No7 中島みゆきのススメ

私が、一番好きな曲は何?と聞かれたら、間違いなく「悪女」と答える。
イントロのメロディーがたまらなく好きで、子どもの頃から幾度となく聴いているから、年を重ねる度に、「懐かしさ」も相まって好きという感情にも奥行きがでてきているように思う。
10年前くらいに、家族と車に乗っている時ふいに「悪女」が流れた時があった。その時に私が「この曲のイントロが好き」と話すと、私が赤ちゃんの頃、この「悪女」を流すと、どんなに泣いていても泣き止んだというエピソードを聞かされて何だかものすごく納得した記憶がある。
親世代が好きで聴いていた影響を子どもが受ける事は多々あると思うけど、例外なく私も、中島みゆきを聴いて育ったと言っても過言ではない。
そして人生の節目節目で中島みゆきの紡ぐことばとメロディーに心を救われて、希望をもらったか数え切れないほどだ。
中島みゆきのコンサートのYouTubeを時々見る。彼女が斜め上を見ながら歌う時の表情がとても神々しくて好きなのだが、その姿は「女神」に見える。彼女は、沢山の人の心を救うために天から舞い降りた女神なのではないかと私は本気で思っている。
私が30歳の頃、人生の大きな転機が訪れた。毎日のようにくよくよ泣いていた。「タクシードライバー」とか「時代」を聴きながら。そんなある日、ふと昔のアルバムを引っ張り出して、車で流した。
「誕生」というこれまで何度も何度も聴いたはずの曲なのに、その日は歌詞が浮かび上がって聞こえてきた。

ひとりでも私は生きられるけど でも誰かとならば人生ははるかにちがう
強気で強気で生きてる人ほど些細な寂しさにつまずくものよ

この部分が強烈に脳裏に焼き付いた。
それから随分長い時間をこの歌詞について考えていた。
そして私は自分なりの解釈をした。

人間は1人でも生きられるし、十分幸せになれる。
誰かと一緒になったとき、1人でいた時より不幸だと
感じるならば、それは一緒にいる人ではないということ。
まずは1人で幸せになれることを知らなければ
2人で幸せになんてなれるはずないんじゃないの。

あくまでも、私はそう解釈をした。
1人で生きるとは、孤独にということではない。
自立心を持ちながら共存するという意味だと思う。

中島みゆきという人と同じ時代に生きられて
私は本当に幸せだと思う。
そして敬称略で大変すみません。大好きです。

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