事前準備は敬意

先日、経営者の先輩からご紹介をいただき、ロータリークラブ様にて卓話をさせていただきました。
ロータリークラブやライオンズクラブなどの団体ではこれまでも何度かお話をさせていただく機会がありましたが、比較的年齢層が高く、穏やかで無駄な力みが無い、というのが私の印象です。

今回は歴史が長く在籍人数も多いクラブでしたので、地元の名士でそれはそれは重鎮の方々がお集まりになっていらっしゃいました。創業が江戸時代からだとか寛永何年だとか・・・100年企業がゴロゴロ・・・。
そんな中でお話させていただくには私はまさに若輩過ぎます。小娘が喋っとる、なんてことにならないよう少しでも皆様のお役に立てる時間になるように務めました。

ではそれは具体的に何なのか。

『事前準備』

これに尽きます。

まず、時間です。
卓話の時間は30分間ですが、時間に厳しく1分も延長できません。ですから25分で終わる内容にしました。
25分と言ったら25分なのです。スピーチの時間を守れない方は意外と多いです。「3分間でお願いします。」と言われて5分間喋られるとハッキリ申し上げて迷惑ですね。3分っつったら3分なのです。

25分間という時間は話す側にとってはあっという間です。これまでのストックの中から適当に話せば25分という時間はやり過ごせます。しかしそれでは、皆さんの25分間という貴重な命をいただくには失礼です。
ですから、しっかりとした事前準備をして臨むことが、私にとっての敬意なのです。

具体的にはこのよう準備をします。

①話す内容を決める
②書き出す
③パワーポイントデータを作る
④パワポに合わせて話す練習
⑤時間を削って調整
⑥本番を想定して繰り返し練習

私にとってはこの流れで準備をするのが一番良いのです。どこかの工程が抜けても順番が入れ替わってもダメ。ですからそれなりに準備に時間をかけます。本番が30分でも90分でもやり方は同じ。
20年間人前で話す仕事をしてきたプロの私でもこれだけの準備をするのです。いや、だからこそプロでいられるのかもしれません。

私が話し方の研修やセミナー、講座でお伝えしていることは大変地味なことです。「すぐに上達する」「一日で身に付く」などというウルトラCの技も特効薬も知りません。ただ、準備の仕方とほんの少しのコツをお伝えしてそれを実践しているだけです。私はこれまでの経験から、ビギナーズラックも偶然のラッキーも再現性がないことを身をもって痛感しています。

上手な話し方の条件や解釈はいくらもありますし、人それぞれで結構です。
私の中では『事前準備を怠らないこと』も上手な話し方の一つと言えるでしょう。

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