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【リバース:1999】神秘術家について徹底考察【元ネタ考察&解説】【reverse1999】


今回は今更ながらですが神秘術家達には何故元ネタとなるモチーフがあったり、ユーディモという別の姿が有るかなど、神秘学者の謎について考察を交えて解説をしていきます。

まず【表紙】にのっているテキストですが、彼らはUTTUというカタログに於いて『美術品』として扱われているため、サイズはヤードポンド法で記載されていたり、年齢は展示年数と言うように表記されています。

そして『ミディアム』と『本源』という項目ですが、これらは神秘学者の元となる存在を辿るための重要なキーワードとなっております。



レグルスを例に解説すると、『2つ目の本源』はキャラクターのルーツを表しており、『DJ』はロンドンの近海から違法放送を起こっていた『ラジオ・ロンドン』が元になっております。

そして『本源の1つ目』と『ミディアム』は神秘術のルーツに関係しているもので、レグルスの場合『ミディアム』の『レグルス』は賢者の石素材となる『アンチモンレグルス』の事を意味しており、賢者の石の象徴となる『錬金術の太陽』という概念が存在するのですが、これは王(レグルス)やライオンを象徴していることからレグルスとの関連性が高いものです。

そして『錬金術の太陽』はローマ神話のアポロンを表しており、アポロンは『音楽』と『太陽』の神であることから、これらの要素はレグルスの特徴と一致しております。

つまり要約するとミディアムの『アンチモンレグルス』は神秘術の知識を得るための経路である『グノーシス』を意味しており、その経路は『1つ目の本源』の『太陽神アポロン』に通じている。
そしてレグルスは『アンチモンレグルス』を魔術回路として『太陽神アポロン』から『光学』と『音楽』の力を引き出しているのだと考えられます。

本源の2つ目の『ラジオロンドン』と錬金術素材の『アンチモンレグルス』は一見関係のないものですが『太陽神アポローン』が錬金術と音楽に関する存在であることから接点になっているわけです。

 

ここで疑問になってくるのが、何故キャラクターの由来と成っているものが2つ有るのか。
そして何故その2つが異なる存在でありながら類似性をもっているのかという疑問について解説をしていきます。

キャラクターのルーツが2つ存在するのは、古代ギリシア発祥の『テウルギア』という魔術が関係していると考えられます。

テウルギアとはプラトン学派によって提唱された難解な魔術の事で、神の力を行使するための業です。

テウルギアを行使するために重要となるのが、神聖的な存在に由来する超越的な叡智『グノーシス』から知識を得て、その『グノーシス』に関する『類似のものと類似のもの』を以って行使できると言われております。
そしてテウルギアを使う者を『テウルゴス』と呼びます。

わかりやすく言えば太陽神アポロンの力を行使する場合は、アポロンに関係のある音楽や錬金術に所以のある2つ以上の存在を媒介とする必要があると言う事です。
つまり神秘術とはテウルギアと同一的なもので、神秘学者の【本源】とはテウルギアを行使するための『類似のものと類似のもの』を表していると考えられます。

ちなみに『テウルギア』という言葉は3章にて出てきており、劇中では”古代”テウルギアと呼ばれておりましたが、”古代”と形容されていることから、現在使われている神秘術とはテウルギアが発展した『新しいテウルギア=神秘術』なのではないかと考察しました。

続いては『ユーディモ』の存在について考察をしていきます。

ユーディモは神秘学者の異なる姿でありますが、これらは星座や星雲などに付いている動物や物の名前に関するモノ、または、宇宙に関連するモノが由来となっていると考えられます。

例えばドルーヴィスのユーディモの猫なら、ケルト神話に出てくるケットシーというヤマネコが存在していることからヤマネコ座であると考えられます。
スプートニクやギベオンズアイなどは言うまでもなく宇宙由来の存在なのでそのままの姿なのだと思われます。

しかし特殊なのがキャラクターの説明に『財団やラプラス研究所によって保護』されたと書かれている存在は星座に当て嵌まりません。
しかしながら干支に当てはめることはできますが何故干支に当て嵌まるかは今はまだわかっておりません。

宇宙は神話と非常に強いつながりがあることから、ユーディモも神聖的な要素であると考えられます。

ではこのユーディモが神秘学者とどのような関係があるのかを解説していきますが、おそらくは三位一体に於ける聖霊を表していると考えられます。

三位一体とは異なる三つの存在が一つの存在と同一的なものという考え。

キリスト教においては”唯一神”は「父なる神、子であるイエス、聖霊の鳩」の3つの異なる存在と同一であると考えられております。

聖霊の鳩はノアの物語に出てくる白い鳩であり、この鳩がはと座になっていることから、ユーディモが星座由来のもので有ることと符合します。
なのでユーディモは聖霊を意味しているのではないかと考えました。

そしてこれを神秘学者に置き換えると図解のようになります。
あくまで憶測ですがキャラクターモチーフとなる本源が『子』を表しており、『父』は神秘術のルーツとなる神聖的な存在、そして『聖霊』は宇宙と関連のあるユーディモに当て嵌まります。

前述では神秘学者はテウルギアを使う者と説明しましたが、テウルギアはそもそも人が神になることを目的とした業です。

そしてテウルギアとグノーシスをマスターしている神秘学者はプラトン哲学上では神人と言える存在です。
故に三位一体の法則に従う必要があり、聖霊に該当するユーディモの存在が必要だったのだと思われます。

余談ですがキリスト教グノーシス主義は新プラトン主義からテウルギアの考えを導入したのですが、グノーシス主義者達は自分達が神の力を得ようとしたことなど異端思想が問題となり、キリスト教から追放されて存在も消えてしまいました。

もしかすると神秘学者が世間から疎まれているのも、これらの歴史が関与しているのではないかと考察しました。

今回お話したことは神秘学者のルーツを辿るヒントになると思いますので、考察するときは参考にしていただければと思います。

最近のストーリーではレグルスの錬金術師として要素が出てきたりと、キャラクターのルーツに関する話も増えてきたので、考察をする人が増えればより物語の洞察を深められると思いますので、コレを期に考察に興味を持ってもらえれば嬉しいです。

今回の考察は以上で終わります。
ここまでご視聴ありがとうございました。








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