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"マタニティブルーの私"から"未来の私"へ4つの質問

マタニティー‐ブルー【maternity blue】
出産直後の女性が陥りやすい不眠・ふさぎこみなどの一過性のうつ状態。

私はメンタルが強い方だと自負しています。なにか嫌なことがあっても寝るか酒飲むかすればだいたい忘れる。

そんな私が出産直後にどうなったかというと、めちゃくちゃ気分が落ち込んだ。いわゆる「マタニティブルー」というやつになったのです。

インターネットで調べると「たいていの場合長くて2~3週間、早ければ2~3日でおさまる」と書いてあります。

暗い暗いトンネルの中を手探りで突き進むような不安にさいなまれている私は、こんな時期が早く終わってほしいと同時に「このマタニティブルーを無事に乗り越えた自分に、聞きたいこと色々あるな……」と思ったのです。

ということで、「マタニティブルー真っ只中の私」は、未来の「マタニティブルーから開放された私」宛に、4個の質問を残しました。

noteに残してました

産後2週間の私が残した4つの質問に、①産後8ヶ月の私、②産後2年半の私、の二人が答えていきます。

※こちらは筆者の超個人的な育児の感想です。超個人的な育児の感想がNGな方はこの記事の代わりに軟骨のWikipediaをご覧ください。


Q1.夜中、全然寝てくれない

ネットで「新生児 泣き止まない」と検索すると「新生児期は不快感を取り除いてあげれば自然と寝ます」と書かれていますが、何をしても全然泣き止まず一切寝ないので、私の中のOfficial髭男dismが「イレギュラー!」と叫んでいます。

ミルクを与え、おむつを替え、抱っこをし、体を揺らし、リビングを歩き回り、お気に入りのおもちゃであやしても泣き止まない。やっと泣き止んだと思ってそーっと布団に寝かせると再び泣き始める。あまりにも泣くので知らないうちに骨折とかしてるんじゃないかとものすごく不安になります。

未来の私は寝れていますか?

<①産後8ヶ月の私の回答>
全然寝れてません

すみません、全然寝れてません。
最近では夜中1:00から朝の4:30くらいまでぶっ通して寝てくれないことがスタンダードになり、むしろエスカレートしています。

ここ最近の私は、明け方やっと子どもが寝てくれたと同時にヤムチャとまったく同じポーズで布団に倒れ込んでいます。

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(参考画像)

……と書いたまま2週間ほどこの記事を放置していたのですが、先日から急にまとめて8時間半も寝るようになりました。寝すぎて逆に心配なレベル

子の生活リズムは刻々と変化しています。

<②産後2年半の私からの回答>
バリバリ寝れてるけど寝かしつけは「戦(いくさ)」

2歳半の子どもですが、21:30から6:00くらいまでぶっ通しで寝られるようになりました。

ただ、寝かしつけがだいぶアクロバティックになってきました。

「もう寝るよ~」と言っても「イヤダヨ~」と首を横にブンブン振って逃げ回り、「ニン!」と忍者の真似をしながら永久(とわ)に夫の両足の間をくぐり続けたりしています。2歳にしか許されない奇行

最終的には眠そうに目をこするタイミングを見計らって無理やり寝室にかつぎこみなんとか寝かせるので、大変といえば大変なのですが、朝起きたときが本当に天使。

「ママ……」とか細い声で私を呼ぶ声で目覚める。目を開けると視界いっぱいにかわいい我が子の笑顔が広がっているというファビュラス・モーニングが毎朝やってきます。しかもそのあと「だいすき。デュ~~(ギュー)」と言いながらプニプニの腕とほっぺとおなかで私を抱きしめてくる。多幸すぎる。本当に無料なのか???人生のプレミアムコースに知らないうちに加入してしまっている???(月額基本料金プラス2000000円????)

ということで、大変さもありつつ毎日そこそこちゃんと寝てるしかわいいし結構いい感じです!!!!!!!!


Q2.抱っこが下手くそすぎる

子どもが泣き出した際、抱っこをしても激しく泣き続けることが多くあります。あるとき、自分の母親(子供からすると祖母)が抱いた瞬間に泣き止んだのを見て、涙が止まらなくなってしまいました。

この子は抱っこの仕方すらままならない人間のもとに生まれてしまって、ものすごく不幸なのではないか。別のお母さんだったらもっとうまくやれているんじゃないか。子どものことが可愛くて可愛くて、絶対に幸せにしたいと思っているのに、私自身のせいで不幸にしてしまうのではないか。

こんなふうにメンタルがグズグズになりすぎて、今なら「ボボボーボ・ボーボボ」とかを読んでも号泣できる自信があります。どうしたらいいでしょうか。

<①産後8ヶ月の私の回答>
いまだに下手です

申し訳ありませんが、いまだに下手です。

最近は子どもの力が強くなり、抱っこ中に暴れることが多いのですが、最終的にランボーが銃を構えるのとまったく同じ体勢になっているときもあります。

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(参考画像)

母親になれば子どもが泣いている理由が手にとるようにわかるようになるかと思っていたけど、8ヶ月経った今でもマジでなんで泣いてるのかわからない。

めちゃくちゃ口をチュパチュパしてるから「これは"空腹"ですね…チェックメイト」つってミルクを与えようとしても信じられないくらい不味そうな顔で「オエッ」って哺乳瓶吐き出されることもよくある。

だから思い当たる原因をひとつひとつつぶしていって、それでもダメなら辛抱強く抱っこするしかない。そうすると、いきなりスッと泣き止むときが訪れる。母に子供をパスしたタイミングがそれと重なったことが多かっただけで、別に自分のせいなんかじゃなかったと今では理解できます。

<②産後2年半の私の回答>
抱っことかそういう次元じゃない

2歳半の暴れっぷりは本当にヤバい。

保育園行きたくない!!!と絶叫する子どもを抱きかかえているとき、スローで見ると一瞬だけシルク・ド・ソレイユの技できてる時あると思う

そして2歳半になると、恐怖のイヤイヤ期が始まっている。厳密に言うと「イヤってめっちゃ言うな……」とうっすら心の中で感じてはいるんだけど、これをイヤイヤ期だと認めてしまうと「イヤイヤ期=辛い期間」と思ってしまいそうなので私はあまり意識しないようにしている。好きだと意識してしまうと一気に恋が加速してしまうのとまったく一緒だから(?)

子どもは風呂に入るのが嫌いすぎて、「お風呂入るよ」の「おふ」くらいで「イヤダヨ!!!」と叫んで寝室に逃亡し寝たふりをするという状況です。

とれたての魚を漁船の上で抱える漁師のごとく、暴れまわる体を必死でおさえて、無理やり抱き上げてなんとか浴室へ運びます。マジで活きが良い。かなりの値で競り落とされると思う

私の力では、子のパワーをおさえきることが難しくなってきました。もう抱っこについては上手いとか下手とかじゃない。やるか、やられるかだ


Q3.母乳をうまく飲んでくれない

子どもは「おっぱい飲むのヘタクソ選手権」があったら全国でベスト8に入るレベルでおっぱい飲むのが下手くそです。

私が「おっぱい飲ませるのヘタクソ選手権 インターハイ出場選手」という可能性もあるかもしれないのですが、ついさっきまでギャン泣きしてたのに乳首くわえた瞬間に寝落ちしたりします。

それすらも愛おしくて 君とともに 咲くLove... という感じなのですが(コブクロ)、そんな調子だったので母乳をあげられずにミルクを作って飲ませる頻度が多くなってきました。

気にしなくていいとは思いつつも「母乳で育てるべき」みたいな論調をよく目にするので、このまま母乳が飲めなくなってしまわないか心配で仕方ありません。

<①産後8ヶ月の私の回答>
母乳じゃなくても育ってる

そもそも我が子は2000グラムちょっとで小さめに生まれたので口がちっちゃくて(かわいい)、吸う力も弱く(かわいい)、飲むのに時間がかかるタイプです。生後2ヶ月頃には標準的な体重になり、やっとうまいこと飲めるようになってきました。子供がヘタクソだったわけでも、私がヘタクソだったわけでもなく、ただサイズ感が合ってなかっただけでした。

じゃあ今は完全に母乳だけで育てているかといえばそういうわけではなくて、夫が面倒をみるときや外出先でもミルクをあげているし、私が「乳出すのめんど……」って乳出すバイブスが出ないときにもミルクをあげている。ミルクってめちゃくちゃ便利。すごい。もはや「奇跡ミルク

ミルクのパッケージを見ると、母乳で補われるべき栄養がきちんと入っていると書いてある。たくさんの頭のいい大人たちが汗と涙を流して作った「知の結集」である粉ミルク、これまで長年販売されているんだからこれで育たないなんてことはたぶん絶対ない。その証拠にいま我が子はめちゃくちゃムチムチしているしおなかはポンポコになっています(かわい~~)

<②産後2年半の私の回答>
育ちすぎている

突然ですがここで昨日の食事内容を見てください。

ご飯(1膳)、鶏のソテー、ほうれん草おひたし、バナナ(1本)、ささみの焼き鳥串、うずらの卵串、ロールパン(1個)

私はもしかして、「もえあずの後継者」を育ててしまっているのか……?

1歳過ぎには無事に卒ミ(※ミルクを卒業すること)が完了し、その直後から脅威の爆食いが始まっています。

だからといって体重が爆増しているわけでもなく、低体重で生まれたから小さめというわけでもなく、成長曲線のマジでど真ん中をまっすぐに突き進んでいます。たぶん平日は保育園のヘルシーな食事で節制できているからなんじゃないだろうか
食べなくて苦労している親御さんは多くいるだろうに、こういう部分は非常に親孝行な子供に育ってくれました。

しかしこのままでいくと中学生に上がったくらいのタイミングで年間の食費が800000000000円を超えるので私も夫も仕事を辞められません。子を食わせ続けられるように夫婦ともども精進しています


Q4.育児の果てしなさに途方に暮れる

夜中に子供の授乳をしていると、寝不足の頭で「これをあとどのくらい繰り返すんだっけ……?」と考えてしまいます。
育児の先輩たちからは「新生児は全然手がかからない」と聞いているのにすでに音を上げている私が、これから先、夜泣き、イヤイヤ期、赤ちゃんがえり、その他にも訪れるたくさんのイベントを乗り越えられる気がしません。

完全に手を離れるまであと何年もかかると思うと、途方に暮れてしまいます。

<①産後8ヶ月のわたしの回答>
AOKIと同じ

出産前、私の中で育児とは「授乳してオムツ替えて授乳してオムツ替えて…」と、子の仰せのままに同じことを日々繰り返す修行のような時間を耐え忍ぶものだと思っていました。

けど、3ヶ月目くらいで、それだけではないと気づいたのです。
生まれたとき2284gしかなかった体重はいまや8000gまで大きくなり、最近では泣き声以外にもたくさん声を出すようになってきました。今のところこんな語彙があります。

・くー
・へうー
・ぎー
・ふんぬ
・あ”!!!!!!!!!!!(死ぬ程デカい声で)
・う~~~~~~~~~(長い)
・まんま
・まま
・ぱっぱっぱ

めちゃくちゃかわいいな。こんなにかわいい子どもが家にいるんだから、人よりも余分に税金を納めなくちゃいけないんじゃないか……?

もちろん毎日大変だけど、その大変さはしっかりと子どもの成長のために作用しています。
そんな「成長が嬉しい」気持ちや「かわいすぎワロタ」の気持ちが止めどなくくるから、育児の大変さを忘れている時間もめちゃくちゃ多い。なんなら、お釣りがくる。AOKIでスーツ買ったら1着目も割引になっているうえに2着目が20%オフになり、さらにTポイントも1000ポイントつくしクレジットカード入会特典として10%還元されたときと同じような気持ちになっています(伝わりますか?)


<②産後2年半の私の回答>
どうなるか、私にもまだわからない

息子はタイムマシーン3号の関さんのファンで、先日も関さんがテレビでラーメンを食べているのを見て「なにたべてるの?」「おいしい?」と画面に向かって嬉しそうにずっと話しかけ続けていました。

また私が椅子に足をぶつけて「イテッ!!!!」と叫ぶことが週16回くらいあるのですが(多)、そのたびに「ママ、大丈夫!?」とドタドタ走ってきて、お医者さんごっこセットからおもちゃの薬を取り出して「いたそうね~」「もう、大丈夫よ」と治療してくれる。本物の治療じゃないのに完全に治るからすごい。私がボス戦に行くときは側にいて攻撃を受けるたびに全治癒させてほしい

こんな風に、我が子は今のところ優しく思いやりあふれる子に育ってくれている。もちろん自分の生活には産前になかった制約ができたり、うまくいかなくて大変なこともあるけど、それ以上にかわいいし大好きな存在です。

こんな大好きな存在が近くにいてくれるのもすべて、産後2週間、メンタルがグズグズになりながらも、睡眠不足の目をこすりながら子どもを抱き続けてくれたあなたのおかげです。

痛みに耐えてよく頑張った、感動した!

2001年に小泉首相が貴乃花に投げかけた言葉と全く同じことを言ってしまいすみません 

しかし、言うてまだ2歳半。

私も全然、偉そうなことは言えない。イヤイヤ期がピークに差し掛かったあたりで「やっぱ無理だわ」ってまたメンタルぐずぐずになる可能性もある。それまで子どもが元気で健康で育ってくれている保証もない。3年後、5年後、10年後、思春期の息子に「死ねくそババア!」と言われている自分がこのnoteを読んで鼻で笑っているかもしれない。これから先どうなるかは、私にも全くわからない。

だからここから先のことは、産後2年半の私が、もっと未来の私に責任をもって質問しておくことにします。産後2週間の私は、とにかくその小さくていいにおいの、優しさのかたまりみたいな尊い赤ん坊の一瞬一瞬を、どうか目に焼き付けておいてください。

おわり

【本日の一曲】奇跡 / くるり

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