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カツ丼のカツは丸が良い

「友だちにカツ丼のカツは、丸いよね」と言ったら、意外なことを言うという顔で、ただ笑っていた。何度か食べた経験から達した結論なのだが、そうだねという反応がないと一般的な話ではないのかと不安になる。また今度、カツ丼を注文して、丸いことを確認しようと思った。

今日、蕎麦屋でカツ丼そばセットを注文した。出てきたカツ丼を見たら、カツが見事に丸かった。しかもどんぶりの中にぴったりと収まっている。やはりカツ丼のカツは丸が正解だ。楕円形では、丸いどんぶりからはみ出してしまう。小さい楕円形では、白いご飯が見えて、とじ卵でご飯を隠さなければならない。

今日の丸いカツは4つに切れていて、カツ一切れとご飯の量が対応している。端のカツは小さいが、その下のご飯も少ない。真ん中のカツは大きいが、その下のご飯は深くて多い。カツを食べる量に応じてご飯が減っていく。見事な計算だ。

どうすれば丸いカツができるのだろう。丸みのある豚肉を選んで仕入れ、形がゆがまないように揚げるのだろうか。しかも、どんぶりの大きさにぴったりした大きさに揚がっていた。たいした技術だ。

お茶を取り替えにきた店員さんに、「カツ丼のカツまん丸ですね、カツは普通は長いですよね」と言うと、「私が作ってるのじやないので。衣で調整してるんですかね」と言う。「いやカツが丸いです。すみません。変なことに感動しちゃって」と答えた。

こういう些細なことに職人さんの努力や工夫があるのだろう。以前に食べた食堂の大根おろしが全く水っぽくなく、さらっとしていた。切れ味の良いおろし金を使っているのか、特別な方法があるのだろうか。今日の感動は、それ以来のものだ。

今日の結論、カツ丼のカツは、やはり丸くなくてはならない。


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