○　アインシュタインが仙台にいた時、宮沢賢治は？

　作品にアイシュタインの影響が見られる宮沢賢治。なぜ、仙台にアイシュタインが来た時、見に行かなかったのか？という疑問も湧きます。

　アイシュタインが仙台で講演会を行なった12月3日の約１週間前、11月27日に、賢治の最大の理解者とも言われる妹・宮澤トシが亡くなりました。この時期の賢治は、アイシュタインの講演会に行けるような状態ではなかったと思われます。

　賢治がアイシュタインの来日について記述した記録もないようですが、作品や下書きの中には、「相対性学説」や「アインシュタイン先生」の文字が登場します。賢治が、日本中でブームを起こしながら仙台を訪れたアインシュタインの事を意識していたのは、間違いないのではないでしょうか。

2022（令和4）年12月5日（月）
 
（続く）