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荒れなければどれでもいい、はもう終わり。肌と人生によりそうスキンケア。

本記事は、ベイカー恵利沙さんによる寄稿記事になります。

ニキビがなければ、それだけで良かった。綺麗な肌になることは、もう長いこと諦めていた。

高校生の終わりから、25歳くらいまで、顔中のひどいニキビに悩まされていた。ときには自分の肌がほとんど見えないほどだった。大学在学中にアルバイトで稼いだお金は全て治療に消え、心も擦り切れた。電車に乗るのも怖かった。みんなが自分の肌を見ているような気がした。あらゆる治療を試した結果、私の肌荒れの原因の大部分はホルモンバランスの乱れにあり、産婦人科に通いホルモンを安定させることで、10年ほどかけて、顔からニキビがなくなった。それは体の内側の問題であったけど、外的な刺激にもとても弱く、ホルモンの改善をしながら、肌に触れるもの全てに気を遣った。私の肌はとても正直で、嫌なものは嫌だと吐き出す(最近それって自分の性格とすごく似ている気がしてきた)。モデルをしていた時は、撮影のたびに違うスキンケアやファンデーションなどを使い、撮影が終わってメイクオフする頃にはもう顔が赤くなっていたりした。なるべく低刺激なものを選ぶようにしたけど、自然なものだったらなんでも合うわけでもなくて、ほとんどのスキンケア/コスメはなかなか肌に合わず、1度試してはお母さんや妹にあげていた。随分長い時間をかけて、肌も心も安定するようになった。ピカピカのむき卵のような’’あの子’’と比べれば問題の多い肌。ニキビ跡もたくさんある。でも自分の歴史の中で考えれば今はずっと良くて、ピカピカでなくとも、私の肌は私の肌で完璧なんだ、と、誰とも比べない心を身につけた。

新しい環境のスタート

2017年にNY市内に引っ越して、2020年には、アップステートNYと呼ばれる自然の多いエリアに引っ越した。日本でもアメリカでもシティで育った私にとって、この自然多き場所で暮らすことは人生の第何章目かの、新しいチャレンジだった。

ニューヨーク州アップステートでの暮らしの様子

硬水エリアの悲劇

ブルックリンの、足の踏み場もないような小さなルームシェアのアパートから、パートナーと共に一軒家に引っ越しをして、期待を胸に迎えた引越し初日。新たな気持ちでシャワーを浴びて、丁寧に洗顔をして、シャワーを出て鏡を見て悲鳴を上げた(彼もびっくりして駆けつけるほどの悲鳴)。顔中が真っ赤だった。次の日にはもう赤いブツブツが顔を覆っていた。こんなにすぐにはっきりとリアクションが出るのは私の肌質のせいでもあるだろうけど、よくよく調べてみると、硬水と洗顔料というのは相性が良くないことを学んだ。そう、私が引っ越した地域は硬水エリアだった。NY市内では水道水が飲めたけど、このエリアでは飲み水もウォーターサーバーを使うのが当たり前。ヨーロッパやオーストラリアなど、硬水の地域では洗顔をせず、拭き取りクレンジングが当たり前であるということをこのとき初めて知った。私は日本で散々、肌を擦ることは負担がかかること、洗顔はふわふわの泡で肌を包み込むように洗うこと、という洗顔法が正しいと信じて生きてきたから、拭き取りクレンジングには抵抗があった。きっとそういう方も多いんじゃないかと思う。

SISIとの出会い

ただ、これまでのスキンケアはこの土地では合わないことがわかり、一先ず刺激の少なそうなウォータータイプの拭き取りクレンジングに変えて、少し肌は落ち着いた。そんなとき、とても大切な友人からスキンケアブランドを立ち上げたと連絡をもらった。SISIというブランド。私を思う(私思=SISI)、という素敵なコンセプトがブランド名にもなっている。クリーンビューティであることにもとっても共感できた。代表ともお話しする機会があって、想いや熱意に本当に感激した。それでも、使うのは正直怖かった。ただでさえ不安定になっている肌に、新たな刺激を与えたくなかったから。とはいえ、まだほとんど人と会わない暮らしをしていたし、少しヤケクソのような気持ちでロザリティを使ってみた。結果は、驚くべきものだった。ロザリティは初めて、私の肌を今より綺麗にしてくれた。

アップステートはものすごく雪が降る。埋もれるロザリティ

私の場合、それまでスキンケアの良し悪しの基準は、荒れるか/荒れないか、のみだった。もし使ってみて荒れなければそれはもう最高。肌がもともと強くて綺麗な人たちが求めるような、張りとか艶とか毛穴を小さくするとかいうような願望は、私のような肌には贅沢な願いだった。荒れないでくれればそれだけで良かった。ロザリティは、その基準を覆してくれた。

今より良くしてくれる、を噛み締める

ロザリティは初めて、私の肌をより綺麗にしてくれたスキンケアだった。現状維持じゃなくて、今より良くしてくれる。サイエンスローズの天然香料がとっても良くて、肌にひんやりと乗るジェルのようなクリームのようなテクスチャーが気持ち良い。水分量を上げて、しっかりと閉じ込めてくれるのに、ベタッとした感じは全くしない。朝スキンケアの仕上げに塗って、そのあとすぐにメイクをしてもポロポロしない。夜塗って朝起きると、なんだか肌が元気になっている。家で仕事をしていて目の周りが疲れたり乾燥したりしたときも、目の周りに塗っている。オールインワンとしても機能するから、例えば一泊するときなんかはロザリティだけ持っていく。日本とNYを行き来した飛行機の中にも持ち込んだ。コロナ禍の移動はストレスフルだったけど、ローズの香りが機内でも癒してくれた。

ロザリティの空き容器はアクセサリー入れとしてリユース

まさにヒーロー!

そして日本にいる間、ホワイトタイムカプセルという化粧水と、I’m Your HEROという拭き取りクレンジングが誕生した。同じブランドでも、一つのアイテムが肌に合うからといって、必ずしも他のアイテムも合うわけではない、というのが私の難しい肌。日本にいる間は撮影などの仕事も多かったので新たにチャレンジすることはせず、もし荒れてしまっても仕事に支障をきたさぬよう、NYに帰る間際に使いはじめた。そしてびっくり、このクレンジングは、まさに私のヒーローとなった。

窓際に並ぶ、使い切りボトルたち

拭き取りクレンジングの常識を覆す

アップステートに引っ越してから、すでにウォータータイプの拭き取りクレンジングを使用していたけれど、それとは全く違う使い心地だった。拭き取りした後の肌が、まるでしっかりとスキンケアをした後のような、ぷっくりと、うるんとした肌だった。その秘密は、美容液とオイルでできていること。それまでは拭き取りをしたあと、すぐに次のステップをしないと肌が乾燥したけれど、ヒーローはそんなこと全くない。むしろそのあとしばらくしなくても私は全然大丈夫。例えば午後の4時頃に家に帰ってきたとして、シャワーを浴びるまではまだ時間があるけれど、メイクを落としちゃいたいときはヒーローで落として、夜まで過ごす。夜シャワーを浴びたあとにスキンケアをする。コロナを機に、こうして早めの夕方に1日を終える日が増えたから、そのタイミングですっきりとメイクを落とせちゃうことは本当に有難い。肌の表面のザラッとした感じが無くなるのも気持ちが良い。こんなこと、これまで感じたことなかったけれど、毛穴も小さくなっていっているような感じがする。朝も洗顔の代わりに拭き取りクレンジングをして、ホワイトタイムカプセル、季節によって必要であれば美容液やオイルを使って、最後にロザリティの順でスキンケアをしている。初めは抵抗すらあった拭き取りクレンジングが、今や私には欠かせないものになっていて、まとめ買いして日本からNYまで送ってもらっている。

たった今は、再入荷待ちで、この空っぽの容器たちが新しくなるのを待ちわびている。

リアルバイスキンケア

私を思う、私のための、スキンケア。

私の人生で、肌への不安が長いこと心に与えてきたストレスは、言葉に表すことが出来ない。アップステートに引っ越してすぐは、また大学生の頃の肌に戻るのでは?という不安で心が覆われた。チャレンジと移動を多く選ぶ人生で、住む場所の環境もころころ変わる。自分で選んだ道だけど、その都度かかるストレスももちろんある。環境が変わるたびに、肌の調子も変わり、そして新たに何かを使うことで更に荒れるのかもしれない、という不安を抱えながらいろんなスキンケアを試してきた。マイナス20度にもなる厳しい寒さ。起きたとき声が出ないほどの乾燥。それに加えて髪にも肌にも試練の多い硬水のエリア。そんな厳しいNYの冬の環境でも私の肌を支えてくれるスキンケアに出会えたことは、どれほど心強かったことか。少し前、NYでも花粉が飛びはじめ、季節の変わり目もあり肌にポツポツと小さな吹き出物が出た。いつもだったらきっと不安になっていたと思う。このまま止まらないのでは、と怖かったはず。でも焦らずいつも通りのSISIのケアを続けて1週間、きちんとそれは消えていった。自分の肌は、今も全く自信はない。ストレスや環境の変化にとても弱い。良いときもあれば、この先もまたズンと荒れてしまうときもあるだろう。それが、私の肌。だけど、そうやって波がやってきたって、慌てずに、信じられるスキンケアがあることで、どしんと構えていられる。きっと大丈夫だと思える。

大好きなアップステートの自然

これまでの人生で、荒れなければそれで良い、という基準しかなかった私に、肌が今より綺麗になる、という感動を与えてくれたSISI。このまま酷くなってしまったらどうしよう、と不安になるときだって一緒に乗り越えてくれるSISI。まさに、私を思う、私のための、スキンケア。

ベイカー恵利沙
1989年生まれ、オレゴン州と千葉県育ち。2017年にNYへ拠点を移し、スタイリスト、ライター、モデルとして活動。ファッションブランドとのコラボレーションを多数手がけ、女性をエンパワーする発言や行動が共感を呼んでいる。


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