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レジェンド

ひょんなことから、ご縁があり。

埼玉医科大学元教授、形成外科医。
ガイドラインに基づいて、日本で初めて性別適合手術を行った、原科孝雄先生にお会いすることができた。

老後はね、びっくりするほど時間があるよ。去年は富士山に登ったよ。

84歳。
お元気でした。優しく笑っていました。

「性同一性障害って、障害だから病気なのですか?」という他の医師から、原科先生に質問があった。

病気ではない。障害ではない。
ジェンダーは個性だ。

昔の話だけどね。
友達の結婚式に行った私の患者は、結婚式会場のトイレで泣いたらしい。
「自分は結婚もできない。子どもも持てないのだ」と。               周りから目に見えない葛藤の方が
心の中に、我々には計り知れない、わだかまりがあることがある。

私の引退後も、ジェンダー手術は埼玉医大で続く予定だったのだけれどね。

ジェンダーの医療をなぜ始めたか。
始めるには運命の出会いがあった、そんなお話も。

先生の教授時代は、1987-2007年。
昨日の出来事のように、
ゆっくりと丁寧にお話をしてくれた。

ジェンダー概念の話の中では、こんな話も。

Gender identityとSexual orientationは違うから、トランス男性で男性が好きな方もいるよね。

僕が原科先生と同世代に生まれてたとして。同じ医者になったとして。
2024年の今、84歳だとして。
Sexal orientation という言葉を発せれるかな、思った。

当時情報がない中で、たくさん勉強したのだと、そう思った。


原科先生の隣に座り。同じ空気を吸い。ご飯を食べる。
こんなことが起こるとは思いますが思わなかった。

明日からもがんばろう。
先生、ありがとうございました。

原科先生と。

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