臨床心理学のオタクが久々に精神科行った話/スルピリドについてのメモ

先日、こころのお医者さんこと、精神科に行ってきました。
僕は割と精神科好きで、毎回の通院を楽しみにしています。
その理由はいくつかあるんですが、一番大きいのは僕が精神科の研究者志望だということにあると思います。多分そこまで臨床はやらない..?と思うんですが

仮想世界と人間の精神の関わりというのが面白いなぁと思っていて、これを研究して生きていきたいなぁと感じています。
多分臨床はやらないのかな?医学部受けないし。臨床をやるルートとしては南カリフォルニア大学の博士課程卒業した後にハンガリーの大学とか入って医師免許取るとかかな?そもそも南カリフォルニア大学の博士行けるかが非常に怪しいけど。

話が逸れましたが、言いたいことは精神科医になりたいというモチベがあるため、精神科医から患者として受ける医療行為が楽しくて仕方がないのです。めちゃめちゃキモいんですが、薬を出された時に「それってSSRIですか」とか「僕のケースだと坑不安薬の処方とかってしないんですかねとか」みたいなことを聞きまくってます。キモい患者だ。担当のお医者さんも僕が精神科医志望なの知ってるのでめちゃめちゃ色々詳しく教えてくれます。楽しい。キモいけど。
飛行機大好き少年にとってのパイロットのように僕にとっての精神科医はヒーローなんですよね。めちゃめちゃ先生のことをリスペクトしてます。あと人間としても好き。めちゃめちゃ良い人。

さて今回の治療では、薬の相談とカウンセリングをさせていただきました。カウンセリングの方では最近どうよ?なんかあった?恋愛トラウマと希死念慮は治った?みたいなことを聞かれました。やっぱり話すと気が楽になりますね。
薬は継続でSSRIとスルピリド(ドグマチール)でした。

恥ずかしながらスルピリドってあんまり知らなかったんですよね。名前ぐらいは聞いたことあったけど、ぶっちゃけ抗不安薬の一種だと思ってた。
元々胃薬として発売されたものの、抗精神病薬としても抗うつ薬としても用いられている珍しい薬らしいです。めちゃめちゃ面白い。

多分少しだけ精神医学の知識がある人なら感じると思うんですが、抗うつ薬としても抗精神病薬としても使えるってのは少しおかしいんですよね。

前提として、抗精神病薬が用いられる統合失調症などの精神疾患の原因だと考えているのが、ドパミンの過剰分泌です。なので抗精神病薬ではドパミンの作用を遮断することで、統合失調症の陽性症状(幻聴、妄想など)を収めます。

しかし統合失調症とは対照的に、鬱病の原因の一つとされているのはドパミンの分泌不足です。

ここから考えると、真逆とも言えるこれら2つの精神疾患に同じ薬を処方するのはおかしいはずです。

しかし、このスルピリドという薬では、少量の処方ではドパミンの分泌量を増やし、多量の処方ではドパミンの分泌量を減らします。スゴすぎる。
(これがNaSSAのように本当に分泌量を増やすのか、SSRI,SNRIのように作用量を増やすのか調べてもよく分からなかったです。詳しい人教えてください)
マジで意味不明ですよね。

しかもなぜこんな効果を示すのかは未だによく分かってないらしいです。

面白れ〜。

そんで自分の話に戻りますと、このスルピリドが割とうまく作用しており、ここ二週間ぐらい不安がスゥ〜と消えています。本当にSSRIが効かない人間だったのでありがたい。
SSRIが効かない鬱病患者って3割ぐらいいるらしく、僕はどうやらその3割っぽいです。
このSSRI効く効かないみたいなのは最近盛り上がりまくっている分野である鬱病バイオタイプ(生物学的観点から分類したうつ病の種類のこと。それぞれの患者の体質によってバイオタイプが異なる。あんまり詳しくないので間違ってるかも)の視点からある程度説明がつくらしいです。まだ発展途上の分野なのでバイオタイプが臨床現場に持ち込まれるのはしばらく先の話になると思いますが、精神科の初診でバイオタイプを測定して、その結果によって薬の処方を決める未来があるかもしれません。そうなったらうつ病治療が劇的に迅速化しそう。こういう生物学的観点から見た精神医学、本当の初歩の初歩の所しか分からないけどめちゃめちゃ有用だし面白いから頑張ってほしい。

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