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【リバース:1999】オリバー・フォッグが定時退勤主義になった理由【元ネタ考察&解説】【reverse1999】

今回は犯罪的な半ズボンが魅了であるオリバー・フォッグについて考察を交えて解説をしていきます。


まず初めに【本源】の『霧の惑星』と【ミディアム】の『霧』に関係する存在から洞察を深めていきます。

これは文化1の文章から察するに1952年のロンドンで起こった公害『ロンドンスモッグ』が関係しているでしょう。

霧の都ロンドンとよく言われますが、ここで言う『霧』は工場で使われる石炭の煤が霧に混じって出来た『スモッグ』の事を指しております。

そして1952年の12月5日から10日間にわたって発生した『ロンドンスモッグ』は1万2千人の死者を出しました。
当初はインフルエンザが原因だと考えられておりましたが、数年に渡る研究の結果スモッグが原因だったと判明し、1956年に『大気浄化法』が成立されようやくスモッグの対策がされ初めました。

この『大気浄化法』の成立を促進させたのは1661年にジョン・エヴリンが国王宛に送った『フミフギウム』という文章でした。
17世紀ではまだ空気は聖霊や神聖的な物質と考えられておりましたが、日記作家であったエヴリンはその見識の広さから、石炭が大気汚染の原因であると見抜いており、空気浄化のために植林することを国王に提案しましたが聞き入られることはありませんでした。

ジョン・エヴリン
イングランドの造園家、日記作家
彼は世界最古の科学アカデミーである王立協会の立役者の一人で、環境問題に取り組んでおり『フミフギウム』という大気汚染問題をテーマにした本を執筆した。
回想録として書いていた彼の日記は旅行の記録からペストの流行やロンドンの大火など、歴史的事象が多く書かれており価値の有るものとされ、保管されていた黒壇のキャビネットとともに彼を象徴するものとなりました。
主な作品:フミフギウム(ロンドンの空気について)/ジョン・エブリンの日記


エヴリンが政府の議員であったり、オリバーの独白の台詞と関連性が高いことからジョン・エヴリンがオリバーの本源であると考えました。

またジョン・エヴリンという名の水仙が存在していることも合わせると信憑性は増すと思います。


これらのことから【ミディアム】の『霧』はスモッグを指しており【本源】の『霧の惑星』はエヴリンが言及した大気汚染問題を指していると考えました。


続いて彼のキャラクターモチーフになっている存在について洞察を深めるため【本源】の『霧の浄化』と関連性のある人物を探していきます。

これは彼の名前の元になっているであろう『オリバー・ツイスト』が関係していると考えられます。
『オリバー・ツイスト』とはチャールズ・ディケンズという小説家によって描かれたキャラクターで、煙突掃除人として働いていた貧困孤児のオリバーが窃盗の道に落ちかけるが、紳士の養子になって報われると言うお話です。

つまり【本源】の『霧の浄化』はスモッグの原因となる煙突の掃除人である『オリバー・ツイスト』を指していると考えました。

また『オリバー・ツイスト』はロバート・ブリンコという人物が元になっていると言われており、彼も煙突掃除人で児童労働者にも関わらず14時間以上の過剰労働を強いられ、後に児童労働問題の1人として取り上げられた。

この話はオリバーの定時退勤主義の元になっていると考えられます。

チャールズ・ディケンズ
1812年2月7日
ポーツマス生まれ

父親が幼少期の頃から債務者刑務所にいたため、12歳のときからブーツ塗り工場で働き、15歳の時に復学し小説を書き始める。

ヴィクトリア朝の代表的な作家で風刺的な作風や、当時なかった小説の連載を始めるなど文学の分野に大きな貢献をもたらした人物である。

主な作品:オリバー・ツイスト/クリスマスキャロル/ディビッドカッパーフィールド/大いなる遺産



チャールズ・ディケンズについてですが、彼も幼少期の頃は父親が刑務所にいたため児童労働者だったようで、その経験を元に半自伝的な『ディビッド・カッパーフィールド』や『オリバー・ツイスト』というヒット作を出し、シェイクスピアに継ぐイギリスを代表する作家になりました。

『チャールズ・ディケンズ』とオリバーとの関連性が幾つかあるので補足していきますが、

まず彼が身につけている懐中時計ですが、ディケンズが『オリバー・ツイスト』を連載していた出版社からお祝いの品として懐中時計をもらっていました。


また、イギリスではディケンズが描いたキャラクターに因なんで、傘のことをガンプと読んでいたりと、オリバーが持っているアイテムとディケンズとの共通点は多いです。


ではオリバーフォッグについてまとめていくと

【ミディアム】の霧=ロンドンスモッグ
【本源】霧の惑星=大気汚染→ジョン・エヴリン
【本源】霧の浄化=オリバー・ツイスト→チャールズ・ディケンズ
【年齢】15歳
【展示場所】
ロンドン=エヴリンの出身地
【展示開始】
20世紀半ば=ロンドンスモッグ発生時期
12月26日=ボックシングデー


【ミディアム】の霧は1万人の死者を出したロンドンスモッグ
【本源】霧の惑星は大気汚染を意味しており、500年前から警告を出していたジョン・エヴリン
【本源】霧の浄化は煙突掃除人のことで、児童労働者であったオリバー・ツイストを書いたチャールズ・ディケンズがルーツになっていると考えました。

これらのことからオリバーは社会問題をテーマにしたキャラクターになっていると考えられます。

なので誕生日の12月26日は貧困層にプレゼントを送るボックシングデーだと考えました。

ユーディモのフクロウですが、フクロウはユダヤ人の象徴なのですが、『オリバー・ツイスト』ではユダヤ人が敵役として描かれてしまい、そこからユダヤ人問題に発展してしまったことと関係しているのではないかと考えました。


オリバーのキャラクターイベントでは主に児童労働者としての側面が強調されており、彼の苦難が描かれていましたが、同じヨーロッパの好であるナイトとの掛け合いはとてもよかったです。
個人的にはキャラクター同士の掛け合いが好きなので、今後のキャラクターイベントも楽しみです。

今回の解説は以上で終わります。

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