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二輪免許取得記18。

二輪教習23時限目。
卒検のコース2回目。

運良く、前回の教習から間をおかずに予約が取れた。
今回は、一番最初に引き起こしを見てもらった(そしてできなかった時の)教官。
時々教習所内で会ったときに声はかけてもらっていたけれど、バイクの教習で教えてもらうのは初めて。
けっこう心配してくださっていたらしく、恐縮する。

まず内周を3周して、エンジンが暖まったところで卒検のコース。
まだバイクが暖まっていないからか、危なっかしさがにじみ出ているのか、
「急制動、最初のうちはゆっくりでいいから、だんだん速度を上げてね」
との指示。
言われたとおり、急制動はいつもより少しゆっくりから始める。
急制動から一周してクランク、スラローム、S字、坂道発進、一本橋。
我ながら、なんだかぎくしゃくしている。
力が入っているのか、スラロームの途中でギアを踏んでいたらしく、いつの間にかNに入っていた。
クランクも、妙にぎこちない。
一方、坂道発進の前、上り坂の途中の一時停止はなんとか安定している。
一回りして、教官からアドバイス。
まず、クランクは半クラッチが甘い。
クラッチがほとんどつながった状態で、リアブレーキで減速しているので、ブレーキがゆるんだ瞬間に加速してしまう。
つないだ状態~半クラッチではなく、半クラッチ~切った状態、でスピードを調節して、リアブレーキはクランクに入る直前以外はあくまで補助として使うようにする。
あとは、クランクもS字も、出る直前に左右を確認すると、不安定になって大回りで曲がってしまうので、早めに確認して、出るときには曲がることに集中して、小回りで出るように。
止まったついでなので、スラロームについても質問してみた。
スラロームは、曲がりながら倒れた車体を起こすようにアクセルを使うのだけれど、どうもタイミングが合わない。
で、加速して外に膨らむので大回りになってしまう。
おそらく、アクセルを開けるのが遅いのと、開ける時間が長いのでは?と言われる。
越えるべきパイロンが腰の横に来たくらいのタイミングで、加速しない程度にアクセルを開ける。
加速しない程度にアクセルを開ける、というのに目から鱗が落ちる。
なんとなく、スラロームはある程度の早さで駆け抜けなければならないような気がしていた。
一通りアドバイスをもらい、コースを何度か回ってみる。
クランクは入る手前でしっかりリアブレーキで減速、入ったらしっかりクラッチを切って速度調節、
S字を出る前に早めの左右確認。
いざスラローム、と思ったけれど、どうも大回りしてしまう。
なかなかうまくいかないので、とりあえずアクセルのことはおいておいて、定速で通過してみる。
・・・悪くはない。
定速であれば大回りにならず、バイクの挙動もコントロールできる。
何周めかに教官に「スラロームに入るときもそんなに焦らなくていいから、もう少しスピードを落として入っても大丈夫」と言われ、
さらに落ち着いてできるようになった。
他の人の進路をじゃましないように一時停止したり、クランクで渋滞しないように速度を調節したり、お互いに気を使いながら何周かしたところで、ちょっと別のことをやってみよう、と教官。
時速30kmくらいで走ってきて、教官が旗を上げたらどちらかに避ける、という練習。
路上などでとっさに避けなければならない時の練習なので、減速も方向指示器もなし、ぱっと避ける。
停止線でいったん止まり、パイロンまではまっすぐ走って、教官が右か左かの旗を上げたら、そちらに避けて通過。
白の旗が右、赤の旗が左。
白の旗を左側に上げられて、引っかかりそうになったりしつつ、なんとかクリア。
何度かやってみて、バイクを止める。
「左右の旗、どのタイミングで上げてたと思う?」と訊かれたので、パイロンの2mくらい先につけられた路面の印、だいたいこのへんかな、というところを答えた。
が、教官の答えは「ちょうどパイロンの位置」。
パイロンの位置で旗を上げて、それを見てバイクを操作して、だいたい1.6秒。
自動車であれば、とっさにハンドルを切って、0.6秒で避けられる。
バイクはハンドルを切っても曲がらないから、目から入った情報を処理して、体を動かして体重を移動して、避けるまでに1秒余計にかかる。
時速30kmで、バイクが実際に挙動を変えられるのは2m先、もちろん、速度が上がればさらに距離が必要になる。
だから、教習所では、左足はギアチェンジしたらすぐにギアの上に戻すように教えている。
とっさに両足を踏み込めば、右足はリアブレーキがかかるし、左足はギアを下げるのでエンジンブレーキが効く。
バイクっていうのはそういう乗り物なんだよ、と教えてもらう。
自動車の免許を取ってから、生まれた子供が成人するくらいの時間が経った。
多分、地球15周くらいの距離は運転してきたと思う。
でも、バイクというのは、自動車の時とは違う覚悟で運転しなければならないのだと思う。
とにかく誰も傷つけないように、自分が傷つかないように。

避ける練習の後は、クランクとスラロームを復習。
だんだんスムーズになってきたところで教習終わり。
バイクのエンジンを切ったところで、教官がスラロームのお手本を見せてくれた。
最初はゆっくりで、一瞬だけアクセルを開ける。
本当に、加速しないほど一瞬。
その後、スピードを上げて何度かやって見せてくれる。
そして、バイクをしまいながら「大きな声では言えないけどさ」と教えてくれたのが、
「スラロームでアクセル吹かさなくても、不合格にはならないよ」ということ。
確かに遅いと減点にはなるけれど、きちんとバイクを操作できているかが重要だから、早くしようと焦らなくても大丈夫、
必要だと思ったらアクセルを使えばいいよ、と言われ、少し気持ちが軽くなる。

次の予約を取ろうと思ったら、一週間後まで空きがない。
どうやら、高校3年生の教習所入校が解禁になったらしく、確かに制服姿の学生が受付にいたり待合室にいたりする。
・・・早くない?
確か自分が教習所に通い始めたのは2月上旬、家庭学習に入った頃のはず。
周りの友達も、ある程度の誤差はあれど、早くても年明けからだった気がする。
(余談だけれど、田舎の教習所は中学校の同級生が一同に会するので、ちょっとした同窓会状態になるし、免許が必要ない場所に出て行く同級生とは成人式まで会わなかったりもする。)
教習所はものすごく混んでいたし、予約も全然とれなかったけれど、浪人が決まっていたので特に焦ることもなく教習を受けて、ゴールデンウイークの隙間の平日で免許を受け取った。
それが、まだ冬休みも始まっていないうちから教習所?
時代の変化なのか、地域の違いなのか、単に学校によって違うのかはわからないけれど。
何にせよ、4~5月、夏休み期間ときて、また予約が取れない時期に当たってしまった。
教習所に通える期間は9ヶ月、あと3ヶ月しかない。
できれば冬がくる前に、最低でも年内には免許を取りたい。


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