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10倍の世界

1円が10円、10円が100円と続けても、いつまでも、お金からは離れられないが、距離を10倍しながら見ていくと全く新たな世界が広がっていく。何十年も前に海外の科学者か思想家が述べていたような記憶があるが、改めて目をつぶり、その世界を思い描いてみた。

今座っている私の視線は、1メートルに満たない高さにある。その1メートルを横にして、ぐるっと回して描かれる直径2メートル程の円は、人が寝ることができる程の広さである。1メートルの10倍の10メートルは、長さ5間、6間で、部屋ならかなりの大広間だ。

さらに100メートルは、古来の一町歩に近い。 通りから次の通りまでワンブロックというが、街を歩きながら、それは100メートル位だと適当に判断して距離感をつかんでいる。丸の内に再現されている明治時代の三菱のレンガ建築は、一丁倫敦と言われた。

1キロメートルは、10分程で歩けるちょっとした距離、10キロメートルになると、今住んでいる所から都心の大手町までの距離で、移動手段は電車や自動車になる。100キロメートルは、東京駅から熱海、宇都宮、高崎までの距離に近い。

1000キロメートルは、東京から福岡市が道程千キロを越える。直線距離で1000キロなら、東京から種子島、小笠原諸島になる。

フランス革命後の1790年にフランス議会でメートル法が制定されたときに、北極点から赤道までの子午線の距離の1千万分の1を1メートルとしたので、北極点から赤道までは、1万キロメートルになり、地球が球体として認識されてくる。地球の円周は4万キロメートル、10万キロメートルになると、地球がすっぽり入ってしまう。

月までの距離は、約38万キロメートル。光速は、毎秒30万キロメートルなので、月との通信には、往復2秒少しかかる。1969年にアポロ11号が月に行ったとき、テレビ生中継が放映されたが、地球との音信のやりとりに2秒程の間があり、月が光速を意識する程に遠いことを知って、面白かった。

100万キロメートル先には、何があるのだろう。1000万キロメートル先には・・・そして、1億キロメートル。太陽までは、1億5千万キロ、これを1天文単位(AU)とするらしい。地球と太陽の間に水星、金星がある。太陽系で、もっとも遠い海王星は太陽から45億キロ(30AU)である。100億キロメートルは、太陽系がすっぽり入ってしまう距離だ。

1000億キロメートル、さらに1兆キロメートルと、気が遠くなる。

9兆5千億キロメートルは、1光年。アバウトな自分は、10兆キロを1光年にしてしまう。このあとは銀河や銀河団の世界なのだろう。250万光年の先には、肉眼で見えるアンドロメダ星雲があるらしい。

この辺が自分の知識と想像力の限界だ。だが、まだまだ先に宇宙がある。しかし、自分の脳は宇宙の暗闇に入ってしまい、すでに停止している。

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