社会福祉士国家試験一発合格の勉強法 〜事例はサービス問題〜

ここで、生存権を持ち出すのは、何十年も研究している人もいる中で、かなり躊躇しましたが、私なりの解釈で説明していきます。

日本国憲法第25条には、
第1項
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
第2項
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

とあります。
これが、日本で生きるすべての国民にとって、生きる権利があることの根拠であり、生活保護法や各種社会福祉法の芯の部分です。
社会福祉士試験のいやがらせ問題も、すべてこの生存権を根拠に考えていくと、たとえ知識がなくても、「生存権を元にした一般常識」から答えを導くことが出来ると考えています。
最後の最後、回答に迷ったら、必ず、この生存権を思い出してください。
「この選択筋で、最低限度の生活を維持できるのか?」
「この選択筋で、国は、社会福祉の増進に努めていることになるのか?」
というように、自分自身に問いかけ、落ち着いて問題を見直してみてください。
きっと選択筋のどこかに違和感を覚えたりすると思います。
もし、「どちらも捨てきれない!!」なんて思ったら、2つ選ぶ問題かもしれません。

「生存権を根拠に!」が事例問題をサービス問題に変えるコツです。

ちなみに、第31回の社会福祉士国家試験では、22問もの2択問題が出ました。それまでの10問平均の2択問題から倍増です。

もっと詳しく見てみると、「相談援助の基盤と専門職」「相談援助の理論と方法」の2科目で、2択が11問ありました。

解きながら、「え?また2択?」「別の問題と勘違いしてるかな?」とさえ思ってしまったほどです。
不安になり問題文を読み直し、解答間違えしていないか、マークシートを見比べては不安になる試験時間でした。

後から問題を見てみると、その多くが一番ベストな援助や支援方針を問うもので、解答者を悩ませていました。
「こんな所で悩んでたら、最後時間なくなるよ〜」と言わんばかりです。

しかし、それに対応出来なければ支援者とは言えません。
例えば、ソーシャルワーカーとして実際に現場で、相談業務・支援業務に当たるとしましょう。
その中で、多くの判断が即時的に求められます。
どういうことかと言うと「上司に確認しますね!」と元気よく言うだけで、その場で何もクライアントにメリットを示せない人は、ただの連絡係か伝言ゲームをしているだけと思われてしまいます。
援助する側が不安になっていたり、曖昧な事ばかり言ったりやったりしていては、結果、クライアントに信用されず、信頼関係をしっかり築くことが出来ません。
言葉にすると簡単ですが、これがどれだけ難しいことか。。。。。

つまり、解答者を悩ませるいじわる問題の意図は、「その資質や心構えを徹底的に問いただし、6割はベストな解答が出来る人が社会福祉士なんです!」と言っているようなものです。

ぜひ、この生存権を根拠とした視点に立って問題を解いてみてください。
きっと正答率が上がり、解答速度も上がると思います。
この差が、合格不合格を分ける大きな要因だと考えています。

実際の現場でも、その生存権を根拠とした支援は普遍的です。
もし生存権を根拠としなければ、援助の質や方針が支援者により大きく異なる結果に繋がるでしょう。
それはサービスの質の差を生みます。
同じ福祉サービスなのに、人や地域で質に差があったとしたら、それは平等で最低限度の生活の維持に繋がるでしょうか?
良い支援員に出会えるかどうかで、健康で文化的な生活の質に差が生まれて良いのでしょうか?
同じメーカーの同じチョコを買ったつもりが、小さかったり大きかったり、美味しかったり不味かったりしたら、クレームですよね。

福祉サービスもこれと同じで、給付費として事業所から点数計算して請求されます。事業所が違っても同じ福祉サービスを提供していれば、加算は別としても基本の請求額は同じです。
そして、それらは最終的に、みなさんの税金から福祉サービス事業所に支払われていることになります。
効果測定をした場合、一定水準以上のクオリティが均一に求められるということです。

過去問などの解答を見ると「この場合適当ではない」などの解説が多く見られます。これを見て「意味わからん・・・。」という人は、この「適当ではない」と考える根拠が曖昧だからだと思います。
ここにもしっかりと、生存権が絡んできます。
理解すればするほど、生存権が根拠として作られた法律だから、こういう解釈が適当、と行き着くはずです。
もし、憲法をまる暗記しようとしていたら、一度立ち止まって、根拠としての生存権、憲法がすべての法律の根拠という基本概念に戻りリスタートしてみて欲しいです。
生存権を根拠とすることで、「こんなの当たり前!」と事例をビシバシ正答出来るようになり、勘違いして間違う問題がきっと減るはずです。

第31回社会福祉士国家試験に一発合格した私の勉強法をまとめていきます。ほかに、福祉のこと、支援のことも書いていきます。