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バイク、美女、爆音ジェット戦闘機!

ガキの頃から「戦闘機」といえば「トムキャット」だった。特に1986年のトップガンが好きだったわけではない。多分テレビで見たんだろうけど「戦闘機かっけぇ」「音楽がかっこいい」くらいの記憶しか残ってなかったし。でも可変するウイングや二枚尾翼とか独特の平べったいフォルムが印象に残るんだと思う。マクロスのバルキリーもF-14に似せているからかもしれない。あとボンボンでやってたプラモデル漫画にも出てきたし。トムキャットという愛称もかっこいい。

だから改めて「トップガン」を見るとやっぱりトムキャットはかっこいいなぁー。トム・クルーズもかっこいいなーと思ったし、やっぱり映画としての印象はなんか薄かった。なんでこれが名作なんだろうと思っちゃう。

おそらく「トップガン」という映画がいわゆるスポーツもの的に作られていることが俺のなかで齟齬を生んでるのと、選抜されたパイロットの中でトップになるという目標設定とその達成条件がいまいちピンとこないんだと思う。

何より空戦が何をやってるのかがよくわからないっていうのが大きい。これは最近知ったけどいわゆる「ありもの」の映像を使って無理やり編集したものらしい。つまり、海軍の人がデモンストレーション的に飛んでる映像を撮って、操縦席に乗ってる俳優の映像と台詞をつぎはぎしたものだから演出サイドが見せたいものにはなり得なかったと。

というわけで、トップガンを復習してそんな感じの印象を持って巷で話題のトップガン マーヴェリックを観てきました。

まあなんというか、ある意味卑怯というか。トップガンという(俺はなんだかよくわからんと思うけど)全米1位の記録を持つ映画史に残る名作を「プロローグ」として、むしろ「こっちが本番」くらいの映画になってる。作中の時間と現実の時間でも30数年経っているという時間の重みを観客も共有できるのが大きいし、そこに説得力を持たせるのがトム・クルーズという人が現実でもトップを走り続けているところにもあるんだと思う。そうじゃなきゃあんなムキムキのイケメンたちを叩きのめすおっさんなんて役成り立たない。

現実世界ではドローン爆撃機が実用化されてその活躍がニュースにもなってるし戦闘機乗りはいずれ要らなくなるのかもしれない。そしてCGでなんでも表現できるこの時代、トム・クルーズは自ら戦闘機を駆って撮影に臨んだというし、まさに「だが今日じゃない」を体現してるのも熱い。

色んな熱くなるポイントはあるけど、それらを活かすためのこの映画の核となる「任務」を考えた人すごいなって思う。

要は俺が「トップガン」でピンとこなかった目標設定の部分。何が目標で、何が難しくて、そのためにクリアすべき課題がこれとこれとこれって明示されて、そのクリアのために生徒たちは競い、教官は指導しているっていうのがめっちゃ分かりやすい。しかも冒頭で開発中の最新鋭の戦闘機でマッハ10出すのにめっちゃ苦労してるのにマーヴェリック同様ロートルのF-18でマッハ9出せとか言うのもわかりやすい。そしてドローンが使えなくてF-18を使わなきゃいけない理由づけまでされてるし。

しかしF-18ってF-14にくらべて、ほんと地味というか…とくに羽がださい…。まーほんとふっつーの戦闘機だなって。
ちなみに現実での現在最新最強はF-22ラプターかF-35ライトニングですがF-35は論外ですね。メタボデブとかいわれてるし。F-22も尾翼がななめってるのとか上からのシルエットが蛾を思わせるのが…。

目標設定も分かりやすいんだけど、とにかく往年の80年代を思わせるオレンジ色の逆光、トム!バイク!いい女!っていうコッテコテの定番メニューが並んでいるのも気持ちいい。ジェニファー・コネリー、アップになっても目とか鼻の造形が美しくてアップになるたびに(美人だなぁ〜)って感心しちゃったけどペニーって前作にいたっけ?って思ったら冒頭シーンで説教受けてる時に名前だけ出てきてる当時の司令官の娘なんですね。それを伏線として利用したのもすごい。

ちなみに俺は4DXで観たんですが、ソニーがわざわざ15ヶ月もかけて開発したとかいう小型IMAXカメラの力でコックピットの俳優たちのリアルな演技が4Dの力と合わさってめっちゃくちゃG感じました。この体感する説得力をだすためにいかに必死に取り組んだかは俺は後で知るんだけど、そういうの知らないで観て十分にGの説得力を感じられました。前作とは違ってキャノピー越しの映像と戦闘機が飛び交う映像も合っているから(さんざん飛行ルートを説明されてるし)何をしているかがわかりやすいのもあった。どんな離れ技で出し抜いて後ろを取ったかとか考えなくてもわかったし。

そして実際の任務に挑む前にペニーに何かを告げるマーヴェリックは(うわ、俺この任務が終わったら結婚するんだ、じゃん)とそこもベッタベタに行くのかと思ったらルースターに助けられて仲良く遭難。どうやって帰還すんのかと思ったらまさかのザ・アメリカ的ご都合主義展開でしたね。ありがとうございますありがとうございます。

っぱF-14なんだよな!

まさかこの時代にそのままF-14を出すとは思いませんでした。しかしマーヴェリックだからこそしってるF-14の特性(平べったくて胴体がでかい)を生かした垂直になって急減速しての後ろ取りとかアツすぎる。

で、危機を乗り切ったと思ったら最後の最後にまたピンチで脱出するのかと思ったけど調子が良くて優秀なあいつが散々まだこねぇの?お前の出番だよ?って思わせて出てくるというご都合主義万歳。

ちなみに最後は空母に滑り込んでましたが、これは昔読んだ小説かなんかに書いてあったんだけど、陸と海の戦闘機乗りって種族が違って仲悪いらしいんですね。彼らは空軍にいるパイロットとは違うんですよ。そもそも空母の飛行甲板って陸の飛行場の滑走路の30分の1しかないんですよ。あらびっくり。本来3000m使うのを100mでどうにかしてるんです。発艦する時はカタパルトで無理やり吹っ飛ばしますね。あ、かかるかなと思ってたらちゃんとDanger Zone流れてしかもいきなりだったから冒頭からテンションマックスになりましたね。まあ、後半で使えるような曲でもないけど。
で、問題なのは着陸の方で、あれは「人工的に墜落」してるらしいです。距離もそうだけど重さにも条件があって場合によっては燃料やミサイルを捨てた上じゃないと着艦できないとか。ほんでフックをひっかけそこねると海にドボンだとか。
そういった自殺行為を毎回やるのが海の戦闘機乗りで、それができる技術と度胸を誇りにしてるのと、頭のネジが飛んでる扱いするので喧嘩になるとか。

そういったことを思い起こさせる着艦まで含めて徹頭徹尾、海軍の戦闘機乗りを描ききったなと。そして最後にバイクで飛行場行って自前の飛行機でペニーとランデヴーとか完全にこれぞハリウッド!な終わり方でエンドロールのごーん。ごーん。って鐘の音でまた感涙ですよ。

トップガンアンセムもいいんだけど、帰りはDanger Zone爆音で流して帰りましたけどね。

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