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幸福な悪条件。

実がたくさん付いた枝が道に落ちていた。
ツキノワグマにとっての秋は、もう始まっているようだ。
見上げた梢には、豊かな実りが点々としている。
どうやら、実りは良さそうだ。

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何かが豊作で、クマが僕の目が届く範囲に出てこない。
もしくは豊作過ぎてどこにでも食べものがあり、
彼等の行動圏を絞り切れない時のことを、
僕は『幸福な悪条件』と呼んでいる。
撮影者には悪条件だが、クマにとってはきっと幸せな状態だからだ。
そしてそんな風に思うとき、撮れないながらも、
なんだか僕まで嬉しい気分になるものだ。

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幸福な悪条件。今年は、どうもその傾向が強かった。
秋も、ひょっとするとそれは続くのかもしれない。

まぁでも実は良い予感はしているのだけど…。
依頼撮影や書き仕事の合間に、どれだけ森に通えるか。
まぁ、撮れなくてもいい。今年はきっとクマにとって
幸せな年なんじゃないかなと、勝手に思っている。

いただいたサポートは、旅費や機材など新しい撮影活動の資金とさせていただき、そこで得た経験を、またこちらで皆様にシェアしていきたいと思います。