紫凰 ゆすら | shio yusura

夢幻と惰性で出来ている 散文詩のような物を書いています

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最近の記事

リミナル

物語の結末にセンチな喪失を付随させるか、盲目的な絶頂を付随させるか、思想の違いなんてそういう麓の話の筈なのに、いつからか断絶をもってでしか思想を保つことが出来なくなる。潜る程に浅くなる夜の幻に、名前をつけても安心材料にはならないのに。几帳面な正義では何も生まれず、きみがきたないと感じた濁りの全てが生命を堪え流れているのよ。 僕の本懐を捨ててきた街、必ず風化して必ず淘汰されるからエモくてノスタルジーで綺麗な思い出、フィルターの外れた生きた証の構築ども、使い古したヒットチャート

    • 銀梅花

      ラブホテル2.5hで作れる絶望が君の感性じゃ地球は回せないよ、恋に狂いたいくせに感情を飼い慣らして体裁も前髪も人為的にキープしてる、お揃いをならして嗜癖を重ねて、ニアピン感想フィルマークスパブサして、でも貴方と違う稀有で生き延びたくて、漠然と愛が燻ってそれすら必殺技に昇華させる。僕よりもずっと柔らかい少女を尻目にそれでも遠くのかんしょくをまとうべきじゃあない? つぎはぎの腑が、くすんだ琥珀色が、僕には美しく見えるの。食傷気味の刹那を得意気に軽んじた名策を再利用する、晒し合える

      • t--st

        死にたいの表明は先着順、要らない過去を何度も街に捨てて、カプセルを流してきた筈なのに、漂流地点は同じ 運命とか尊いとか聴こえのいい言葉で括られた愛の形が、恋に勝る理性の証明がてら軟化されて、中指を立てなければ気付けなかった真の気持ちの一つずつに紐を着けて僕に融かす。鎹にもならない儀式を蒔いて、得た行燈は見栄と一方通行をてらしている、題名で架けられた説明書と始末書、くぐもった午前5時の朝焼けはひりつきもせずに経過しただけ。 人生だいたい黒歴史なんて言葉で片付けた他愛趣向、酒を

        • 富と屑

          改札をすり抜けて飛び去る鳩が撃ちおとされたホーム、バターとジャムを塗りつける行為。宇宙に呑まれた機関車と、ひとり抜けた乗車席。 媚びずに黴び付く信念と、曇りのとれないダイアモンドの破片。ずっと無双して、夢を見て今を浮立って墜落した黒い猫。 この終末が過ぎたらどこに行こう?東南アジアは物価が安いし(パクチー苦手なのに)砂漠で贅沢もいいね(レプリカ世界旅行で満足できる体質)レイズした資金で治したい生きづらさなんて本質?私が行きたい場所は底知れぬ愛で濡れた橋だった(調べても出てこな

          キャラクター

          最期の日に見たメリーゴーランド、バラバラになった観覧車、割れた指輪を練り込んだケーキ、萎れた外来種の花、知識の底をひけらかす自傷行為、紙一重の慈しみを手に入らない延命に投資する。湧かない噴水と真っ暗な青空、一つのニュアンスが読み外れただけでも致命傷な愛ばかりが蔓延って、愛がなければ生まれなかった約束も指きりもいつか僕らは黒い蔗境で塗り重ねてしまう。期限付きの煌めきは輪廻するはずなのに、いつも僕らはそれなりに絶望してみて、浮かぶ鯨からはそれなりな過酷と黄色い雨が降り注ぐ(知らん

          俎上と新夜

          物語はいつも僕の手をすり抜けてしまうから、僕が物語にならなくちゃいけない。空想の僕が充足しているなら、空想のなかで泣いてくれればいい。要は印象論で、結構積みゲー。蠱惑と擬似をメチレンで包んで、卑しさなら海綿ですり潰す。味気ない胡瓜みたいな遠慮と出来損ないの思慮。段ボール製の全自動運転方舟、ずっと生身で対峙してたのに君だけがツイてるの?おてて繋いで同率一位も足切り目安の試し合いカンペも全部意味がないなんて分かっている 吸収した光を拭うように失われた時を求める 交ぜた外連が夕立を

          Sodom agus

          「失うことは人生にとってとても重要」風船がわれて僕は大人になる。それはディズニーランドだとしても? 卵にヒビが入ったことに喜ぶか悲しむかなんて感性を試されている。果汁が唇を伝って垂れていく、やっと逃げ出した先は  恋路の果てなら何回目のネガを焼き切れば学習できるの 映画のワンシーンよりもよっぽどに仕上がったゲリラ豪雨、諦めるために必要なまじないは円熟した目的なんでしょう、多分思っているよりも人体ってしょぼい、しょぼさが儚さ流転するなら何が為、タペタムで予感の思弁を捉えている、

          解ける夏、臘に希体

          世界に平伏し続ける、恋をして均衡を保っている 空っぽになること 削られていくこと 器用な憫笑一つ浮かばないまま 朧雲のまろやかさで混ざりあう誤謬論 サブスク拡張で幻想の追体験、正夢と明日を曇天で埋め合わせしてる 流れる血は赤くないし、辻褄の合うために生まれるなんて無意味、僕が気持ちいい回想と思慮の果てに自殺する 文法なんて知らない 忘れたくないことを忘れない それだけなのに。 ビルの上のお城を壊す 崩れたガラスの音で白鳥が目を覚ます くゆらせるキセル 2年前に更新が止まった 

          解ける夏、臘に希体

          十⭐︎A.⭐︎口⭐︎亥

          答え合わせができる創作なんて無意味、秒針程度の衝動なんでしょう、試せないLIFEをリハーサルで踏み躙って、狂ったときだけ目の底が冷える。焦がれた視界に酔えばまた指の腹に針がひっかかってる。 使い古した羽衣は買い取れない•お守りの中身って空っぽ•誓いのキスと類似な数珠 の三部作でお送りしましょうか 認められない自然性も、拭えなかった少女性も、星に祈るほど大層でない願い事なら水盤に浮かべて用済みになれば下水に流す。なめらかな情報の咀嚼と、どれだけの希望を折れば私が形を保てるので

          十⭐︎A.⭐︎口⭐︎亥

          揚ヶ産廃

          君の特別は誰かの一番なんだよ、だけが100%の明日を踏まえて空っぽだから彩りが乱反射しないだけだ、と自分に言い聞かせる。仔猫の時の瞳の色は褪せていく 褪せたなんて狡猾すぎる言い方じゃない?充分なまでに食事をとって、更に甘ったるいブラウニーを口に詰める。吐きそうな私は儚いんでしょ 気持ち悪さを感じて初めて満足できる性分、いいねで図る損得勘定とか既読で深まる信頼関係とかばかじゃねえの。憂鬱を圧迫して塗り潰したら本質は安価なフレームになってしまった、コンセプチュアルに死にたいから、

          小分けのきたい

          有名税を騙って美しい生き様を蹴落とす人が嫌い、名に恥じぬ覚悟を持ちえずに味を占める人が嫌い。嫌いな個人はあんまりいないけど、嫌いな生き様は死ぬ程死なずにのさばってる。匂穢とか苦手とか、排他的な差別区別をする人も嫌い。嫌いで溢れてそうな人生っツラしてるけど嫌いな食べ物はないし嫌いな街も大して…季節は夏しか愛せないんだった。嫌いって愛の裏っ返しだから なんて言われて嫌いを臆せずに謳歌できる人が羨ましい。 喉の奥に絡まるワイヤー、肋骨を締め上げるリボン、彈かれたワセリンにはなんちゃ

          沈めた純潔、散らした春

          大層でもない日々を重ねるだけなのだ、言葉なんて美しくも恐ろしい 武器にも御守りにもなる。他人に向けることも自分に突き刺すことも出来てしまう 壮絶を盲信して誰も傷つけたことのない拳から血が流れ出している 世界は誰かと誰かで作られている って知っているから愛することも憎むことも出来ずに、口を噤んで夜空を仰いでいる 私の覚えた絶望も苦行も殆どは誰かの境遇の二番煎じ。極薄めて歪めた一欠片で全ての光を反射できるほどの殺傷性は私にあるのだろうか。 物を書くのに興じる瞬間だけは全てを許

          沈めた純潔、散らした春