業務の効率を図るには

1. 経験曲線効果というものがある。

(1) この経験曲線効果とは、過去からの累積生産性が多いほど、その生産に携わる従業員の経験値等からその生産や販売などに掛かるコストが下がる現象のことをいう。

(ちなみに、これと似たものに規模の経済性があるが、規模の経済性は累積生産量といった時間軸でなく、生産規模の大きさという物理的な量の大きさコストが下がる現象のことをいう。)

(2) これは一般にサービス業には当てはまりにくいと言われている。

確かにサービス業はモノの生産をしないのでそもそも生産に掛かるコストを観念しにくいし、物流もほぼ問題にならないので販売にかかるコストも考えにくい。

でも、業務を経験させることにより、蓄積されるノウハウにより、業務効率があがるという意味では通じるものがある。

そのノウハウをマニュアル化すれば新人が入ってきても彼自身の経験曲線効果を高めることにつながり、ある程度効率的な業務運営が可能になると思う。

その結果、サービス業で最大の悩みどころである労務コストの上昇阻止、削減も可能になるのではないかと思う。

2. 今、自社では現場によっては、拘束時間をどう考えるかが問題となっているところもある。

いかに契約内容に含まれる業務を守りながら、隊員の拘束時間を減らせるか。そのことが今の時代の労務コスト上昇を防ぐことにつながる。

この労務コストをいかにコントロールするかが警備業のようなサービス業の課題と言える。

そのためには前回のECRSの原則で述べたように業務の見直しに加え、今回のように経験曲線効果を考慮した業務の効率化を図ることにより対処できるのではないかと思うのである。


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