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最果ての記憶【ハイダグワイ生活・週間レポート】

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カナダ北西に浮かぶ先住民の島、ハイダグワイでの移住レポート。この世界の果てとも思えるような神秘的な空気の漂う空間で、上村幸平が見たもの、出会ったもの、知ったものをフォト・エッセイ… もっと読む
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記事一覧

ひみつ基地【ハイダグワイ移住週報#26】

2/26(月) 今日から隣のタモの家で大工仕事のお手伝いをする。「セントー・プロジェクト」と…

【航海日誌】Yan村(3/18)

概念図 ・8時に目を覚まし、白米を炊く。サーモンをバターで焼き、インスタントの味噌汁をつ…

経験は共有できずとも、悲しみを分かち合うことはできる【ハイダグワイ移住週報#25】

2/17(土) 昨晩JJが持ってきてくれたマカロニパスタを温め、バナナと一緒に朝食にする。今日は…

海の向こうは異界【ハイダグワイ移住週報#24】

2/6(火) 9時過ぎに起きる。今日は友達が島にくるので、南の空港までピックアップに向かう。…

何を書き、何を書くべきでないか【ハイダグワイ移住週報#23】

1/26(金) 来週から新しいルームメイトが入居してくるとのこと。11月のウェルネス・キャン…

我々をハイダたらしめるもの【ハイダグワイ移住週報#22】

1/17(水) 早起きをするのも久しぶりだ。7時前に目を覚まし、お茶漬けでさっと朝ごはんをとる…

加害の歴史と対峙する【ハイダグワイ移住週報#21】

1/2(火) 気持ちよく目が覚める。元日はニューイヤーパーティの二日酔いと筋肉痛で何も出来なかったので、本日が実質的な新年である。めでたい。外はあくまで曇り。ベッドで少し読書をし、一階に降りる。 昨晩茹でたカニを剥き、カニ・オムレツのブランチをつくる。たくさん卵を割り、コリアンダーをちぎったものと玉ねぎのみじん切り、数種類のスパイス、そして夏に海で獲ったカニの身を贅沢に混ぜ込む。バターを落としたスキレットであくまで軽く火を入れ、ふんわりと仕上げる。付け合わせにじゃがいもを

2024年に実行すること

去年の年始、『あくまで「今」、2023年にやりたいこと』というタイトルで、その年にやりたいこ…

はじまりのホリデー・シーズン【ハイダグワイ移住週報#20】

12/22(金) 今年最後のビストロの営業日。シェフの休暇で二月まで休業になる。同時の僕の最終…

旅の終わり?【ハイダグワイ移住週報#19】

12/13(水) 外をのぞくと朝日が気持ちよさそう。トレランシューズを履き、犬をつれてビーチに…

ハイダの木から世界を望む【ハイダグワイ移住週報#18】

12/5(火) 8時過ぎに目が覚める。外はまだ真っ暗。ベッドの中で本を読む。昨日kindleで買った…

極北をつなぐ風【ハイダグワイ移住週報#17】

11/28(火) いつものトレイルを走りに行く。家から徒歩30秒で深い温帯雨林、走って3分で見渡す…

先祖のためにカニを焚く【ハイダグワイ移住週報#16】

11/21(火) 嵐が過ぎた。庭にはそこらじゅうに枝や木の葉がばら撒かれ、まるで森全体がホーム…

トーテム・ポールにいのちを吹き込む【ハイダグワイ移住週報#15】

11/15(水) 朝外に出てみると、霜が降りていた。温度計は2℃を指している。夜のうちに氷点下まで冷え込んでいたのだろうか。低い太陽が地面に霜と霧に光を投げかけ、地面にも空気にも宝石が散りばめられたように輝いている。しんしんと寒さが身を刺す。 そうそう、これだよ、という心持ちになる。このあくまで澄み切った鋭利な空気を吸い込みたくて、僕はいつも北の地に吸い寄せられるのかも知れない。 ロードバイクを引っ張り出し、凍りついた道を慎重に走り出す。コミュニティの朝食会は10時から