崎の物語であると同時に、葉の物語でもあって、更にいうと、葉視点の方が先行して話が進んでいくんですよね。
それを表した最たる箇所がこの冒頭だと思うのです。

©️YouTube:MBS(毎日放送)番組予告より
©️YouTube:MBS(毎日放送)番組予告より
©️「体感予報」1話より
©️「体感予報」2話より

注目すべきはこのシーンの窓です、光は主に窓から入ってくるので。横にも窓はありますが、強い光が入ってくる窓があるのは瀬ヶ崎の背中なんですよ。ということは、瀬ヶ崎がBackになっていて(瀬ヶ崎の背中がとても明るくて)、逆に葉が正面から光を浴びている訳なのですね。
2人の顔の明るさは見た通りで、明らかに葉の方が明るいんですよ。瀬ヶ崎には顔に影ができているのに対して、葉は顔に影ができていないですよね。体感予報の軸はこの“葉が明るく写っている”というところに集約されてると思っていて、「さぁみなさん!今から物語が始まりますよ!まずは葉の視点で、一緒に振り回されてください!」とドラマの方から自己紹介されているみたいな気分になるのです。
光に注目なんかしなくとも、そもそも「その日は季節外れの暖かさとかで無駄に厚着していた俺は頭がぼーっとしていて…」と葉の語りから始まるところや、最初の冒頭は葉のカットで瀬ヶ崎を写していないところからもその意図が伝わるのですが、光からもそれを強く感じます。

やっぱり1話目は登場人物のキャラクター紹介をちゃんとしなければならなくて、その紹介がこの通りめちゃくちゃ丁寧で綺麗だったので、このシーンを見た瞬間から「あ、これは真面目に見ないといけない、想像以上にしっかりしたドラマかもしれない…!」という気持ちになったのを思い出しました…。

それと、1話目はせっかくなので、ベッドシーンについても触れておきたいと思います。

©️「体感予報」1話より

最初に例に挙げた美しい彼のシーンはもっと暗いんですよね。視聴者が能動的になるという点で、わたしはベッドシーンなんかは暗ければ暗い方が好きなのですが、このシーンはその逆、結構明るいと思うのです。あれだけベッドの横が全体窓で、カーテン開けておけば光は無条件に入ってくる訳ですから、そういうところからも「ここは最初だし、しっかり明るく魅せる!」と決めたんだな〜と感じています。
このシーンは後にも詳しく話そうと思うので「1話目のベッドシーンは明るい!しっかり魅せたい!」と覚えていてください(笑)

◆ 2話 〜 影の有効性。


2話で話したいのは、このシーン。

これは照明デザイン的に素敵すぎて、個人的大歓喜シーンなのですが、後ろの置き型ランプの光が首回りをBackでなでているのがお分かりでしょうか?

©️ 「体感予報」公式サイト 2話予告動画より

ん?とお思いの方、こういうことです。

©️ 「体感予報」公式サイト 2話予告動画より(加工)

コントラストと彩度を編集して光が当たっているところを分かりやすく可視化できるようにしてみました。首から腰にかけて、スッと綺麗に光が当たっているのが分かりますよね!
葉はこの時、瀬ヶ崎に触れようとして、触れずに手を引っ込めます。瀬ヶ崎のことをまだ掴みきれなくて、掴もうとも掴みきれない感情を汲み取ったのですが、まだ手が届かない「高嶺の花」的な意味で瀬ヶ崎を照らしていると考えると、このスタンドライトはとても有効だと感じました。
あれです、美術館に行って、絵画や彫刻に照明が当たっている感じ?、それと同じ効果です(笑)多分(笑)念の為、以下にミロのヴィーナス貼っておきます。ね!ほぼ同じようなラインで光入ってるでしょ??(強引)

©️ hitote(https://www.hitote.info/2021/02/22.html)

でもこれは偶然的な絵ではなく、監督や照明スタッフはこのスタンドの位置を凄くこだわって、作為的に手がけているシーンだと思います。普通に見ているとこのシーンを見て「光が…綺麗……..」とはならないじゃないですか。でも、漠然と絵が綺麗なシーンは、光・空間・人の立ち位置など、必ず何かしら緻密に計算されていて、それを支えるスタッフがいるのです。照明スタッフさん、スタンドライトをあの位置に仕込んでくださって、ありがとうございます…。

あと、もう1つ大好きなシーンの話をさせてください。2話の一番ラストのシーンです。

©️ 「体感予報」2話より

口元に線が入っているの分かりますか?これはおそらく服が影になって、線になっているのですが、こういうのも、わたし、たまらないんですよ!!
これは、計算されたものなのか、偶然的なものなのか分かりませんが、顔にこのような直線的な線でできる影って珍しくないですか?増子さんが綺麗なお顔の方だから、その顔に光で演出をデザインできてしまうというのが、見ていて楽しくて、美しくて、たまらないのです…..。
影って基本、暗くてマイナスのイメージがあると思いますが、その通りで、葉の苦悩もこの影から読み取る事ができると思っています。瀬ヶ崎に対して自分の気持ちを上手く言語化できずに朝を迎えてしまって、朝の爽やかさは光の強さでしっかり表現できているのに、目元の表情と口元の影の感じが相まって、葉の苦悩もしっかり表現されていて、映像的に大好きなシーンなのです…。

◆ 3話 〜 心の動きと明るさの変化。


3話について語るのにはもうこのシーンしかないでしょう!デート後、家に帰ってからの、シーツくだりです!
いや、デートシーンもいいのですが、外は太陽の元で基本的に明るいので、あんまり特筆することはありません。やっぱり、太陽はいいですよね。本当に明るいです(笑)

©️ 「体感予報」3話より
©️ 「体感予報」3話より

注目していただきたいのは、2人の明るさの変化。葉が紙袋を逆さにしてシーツを落としたところは暗いのです。でもそこから瀬ヶ崎が葉を引っ張って押し倒すと、グッと明るくなるんですよね。これも例のスタンドライトの影響ですが、まさに2人の心の動きと光の明るさが分かりやすくマッチしているシーンだと思います。

©️ 「体感予報」3話より

また、最後の「こいつ、俺のこと大好きだよな?」というセリフですが、わたし、このシーンも好きなのに、セリフの意味がよくわからなかったのです。あんなに仲良く横浜デートしておいて、自信家の瀬ヶ崎(もちろん後に弱さもちゃんと持っていて自信家でもないことが分かるのだけれども)が葉からの愛情に関して不安になることがあるのかな…?と。でも、原作も読んで自分なりに考えたのですが、ドラマ版では樋口さんが笑ってドヤっているよりかは悩んでいるようなニュアンスも感じ取れて、これからに向けてすれ違っていく2人の暗示か、学生時代に自分の本心を表に出せなかったような弱さの部分の提示か、まだ葉が向ける愛情に対して疑いを持っているのか…。
真意はわかりませんが、とにかく、その悩んでいるニュアンスを猛プッシュするのがBackで、照明がこのシーンに謎めいた深みを出していると思うのです!Backが瀬ヶ崎の頬・首は明るくして顔が暗いのが最高に良くて、先ほどの葉の口元の影とまさに同じ話になりますが、影(つまり暗いということ)は苦悩を表現できるので、ここも「瀬ヶ崎、なんか知らんけど悩んでるっぽいな〜」と思わせるのです…。
こういうセリフ1つで、グッと物語に視聴者側が前のめりになって「どういうことなんだろう?」って考察できるシーンがあるのが有難くて、作品自体に深みを与えているシーンだと思います。素敵すぎる〜…..。

◆ 4話 〜 瀬ヶ崎の新たな一面と暖かさ。


4話は万さんの登場もあってぐっと雰囲気が変わりますよね。光もいつもと雰囲気が違っていて、温かみのあるオレンジっぽい光になっているような気がします(専門用語でアンバーと言ったりします)。
特に、万さん去り際の嬉しそうな瀬ヶ崎にはこのオレンジ感がよく効いています。徐々に瀬ヶ崎の人間性がわかってきて、それに伴って当たる光も暖かく、柔らかくなる感じがわたし的にはとても美しいなと思うのです。

©️ 「体感予報」4話より
©️ 「体感予報」4話より

また、最後にカレーを思い出すシーンがありますが、ここは葉の顔よりも瀬ヶ崎の顔の方が明るいんですよね。

©️ 「体感予報」4話より

最初に『これは葉が先行して進む物語』ということを強く述べましたが、ここは「あれ?瀬ヶ崎の過去に何があった?」と思わせるシーンで、ここから瀬ヶ崎というキャラクターにどんどん深みが増していく起点になるシーンだと思っています。わかりやすく言うと“伏線”ってやつですね。最初に葉主観の物語であることを強調して、それが逆転して瀬ヶ崎の物語になっていく流れも典型といえばそうかもしれませんが、典型だからこそ「ようやく来るぞ!瀬ヶ崎のターン!」と言う感じもあって、光もそれを良く表していると思います。
はぁ〜…..、にしても、お2人とも美しい………..。

◆ 5話 〜 圧倒的すぎる映像美。


5話はまず、洗濯機シーン!!!!!!!
もうここのシーンは、全編の中で最も映像的に綺麗なシーンだと思います。この増子さん、圧倒的すぎません?????????え?なんですか??
増子さんのそもそものポテンシャルが異常なので、ナレーションだけでも充分に情緒は引き出せているところ、さらに映像美が加わって、何倍にもパワーアップしているなと感じます。

©️ 「体感予報」5話より

そして、光が動くというのは、このシーンが唯一ではないでしょうか。これは海の中に落ちていく心境をうまく表現していますよね。
う〜ん…、どうやって撮影しているんですかね?おそらく、誰かが板をチラチラ動かしていて、その板に光を反射させて撮影しているのでしょう…。詳しい方がおられましたら伝授ください!(笑)

漫画では、海に落ちていくというのをイラストでしっかり書いていましたが、映像でそれを表現するのは困難なわけなので、このような表現になっていて、それがめちゃくちゃ綺麗…..。この絵にしようと決めた構図も素敵であれば、それで撮影できた絵も綺麗…。ありがとう、全てのスタッフさま…..。
やはり、当然のことですが、漫画には漫画でしか表現できないニュアンスがあるし、ドラマではドラマでしか表現できないニュアンスがありますよね。それは、好みの問題はあれど、どちらの表現の方が優れている・劣っているという議論をしたいわけではなくて、どちらにも特性があって。その特性をお互いふんだんに利用しているのが、漫画・ドラマ共にこのシーンだと思っています。

また、さらに注目して欲しいのが、実はこの前のシーン。

©️ 「体感予報」5話より
©️ 「体感予報」5話より

編集者に葉の漫画で描く男性像が女性向けのヒーローみたいだと否定され、でもそれは瀬ヶ崎がモデルになっているために、苛立ちを覚えているシーンです。
これは洗面台の窓が開いているのか?(洗面台に窓はなかったはずだが…?あれ?あったかな?)それか、鏡に映っている光が反射しているのか?純粋に洗面台のライトか?。光源は断定できなかったのですが、顔の正面から明るく光が当たっています。
今まで何度も述べてきましたが『苦悩=影』がお決まりのはずのところ、ここはその逆、葉が悩んでいるのに、明るいのです。
ここの葉の気持ちは、光が明るくて顔がはっきり見えることから、瀬ヶ崎のことが本当に大好きで、その瀬ヶ崎をモデルに漫画を描いていることに、自分の中で意味と価値をしっかり見出していて、そこにプライドと誇りがあるように汲み取れました。「目は口ほどにものを言う」と言う言葉がありますが、まさにで、光が強いおかげで、目もはっきり見えて、葉の瀬ヶ崎への気持ちの真っ直ぐさも強く伝わってきたシーンです。

今更ですが、別にこの辺りのことは、わざわざこのように文章に書いて説明しなくとも、普通に見ていてニュアンス的に感じ取ることができる部分だとは思っています。
でも、やはり言語化することによって、監督やスタッフがどのように撮りたいのか、役者にどうやって演じて欲しいのか、少しだけ読み取れるような気がして、わたしはこのような分析がやめられないのです…。

あとですね…..。
この話はまだまだ話したいシーンがあります……。。。

洗濯機シーンのあと、瀬ヶ崎が帰ってきますよね?その帰ってきたときの照明がやばいの、みなさん気づいていますか!?!?!?!?!?!?

©️ 「体感予報」5話より
©️ 「体感予報」5話より

上の写真は真っ暗で何も見えないですよね。これが帰ってきてドアを閉めたすぐ後の写真です。そこから玄関の電気のスイッチをONにするのですが、ONにしたのが下の写真で、ONにしても画面全体が暗いままなんですよね!!
もう、これが大好きなのです!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!((((( 伝われ!)))))
やっぱ、電気のスイッチONにしたら普通は全体明るくしないといけないじゃないですか!でも、そこまで明るくならないのです!!!!!!!!!!
明るくならないのには、明るくしたくない理由があって、それは瀬ヶ崎が葉を見つけるまでの導線をゆっくり・じっくり・ジワリと丁寧に魅せたいからなのではないかと思います。
このシーンが大好きすぎて、この暗さの素晴らしさを伝えたいと思って記事のテーマを光にしようと思ったくらいです…。

あとね、5話は話したいことがありすぎてまだまだ書きたい気持ちなのですが…、例えば、瀬ヶ崎のベッドに葉が入るところの、光と鎖骨の感じとか。

©️ 「体感予報」5話より

その後の月がキレイなこととか。

©️ 「体感予報」5話より

最後の瀬ヶ崎が漫画をどうでもいいと言ってしまうところの、瀬ヶ崎がbackで葉が正面で光を受けており、葉の漫画への強い意志を感じるところとか。

©️ 「体感予報」5話より

凄くボリューミーになってしまうので、ここのくらいで辞めておきます!(笑)

さて、各話、意外と長くなって申し訳ありませんが、あと3話分あります…!ここまで読んでくれている人はもういないと思っていますが、もう書き始めてしまったからには止められないので、勝手にまだまだ行きます(笑)

◆ 6話 〜 New手法 : アオリ。


ここはもう1つ、新しい照明手法の話をしたいと思います。アオリと言われるものです。

©️ 「体感予報」6話より

光源(光が発している位置)というのは対象物より上にあるのが基本ですよね。太陽は人間よりも上にあって、上から明るくしてくれます。
でも、このシーンは、光源が下にあるという珍しいシーンなのです。葉は俯いているので、本来は顔に光が当たりにくいはずなのに、バッチリ顔だけが明るくなっているのがお分かりでしょうか…?
このように下から上へ向かって明るくする照明のことをアオリなどと呼んだりします。
ちなみに、アオリで一番分かりやすい例はコレですね!

©️ illust AC

「うらめしや〜」の時の懐中電灯を顔の下に当てるやつ!これがアオリです!あのように下から顔を照らすと、普段照明が当たらない角度なので、不気味なニュアンスが出るんですよ。
このシーンは不気味だとか、もちろんそういうニュアンスではないのですが、でも、葉と瀬ヶ崎がすれ違って、不穏な雰囲気なのは確かで、それを表現しているとまでいうと、こじつけで大げさな気がするのでそこまで言いませんが、やっぱ普段と違う照明が当たっていると「おおっ〜!」って思うので、書かせていただきました。

ちなみに映像で見ると光がちょっとグリーンっぽくて、それも普通の部屋での照明と違う雰囲気が出ていて好きなんですよね〜…。
実は1話のキッチンでのキスシーンでも、このライトがついていて、そこもよく見るといい感じでBackの役割を担っていて、最高なんですよ…。

©️ 「体感予報」1話より

顎から首にかけて、少しグリーンっぽい光がBackから当たっているの分かりますか…?これも何度も繰り返し述べていることになりますが、無意識に綺麗だと思っているシーンも何かしらの綺麗な理由があると思っていて、このグリーンっぽいBackがまさにその要素になっていると思っています。

流石にこれはマニアックすぎますかね…?すみません……。。涙涙

◆ 7話 〜 ベッド真横に窓があるということ。


さて7話!この話の一番好きなシーンは回想シーンの間に挟まるここの瀬ヶ崎です!

©️ 「体感予報」7話より

何の変哲も無いシーンですが、やっぱり顔が暗いのが良いんですよ!(もうこの「顔は暗ければ暗い方がいい」っていう話をするのも何回目だって感じですが、すみません…。)そしてシャツがシワに沿って明るいのも最高なのです!だって普通逆じゃないですか、シャツなんて明るく見せる必要性がないのにも関わらず、顔よりもシャツの方が明るいアンバランス感。その違和感がグッとわたしを画面に引き付けるのです…。

あと、今更ですが、やっぱ体感予報って何で光だけでこれだけ語れるかって、部屋の間取りがいいんですよね!スタンドライトとか、間取り以外の部分も大切なのはもちろんですが、瀬ヶ崎の部屋も葉の部屋も、共通してベッドのすぐ真横に大きな窓があるのが最高なのです。
ちなみに『4月の東京は…』は横に窓はあったのですが、頭方向にも窓があって、そっちの光の方が強かったし、『永遠の昨日』は横からは入ってきているのですが、窓の位置的に言うとやはり頭の斜め上といいますか、真横では無いんですよね。(※ この記事を書くためにチラッと見ただけなので、ちょっと自信ないです…!間違っていたらご指摘ください…!)

ついでに、ここは布教チャンスだと思うので、ベッド真横が窓の行定勲シリーズ置いておきますね!(オマケ:色についてですが、ブルーといっても色々なブルーがあるのも面白いんです。どちらも本当に全編を通して照明が大好きな作品なのですが、岩井俊二さん・行定さんあたりの作品は照明含めて何もかもほぼ最高だから、本当に全編見ていただきたい!ちなみに、照明家はこの2作品でも異なるのだが…)

©️ 映画「劇場」より
©️ 映画「窮鼠はチーズの夢を見る」より

「なぜ真横からの光がキレイなのか?」と聞かれると、「キレイだから」としか答えることができなくて、つまりは好みの問題で、他の作品、例えば真正面から当てていたりする作品もそれぞれに違う魅力があって素敵で、優越をつけようとしているわけではありません。
ただ、わたしは樋口さんだと、はっきりした顔立ちの方だから、その凹凸と言いますか、顔のホリを綺麗に見せたらより美しく映ると思っていて、そのためにはどう光を当てれば…となると、横からになるんですよね〜…

って色々寄り道しましたが、このシーンは、そんな顔の凹凸もわからないくらい、暗いのがいい!と言う話だったのですが、でもやっぱり多少は光が当たっていて、鼻先とかにBackで若干こすっているのがいいんですよね〜…、このニュアンスは横からの光でないと不可能なのです…。
と、もうマニアックすぎてすみません…。笑

あと、7話に関しては、最後これだけ述べさせてください!

©️ 「体感予報」7話より

これ!!!!Backの関係性が1話目と逆なのが分かりますか???
1話目は光源に向かって瀬ヶ崎は背中を向けていて葉が明るかったのに対し、この話は葉が背中を向けていて、瀬ヶ崎の方が明るいですよね!
つまり、最終回を1話残す時点で、“葉の物語で始まり、瀬ヶ崎の物語で終わる”と言う、ワンサイクルを完結させたように感じて、それが映像から・光からも読み取れる感じがめっちゃ綺麗だなぁ〜…と思ったのです。
わたしの考察しすぎなのか、計算済みなのか、わからないのですが、もうそんなのはどっちでもいいです!(笑)ラスト最終回について語ります!

◆ 8話 〜 最終回なのに爆笑シーン?。


最後は思う存分ベッドシーンを語って終わろうと思います(笑)!

©️ 「体感予報」8話より

最初の方に「1話目のベッドシーンは明るい」と述べました。最終回は1話と比べて暗いような気がするんですよね。気がするだけで感覚的な問題かもしれませんが、1話は空間全体が明るくて、ちゃんと顔を見せたいという意志を感じたのに対し、最終回は暗いとまではいかないものの、ちゃんとBackからの光はあって、たまに影になる瞬間があったり、陰影を楽しめるようにはなっているな〜と思ったのです。

が、しかし!!!!

©️ 「体感予報」8話より

樋口さんが脱いだら、途端に明るい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(笑)

え?なんだ?めっちゃ明るい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(笑)
今までの繊細さ、どこ行った??????????????????????????????????????????????(笑)

いや、褒めているんですよ(笑)

初見で見たときは気にならなかったのですが、光に注目して見返してみると、とんでもない明るさの差だったので、気付いて爆笑しちゃいました…。本当にみなさん!見返してみてください!!!!!!!!!!!!
写真でも一目瞭然だと思いますが、脱いだ瞬間カメラの角度が窓側からのショットになって、それによってめちゃくちゃ明るくなっていたんですよね〜!いやぁ〜、みんな樋口さんの鍛えた体はちゃんと見せたいんだなぁ〜…としみじみでした…。(笑)

わたし的には天気予報士は職業的に身体を絞っていないといけない必然性はないから、そんなに筋肉見せられてもな〜とか思っていたのですが、もう今となってはかっこいいからオールOKだし、制作サイドからもこんなに「見てください!」とアピールされたら、見るしかないっしょ!!!!!!!という感じになっています…。(笑)

真面目に今まで語ってきたのに最後、適当な感じになってしまってすみません….。(笑)

あと、本当に最後にこのシーンだけ!!!!!!

©️ 「体感予報」8話より

葉が風邪で寝込んでいて、起き上がる時のBackが綺麗すぎるんですよ。これはまさに最初で述べた『美しい彼』と同じBackでの照明の利用方法です。
顔が見えなくてもここまで美しいと感じるのは、今までの話で葉というキャラクターを増子さんが丁寧に演じられてきて、それをスタッフさんがより良いものにし、わたしたちにもちゃんと伝わっているからだと思います。

ミステリードラマは「殺人 / 犯人 / トリック / 探偵」この要素があれば成り立ってしまうように、恋愛ドラマも2人の人物さえいれば「好き / 好きじゃない」と言う2面だけで成り立ててしまうものだと思っています。そこをどう深く掘り下げられるのかは、原作やストーリーの力というのが一番大きいと思いますが、それを生かすも殺すも、現場の役者さんとスタッフの力次第だと思っています。

なんだか、ドラマの現場を全然知らないのに、口だけ偉そうな人みたいになっていて、綺麗事言ってんじゃねーよ!って声もするような気がしますが、でも、いちテレビドラマファンとしてそのように考えていて、このBackの光に照らされる葉を見ながら、物語が間も無く終わってしまう悲しさと、この最終回までに積み上げてきた演者・フタッフ、皆さまの努力への賞賛と、瀬ヶ崎と葉の行く末が明るい未来であることを願ってやまなかったのです…。


◆ おわりに


さて、ここまでに何人の方がお付き合いいただいているか分かりませんが、ここまで読んでくださった人がいるならば大感謝です。
今1万字を軽く超えてしまい、頑張ったら体感予報で卒業論文も余裕だな〜とか考えてしまっています…。笑
拙い文章だったと思いますが、お付き合いくださりありがとうございます。

きっと、こういう照明とか、現場の裏方って、本当にどんないい仕事をしたってあまり褒められないんですよきっと(笑)
マネージャーとか監督とか脚本家とか、演者と近かったり、もっと上の立場になったりすると、名前が挙がったりするのですが、裏の現場オンリーのスタッフって大変なのに地味な仕事すぎるんですよね…。まぁ目に見えないし、どんな仕事なのかもわからないのに、褒めようもないのは分かっていますし、別に褒められるために仕事をしている訳ではないと思うので褒めよう!って話ではないのですが…(笑)
ドラマだけに限らず、テレビ局やエンターテイメントに関わっている人の多くは裏方のさらに裏方のような仕事をしていて、見えないところでプロフェッショナルすぎてよく分からない仕事をこなしているのだと思います…。それがかっこいいんです……。

最初に想定してたよりも随分とマニアックな記事になってしまった気がするので、反省のようにこのような後書きを書いているのですが、ただ「体感予報」の素晴らしさを伝えたい!という思いから、何か少しでもドラマを見ることに関して、エンターテイメントを見ることに関して、新しい視点を提供できていれば嬉しいな〜とも今は思っています。
役者さんが好きでドラマを追うことも楽しいし、それが一番の楽しみ方だと思いますが、それだけで消費され、時間と共に忘れ去られていくと勿体無い作品が本当に山のようにあるので…。

わたしも記事を書いているうちに、体感予報が、樋口幸平さんが更に大好きになりました。このドラマは生涯、ずっとわたしの心に残るドラマになると思います。
このドラマ作りに関わった全てのスタッフ様と、演者の皆さまに改めて大拍手です!!!!!!!!!!!!!!!
そして、読んでくださった方も本当にありがとうございます…!!!!!!

ここまで人気ですと、きっと続編や映画化しますよね!(笑)
それまではわたしも頑張って生きようと思います!!!!
皆さまも共に頑張って生きましょうね!!!!!!(笑)

さて、では。
この後はNetflix・Hulu・U-NEXT、それぞれで体感予報を楽しんできてください!
わたしは今からTTFCに入ってドンブラザーズ見てこようと思いますっ!!!!!!!(笑)

長々とお付き合いいただき、ありがとうございました!!!!





୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈ 追伸 ┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧
(( 2023 / 11 / 27  0:27 ))


充分に長すぎる記事ですが、語りたいことは実はまだまだ山ほどあって…。
その1つが凄くモヤモヤしていることで、皆さまと共有したい!と思い、追加で文章を書いています。

それが、5話の葉が体調を崩して、瀬ヶ崎がキッチンに立つシーン。

©️ 「体感予報」5話より

この出来た料理。一瞬しか映らないショットですが、わたしは初めこれを見て、瀬ヶ崎のスープが濃くて、葉のスープが薄いのが、めちゃくちゃ感動したんですよ。
写真をよく見てください。ちょっと瀬ヶ崎のスープの方が濃い気がしません?これは、瀬ヶ崎は濃い味の方が好みで、かつ、葉は体調がすぐれない訳だし、葉を気遣って個別に味付けを変えた説っていうのを一人で唱えていたのですが………。

でも、何度も見ているうちに「あれ?これお茶も瀬ヶ崎の方が濃くて、葉の方が薄くない?」と気づいたのです…。
つまり何が言いたいかと言いますと『照明が当たるちょっとした角度で、そう見えていただけで、実際は同じスープな可能性がある(というか、きっと同じスープである)』ということです…。


ショック………………..………….。(笑)


いや!
でも、いいですよね!!!(笑)
こうなったら、実は麦茶の好みも瀬ヶ崎と葉は違っていて、瀬ヶ崎は濃い麦茶が好きで、葉は薄い麦茶が好きで、実は毎日2種類の麦茶を葉が頑張って作っているっていう裏設定でいいよね!?!?!?!?!?(笑)
鯛野ニッケさん!いいですよね!?!?!?(笑)
そうなれば、スープも瀬ヶ崎が一手間加えた説が有効になるのです!(笑)

みなさまも是非5話見返していただき、スープに関する意見ありましたら教えていただきたいですし、皆さんの好きなシーンや「このシーンはこうやって見てしまう…!」というようなこだわりの視点などありましたら、是非教えてください!(笑)

これで本当に最後です!

お付き合いいただき、ありがとうございました☺︎

୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧

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