さよならを教えてもらいたい。(CRAFTWORK『さよならを教えて〜comment te dire adieu〜』 *微ネタバレあり)


「そして今もわかっている。自分がろくでもない人間であるということを」 
 「先生・・・・?」 
『特別な自分』は、『特別にダメな自分』でしかないのだった。
後悔のたびに、涙を流すたびに、嘘をつくたびに、  自涜をするたびに、消えてなくなりたいと思う。 (…)
それでも自ら命を絶つ勇気もなく、今日出来ることは明日に回し、生まれたことをなしにして欲しいと願い、ありとあらゆる外界を呪い、すべての他人を呪い・・・・そして今日も生きている。
「生きているんだよ・・・」
「そう・・・・ですね」
 今。
 たった今、消えることができたら、どんなに楽だろう。   
(CRAFTWORK『さよならを教えて〜comment te dire adieu〜』)


*以下、微ネタバレあり。プレイ前でもそれほど支障はないと思いますが、自己責任で。



このゲームの良さをわかる人は、限られている。

でも、正直、わからない方がいいと思う。


理想の自分を作り上げて、

それでも自分を愛せなくて、

自分を壊して、

そしてそこに何もないと気が付き、

また自分を作る。


この主人公に自分を投影して、

共感し、傷つき、涙し、

この主人公のことが愛しくて仕方がなくなってしまう。


そういうドМで神経質で傷つきやすい人のためのゲームだ。

何かが不安で不安で、しょうがない。

そういう人のためのゲームなんだと思う。


(2011/5/9に公開した記事)

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