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オタ恋カップルの馴れ初めを勝手に捏造してみた


外資系IT企業からのFIREを成功させたたかしは資産運用以外の生活に意味を見出せずにいた。金目当てで己に群がる男女の追従に飽いた彼は、自分の本当の姿を隠しオタクとしてマッチングアプリに登録する…という設定を作ってアプリ上でそれらしく振舞うニートの三十男、たかし。そしてそこで出会った女性、めぐみ。彼女は病気で失った恋人の面影を探し、マッチングアプリを徘徊する富豪の娘…という設定のアニメを模倣する虚言癖の家事手伝いを生業とする女性だった。出会ってはいけない二人が出会う。互いの嘘と嘘を燃料として燃やし、この恋は何処まで走るのか。

「もーっ!お兄ちゃんのバカぁっ!」
再婚した父さんの結婚相手が連れてきた義理の妹は地下アイドルだった!?メジャーなアイドルオタクの俺をボロクソに言ってくるあいつ。でも俺は知っている。誰よりもひたむきなあいつのアイドル魂を。次第に心を開いていく義妹と俺の距離が縮まる。深まる絆を糧にして、今、俺たちの禁断の恋が加速する。

筋トレオタクのタクヤは暴漢に襲われそうになっていたサトコを間一髪で救った。タクヤに好意を寄せるサトコ。しかしタクヤは筋トレ以外の生活に興味を持たない男だった。「まずはベンチプレス50キロが目標だな。話はそれからだ」タクヤの課した課題を達成しようと筋トレに励むサトコ。数ヶ月後、仕上がったサトコはタクヤの愛を掴むべくジムへと急ぐ。彼女の背後には血塗れで倒れる暴漢が。いま、ひとりの獣が街に放たれた。

国際結婚詐欺師とマッチングアプリのサクラ。出会ってはいけない悪同士の禁断の恋が始まる。互いの思惑が交差する恋の地獄、狐と狸の化かし合い。詐欺師のジョージ真壁はメールに反応した女性が自分に本気の恋をしていることに気づくが、組織の待遇に甘んじ、真実を告げられない。サクラのカレンもまた、ジョージへの課金ノルマを心苦しく思いながらも、破格の報酬に目が眩みサクラを止める気は毛頭無かった。互いの金が尽きるのが先か、愛が尽きるのが先か。愛の耐久戦がいま始まる。

えっ、リュウと知り合いだなんて嘘なんですか?
いやいや違うよ、俺、ICPOの刑事だし嘘つけないし
シャドルーは壊滅したはずですよね……?
いやまだなんだよね。ベガの野郎、いつもいいところで逃げちゃうからさぁ
あの、ホントに格闘技、強いんですか?
あーそれね、足立区空手大会で準々決勝までいった
そもそもあなた春麗じゃ無いですよね?
違うよ春麗だよ。気功掌だって撃てるし。キキョーショー!
いや言えてないし出てないし。他に何か証明できるものあるんですか!!!???
あ、ほらほら、スピニングバードキックできるって!やるから!いま!スピニンバーキッ!あ!浮いた!やった!回る!回る!止めて!誰か止めて!お母さん!おかーさん!!!

「許さんぞカカ口ット────ッ‼︎」
「いやカカ口ットって誰ですか」
「ふん。カカ口ットも知らんとは。所詮未開の星の下等な生物だな。いいか、奴を見かけたらすぐに俺に言え。サイヤ人の汚点はすぐに消さねばならない」
「なんかめんどくさいやつ来ちゃったな」
「いいか女、スーパーサイヤ人になった俺に弱点はない。いつでも挑戦は受けると伝えておけ!ハーッハッハッハ!」
「いやなに言ってるかわかんないし。怖っ……ごめんなさい予定入っちゃったんで行きますねーサヨナラ」
「お、女??いいのか貴様!サイヤ人の王が目の前にいるんだぞ!おい待て!待ってくださいっ……!
(ナレーション) ベジー夕は生まれて初めて心の底から震え上がった…真の敗北と決定的な挫折に…

ゴボッ!ゴボボボベー!ゴボッゴボッ!
ゴボボアバ!アババボボ!ゴボォアバババゴボボー!!

「ギョニソ!ギョニギョニ!」
魔界の奥底より復活した魔人ギョニソは人間の女を篭絡し堕落させるべくマッチングアプリに登録した。魅了の魔力と異界の知識で人類の半分を堕落させれば、人間界の覇権は思うがままだ。さっそくアプリをポチポチして魔界風コンカフェで待ち合わせを取り付けた彼は、何も知らずに餌食となるであろう女性と出逢いを果たす。
「ギョニギョニ!ギョギョニ!」
「うわキモっ。っていうかギョニソじゃん。あんた何やってんのこんなとこで。てか服着ろし。あとココは私の餌場だから邪魔しないでよね」
「ギョニ?ギョニソ?」
「は?魔界の女じゃ不満だっての?わーかったからさっさとおとなしく精よこせっての。あ、ここの会計とアプリの課金代も貰ってくからヨロシクね」
「ギョニー!ギョニィィィ!」
「だからなに言ってるかわかんないって」

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