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「山下清 百年目の大回想」その歳月を感じてきました。

「山下清展 百年目の大回想」佐川美術館
僕「今日、山下清展に行ってきたよー」

妻「ああ、あのおにぎり🍙の人?」

あ、やっぱそういうイメージなんだなぁ・・・。
って事で、今日は地元の佐川美術館で開催中の「山下清展 百年の大回想」を見てきました。

山下清っていうと、やっぱりTVドラマ「裸の大将 放浪記」。

野に咲く花のように 風に吹かれて
野に咲く花のように 人をさわやかにして
そんな風に 僕達も生きてゆけたら すばらしい
時には 暗い人生も
トンネルぬければ夏の海
そんな時こそ
野の花のけなげな心を知るのです

ダ・カーポの歌う主題歌「野に咲く花のように」を思い出しますね。

芦屋雁之助演じる主人公・山下清が、日本各地を放浪しつつ、
それぞれの町で出会う人々との触れ合い、各地でその模様を絵に描いてくという、
そんなドラマでした。

でも、実際の山下清とドラマで描かれる山下清とは、違っている部分も多く、
服装や、好物とされていたおむすび、
そして、絵に関しても、
旅先で得たイメージを自宅で描いていたというのが、本当の姿だったようです。

そんな山下清の作品たち。
貼絵や油彩、水彩画、ペン画、陶磁器など、その生涯で残した作品から、192作品を見てきました。

やっぱり彼の作品の殆どを占める、貼り絵の作品は、とても精密で規則的に貼り詰められた折り紙の色彩感が見事で、長閑な日本の原風景を描いたものから、野花、そして晩年のヨーロッパの史跡など、どれも目を奪われるものばかりでしたね。

長岡の花火


個人的に気に入ったのは、彼の代表作のひとつと言われる「長岡の花火」。
夜空の中を鮮やかに彩る花火の放つ光が、細やかに、美しく描かれていて、見事だなぁと思いました。

幼少時代、「裸の大将 放浪記」をお茶の間で見ていた僕の中の山下清は、
そのまま芦屋雁之助のイメージだったけど、
本当の彼の姿は旅人として美しい風景を求め、
それを旅先で記憶し、
キャンバスを前に、その風景と向き合って、
ひとつひとつの作品を完成させて行った人だったんだなぁと。

そのアーティストとしての感性に触れられたような気がして、
今まで持っていたイメージが大きく覆るきっかけになりました。

山下清 享年49歳。
自分も今年で49歳。

もっと描きたかっただろうなぁ。
もっと花火を見たかっただろうなぁ。
まだまだ若くて、沢山やりたい事もあったんだろうなぁ。

そんな山下清の過ごした歳月と、
その短い人生を回想させられる、いい展示会でした。

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