【どこでもいいから、ホルモン療法を始めたい】で、良いのか。
日本のGender Affirming careの規定の統一化はない。
チームで一体化はしておらず、厳しい取り決めもない。
ジェンダーに関する知識がなくても、医師免許があれば、
クリニックでトランスジェンダーに対するホルモン療法を提供することは可能だと思う。
そのため、
など、
日本ではどの科であっても、
クリニックのwebサイトでよく見るようになった。
これは、本当にいい流れなのだろうか。
患者さんの精神状態が安定していない中で、ホルモン療法を開始することは危険があると思う。
ホルモンを始めれば、バラ色の人生が待っている。全て解決する、わけではないと思う。
そのため、私は、患者さんときちんと話し合った上で、ホルモン療法をおこなっている。
精神状態が不安定の場合は、すぐに精神科と連携を取る。
開始しないこともある。
初診の患者さんから
と怒られることもある。
ホルモン療法を開始する時は、リスクを分かった上で、説明を十分理解してからの開始が良いと思っている。
ホルモン療法について丁寧に説明するため、ジェンダー外来は一人一人非常に時間がかかる。
日本の医学教育の中では、トランスジェンダー医療を学ぶ機会がほとんどない(全くない大学もある)。
研修や勉強などせずに、医師免許取得のみで、本当にジェンダー医療ができるのか、疑問である。
私はこの10年間、トランスジェンダーのホルモン療法について勉強したが、
世界的にトランスのホルモン療法はまだわかっていないこともあるので、未だ悩むこともある。
HRT(ホルモン療法)は、簡単ではない。
ただ、ホルモン療法をしたからといって、きちんと医療者が関わっていれば、寿命が早まることはないと言われている。
しかし、医師診察も血液検査ないまま、ずっとホルモン療法を行うことはとても危険だと思う。
メルボルンやアデレードで勉強し、
トランスジェンダー/ノンバイナリー医療に対する医師や看護師の熱心さに驚いた。
医師や看護師、みんなの意思は、まさにこれだった。
患者さんたちに傾聴し、必要な医療を安全に提供する。
ジェンダー医療を行う、オーストラリアの医師や看護師は、ジェンダーの知識は豊富で、患者さんの方が知識がある、ということはない。(日本は患者さんの方が色々知ってることもある。)
トランスジェンダー医療(Gender Affirming care)に携わりたいオーストラリアの医療者たちは、
メルボルン大学を拠点に、トランスジェンダー/ノンバイナリーの子供から大人までのケアについて勉強し講習を受け、
地元のクリニックで、トランスジェンダーの医療ケアを行っていた。
AusPATH(オーストラリアのジェンダーチーム)では、いつでもメンバー間でメールでディスカッションできるようで。
と、1ヶ月に何度もメンバー同士で気軽にディスカッションをしているらしい。
見た目が男に見える、女に見える。
お風呂が、トイレが。
の話ではなく。
ただ、注射を打つ、のではなく。
様々なジェンダーの人たちの生活に寄り添い、必要な医療的ケアを学ぶオーストラリアの医師や看護師の姿勢に、感銘を受けた。
ホルモン療法は、患者さんを想い、寄り添ってくれる医師や看護師がいるクリニックで行うことをお勧めします。
医師診察があり、お話をゆっくりできる。
患者さんを第一考えて、気にかける医療スタッフがいるところ。
ホルモン療法を行なっていく上で、自分が主治医と思える先生に出会えることが1番かと思います。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?