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ミニマル音楽の行方~スティーヴ・ライヒ&アンディ・アキホ~

毎年恒例になってきましたザ・フェニックスホールのミニマル・ミュージック・プロジェクトですが、今年は4人のパーカショニストによる「ビートジャック」と創ります。今回は4人のパーカッションアンサンブルと、完全アコースティック(PAや事前録音などは使用しない)をテーマにプログラムを創りました。

まずは定番のライヒから。今回は、フェイズシフティング(ライヒが開発した同じ音型を徐々にずらして演奏する奏法)の集大成である“ドラミングpart.1”をチョイス。ボンゴのみで4人の奏者が音型を徐々にずらすという、超難易度が高く、超絶な集中力を要する名曲です。そしてもう一曲、マリンバ4台で演奏する“Mallet Quartet”。この曲は、ピューリッツァ賞を受賞した超名曲“Double Sextet”のすぐ後に書かれた曲で、とても美しい曲です。事前録音は使用せず、生演奏だからこそ生み出される人力グルーヴをお楽しみください。

そして今回の目玉は何といってもアンディ・アキホが作曲した“Pillar 1”とPillar 7”です。このPillarという楽曲、まだ殆ど日本では演奏されていないのでが、2021年のグラミー賞にノミネートされた非常に面白い曲です。既存の楽器(マリンバなど)とDIY楽器(鉄のパイプやコップなど)を組み合わせて作られており、不思議な音色が飛び交う曲ですが、非常に緻密に作られており、楽しいだけでなく、聞いているとその世界観に引き込まれてしまうというなんともユニークな曲です。アンディ・アキホは2022年にもグラミー賞にノミネートされており、今、乗りに乗っている作曲家の一人です。今回、ビートジャックが演奏するにあたり、彼ら自身で楽器も作ってもらうという無茶振りをしてしまいました。どんな楽器、そして音楽が生みだされるのか期待してください。

というわけで、昨年の「浜辺のアインシュタイン」とはがらっと趣を変えた今年のミニマルプロジェクト、毎度のことですが面白さは絶対に保証します。是非、お越しください。お待ちしております。


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