社会とともにある民間警備

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災害とは自然現象または人為的な原因によって、人間や社会生活に被害が生じる事態を指す(林春夫「災害をうまくのりきるために−クライシスマネジメント入門」134貢)。

だから地震や津波や火災といった自然現象又は人為的な原因の「災害因」と災害は違う。

災害因が災害になるためには、それが人間や社会生活に被害を及ぼす事態にならないといけない。

だから例えば無人島で大地震が起きたり、日本中の建物が将来、震度の大きさに関わらず完璧な耐震構造を備えれば、大地震が起きても、それが人間や社会生活に被害が及ばないので災害とは言えない。

つまり、災害といえるかどうかは、社会のあり方と無関係ではありえないということ。

同じことは犯罪にも言えると思う。なぜなら犯罪は通常社会的に有害または危険とみなされ禁止され、刑罰法規によって有罪といえる行為(ブリタニカ国際大百科事典)のことだから。

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民間警備業務の本質は防犯・防災。

だから世の中の流れが変わったり、テクノロジーが進化すれば、例え、自分達の仕事に直接関係なくても、影響は受けると思う。

例えば、将来AIやIOTが建物に組み込まれ、火災が発生した場合、自動的に館内にアナウンスされ、火災が及ばない避難ルートが館内利用者にも分かりやすい形で示され、確保される技術が出来れば、民間警備のあり方も変わると思う。

また今のネット決済がさらに進み、キャッシュレスが主流になれば、施設警備や現金輸送のあり方も変わるだろう。

だから民間警備業務に携わるものは関係ある治安や防災上の情報はもちろん、一見関係ない社会の流れやテクノロジーの進化についてもしっかりとアンテナを張っておく必要があると思う。

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主にテクノロジーの進化による社会のあり方の変化が警備業務の変化につながる。
だから民間警備は社会とともにある。

当たり前といえば当たり前だけど大切な視点だと思う。
つい、目の前の業務で頭がいっぱいになり、そういった視点を忘れがちになる。

だからウチの警備隊のみなさんには、忙しいのもわかるが、新聞やネットニュースを読んでもらって社会の流れにより関心を持ってほしいと思う。

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