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命の価値は「長さ」ではなく「使い方」なんだ!

とても難しいですが、絶対に一度は考えておくべきテーマ。
「死」をどの様に捉えるか。個人差があり過ぎます。


抗がん剤を投与され、病院の中で過ごす時間など、生きているとは言えない。それで余命が多少伸びたとしても、治療で失った時間を考えれば損失だけが残る。ただでさえ限られている最後の時間を、こんなところで無駄遣いしたくない。

-『最後の医者は桜を見上げて君を想う』より抜粋~


人は病気を治したくて病院へ行く。
医者は少しでも長く生かすために副作用のきつい治療を進める。しかし、治療や辛い副作用を克服する為に費やした掛け替えの無い時間を「損失」と考える人もいる。


だから「死」を「生」の一部と解釈して受け入れるべき。
そんな考え方があるんだ。


長年製薬会社で勤務してきたせいか、もしかしたらこの考え方から逃げて来たのかもしれない。本書を読み終えた今、幸せな人生って何だろうと考えてしまいます。


少しでも延命して家族との時間を作ること。
果たしてこれだけなのだろうか?
自分の人生なんだよね。「死」は役割が終わったってことかな。


登場人物である桐子先生の考え方には正直なところ馴染めなかった。
でもその背景を読み解くと、何だか少しずつ理解できる様になって来る。


不思議な物語だ。
実に不思議です。


手術して、化学療法して少しでも長く生きる。
僕は今までこれが普通だと思っていたし、これからもそう信じたい。
でも、もう一つの考え方もあるんだと納得してしまう。



そんな考え方を教えてくれたのは、二宮敦人さんの作品です。
『最後の医者は桜を見上げて君を想う』


「死に振り回されると、往々にして生き方を失います。生き方を失った生は、死に等しいのではないでしょうか。逆に、生き方を維持して死ぬことは、生に等しいとは言えないでしょう。

-『最後の医者は桜を見上げて君を想う』抜粋~


桐子先生のニックネームは死神。
勤務医仲間からも敬遠され、現在の医療からは駆け離れた思考。
積極的な治療を回避して、人間らしく「死」を受け入れる。


物語は3人の友人医師の物語。
学生時代は仲が良かった仲間であったが、考え方の違いから袂を分かってしまう。でも、友の病気をきっかけに双方が何となく気付く。


命の価値は「長さ」ではなく「使い方」であることを。
全く相反する思考には一縷の共通点があるんだ。
医師としてどの様に患者と向き合うのか。
実に読み応えがあります。


医療現場で勤務する医師の高度な駆け引き。
「命」を巡る思考の戦い。
晩夏のこの時期、ぜひ手に取って「命」を感じてみませんか?
Kindle unlimitedで無料です!!


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最後まで読み進めて頂きありがとうございました。
残暑を満喫しましょう。🌱




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