【メルボルン】The Royal Children's Hospital 小児科見学
Gender Affirming careの小児科外来では、基本的に保護者が同席していました。
患者さん(子ども)なしで、保護者だけがいらっしゃる場合もありました。
主な診療内容は。
Puberty blocker(二次性徴抑制療法)開始したり、経過を見たり、Puberty blockerから自認する性に近づけるホルモン(テストステロン、エストロゲン)を開始したり。
精神科やセラピストとディスカッションしながら、診療を進めているようでした。とても慎重だな、と感じました。
子どもにとってこの外来はとてつもなく重要だと感じたけれど、果たして日本にこんなGender Affirming careを行う小児外来はあるのだろうか...と考えました。
Puberty blockerからテストステロン、エストロゲンを始めるときの説明は、
さらに慎重でした。
将来、ホルモン療法は辞めることもできるよ。
それはあなたが決めていいんだよ。
でもホルモンによって起こった変化で、戻るものと、戻らないものがあるよ、ということ。
ホルモン療法をやめても。
テストステロンによる声の低音化は、戻らないよ。
エストロゲンによる発達した胸は、そのままだよ。
など。
性感染症、妊娠、避妊、家族計画のこと。婦人科と同様に、このお話もされてました。
説明はものすごく丁寧。
1人の患者さんにかける時間は45分〜1時間くらい。
何回も、質問はない?大丈夫?と尋ねていました。
最初は保護者、患者さん、医師でお話。
その後、保護者は外で待っててもらうようにして、患者さんと医師の2人でのお話。
先生にしか話せないこともあると思います。学校のこと、恋愛のこと、友だちのこと。
Puberty blockerの開始はホルモン値だけでなく、身体症状も診て開始になります。
身体症状は、Tanner分類(思春期の発達の程度)で今どのあたりまで成長しているかをみるのだけれど。
今回、この診察方法が素敵だなあと思いました。
思春期の発達(Tanner分類)は、人それぞれペースが異なります。
日本の小児科では、思春期の発達は必ず医師の身体診察で確認します。
しかし、オーストラリアは違いました。
身体というのは、パーソナルな部分。
あなたが良ければ、私(医師)がチェックするし、あなたが嫌であればやり方を教えるから、セルフチェックして教えてね。と。
胸の発達
脇毛、陰毛の発達
精巣の大きさ
触診OKの場合
胸の発達は、服の上から診察。患者さんに乳首の位置を教えてもらい、触診し
、大きさの確認をしていました。
精巣セルフチェック希望の場合
卵型のガラス模型を見せて、精巣の大きさはどのくらいだったかな?と聞いてました。
Puberty blockerは、声の低音化があるので、トランスガールの方が早く始めることが多いと、教えてくれました。
ホルモン療法によって精巣が育たないと、造腟の時に陰嚢の皮膚が使えないから、すこし複雑な手術になるよと、
12歳に説明したことは忘れません。
話し方が優しくて優しくて優しくて。こんなお医者さん、いるんだなあ、と。
自分の医師人生を振り返るきっかけにもなりました。
ありがとう。
Dr. Debi Feldman☺️
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