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真面目と不真面目。

着物とアクセサリー問題の続き。
多分、着物にアクセサリーを着けさせたくない人のお話を拝聴して、
「わかりました!アクセサリーなんてとんでもないんですね!浴衣は仰る通りに着させていただきます!」ってなっちゃう人もいると思うんですよ。

でも。
例えば高校の制服、先生とか親の言うとおりに着ました?
(もちろんきちんと言われた通りに着た方もいらっしゃるでしょうが)

自分はコギャル世代だったので、スカートは膝上20センチ、猫も杓子もルーズソックスでした。
今の高校生は、スカートは膝丈で、短めの靴下をちょっとくしゅっとさせて履いてますよね?
どちらも、大人に「このようにしたまえ」と言われてやってる訳じゃないと思うんですよ。

じゃあ、なんで着物だと「浴衣って難しいんですね!怖いんですね!すいませんでした!」ってなっちゃうのか。

多分原因の一つは、着てる人の少なさなんですよね。
浴衣を着て歩いてる人はお祭り会場くらいにしかいないし、普段着てないので、着ているだけで精一杯。
で、お祭りで着るのはせいぜい1シーズンに数回だから、慣れないまま夏が終わって、去年を忘れてまた夏が来る。
お手本にできる人は周りにいないから、テレビで見た何か偉そうな先生のお話が唯一無二の正解みたいな気がしてしまう。


もう一つは、「着物=日本の伝統文化なのだから○○であるべし」みたいな論調。

そして、そういう人は声がでかいんです。なぜか。

確かに着物は日本の文化かもしれないけど、じゃあ伝統って何よ、って話ですよ。
平安時代と戦国時代と江戸時代と高度経済成長期、服装だけじゃなく、常識も言葉も食べるものも、全然違いますよね?
同じ時代で切り取っても、47都道府県でけっこう違うじゃないですか。
じゃあ、何をもって伝統とするのか。
少なくとも、着物を文化として残す気があるなら、不変ではなく普遍を目指す方が、未来があると思うんですよね。


…という訳で、着物好きの皆さん!
ガンガン浴衣で外に出ましょう!
そしてSNSに写真をあげましょう!
「何かあるんですか?」と訊かれたら「なんとなくです!」と答えましょう!
お直しおばさんに捕まったら「ありがとうございます~助かります~」と遠慮なく直してもらいましょう!
なんなら着付けのコツとかかわいいコーディネートとか教えてもらいましょう!
アクセサリーでも帽子でもサンダルでも、好きなものを身につけて、好きなところへ出かけましょう!
スーパーでもやしと豆腐買うだけでもいいし、コメダ珈琲店でシロノワール食べてきてもいいし、美容院で髪切ってきてもいいし、ライブで飛びはねてもいいし。
(ライブは足を踏まれたりするので、足袋とか靴下とか履いたほうが安心です。経験上。)
家で着て、ジャンプ読みながら麦茶飲んでゴロゴロするのもいいですね。一人カラオケってのもありだし。
体の線が隠れるから体型を気にしなくていいし、腕も脚も隠れるから日焼け防止になるし(うなじとデコルテ、足の甲は注意)、風が抜けるからわりと涼しいし、色々便利ですよ!
ほとんどの浴衣はネットに入れて洗濯機で洗えるので、多少汚しても大丈夫です!

着付けがハードルかもしれませんが、丁寧に着てれば、多少よれようがシワになろうがご愛敬ってもんです。
何度か着てると体が慣れてくるせいか、そんなに疲れないし、崩れもしなくなってくるんですよ。本当に。

別に浴衣にアクセサリーを着けたら逮捕されることはないし、着方が間違ってるからって罰金を取られることもないです。
着崩れたら「デデーン!アウトー!」とか叩かれたりもしません。
カジュアルなものに形式を要求する方が野暮なんです。

左前にならないように、下駄で車を運転しないように、それだけ注意すればオッケーです!
ちなみに左前に関しては、右手がすっと衿に入れば大丈夫。

下駄の運転はホントに危険なので、運転の時は靴か踵を固定できるサンダルでお願いします。

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