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スカイツリーの見える風景

スカイツリーができて10年以上経つだろうか。東京とその周辺に新たな景観が生まれたようだ。東京の近郊にある千葉県市川市の国府台からは富士山の左側にスカイツリーが見られ、カメラのファインダーの中に富士山とスカイツリーを収めることができる。「立冬から立春の間、夕日が富士山に沈み、美しいシルエットを描く」という話を国府台にいた写真愛好家が話してくれた。八千代市のビルからも見えたし、母親が入院したさいたま市の東大宮病院からもはるかに遠くの地平線にスカイツリーが望まれた。スカイツリー(634m)の高さからすれば、かなり遠くから見えても不思議ではない。高尾山(599m)や筑波山(877m)並みの高さなのだから当然なのだろう。かつては、見渡せばその果てには大地と空の境があるだけだったのだが、今では、遠く小さく見えるスカイツリーが風景にアクセントを与えている。

下町に住んでいると、日常生活においてもスカイツリーが見られる。スカイツリーが完成したとき、たまたま近くの歩道橋に上がったら、道路の彼方に遮るものもなく、その姿が見られて、うれしくなった。船堀タワーから中川・荒川の向こうに見えるスカイツリーは、写真に収まるちょうどよい大きさに思える。

そんな中でもスカイツリーが見える風景で好きなのは、真っすぐの道の向こうにスカイツリーが見える光景である。葛西地区の古道は北西の方向を向いていて、どの通りから見ても道の先にスカイツリーが見られる。また、浅草や墨田区を歩いていると商店街の通りの先にスカイツリーが見られて、思わぬ出会いにうれしくなる。小道や路地は日常生活の空間、その向こうに見えるスカイツリーは非日常の夢の世界、そんな対比が私の心を揺さぶるのだろう。

墨田区役所付近の小道から見たスカイツリー
国府台から見た富士山とスカイツリー
葛西橋通りの歩道橋に上り見たスカイツリー
船堀タワーから見たスカイツリー



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