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還暦おやじのスタディアブロードWith ウクレレ㊸フィリピン人のウクレレ仲間

フィリピン人のウクレレ仲間との出会い

フルーツの家で練習

  フルーツが迎えに来てくれる少し前には、道路まで出ていようと、リュックにウクレレを入れて、楽譜とUSBをしまってドアに鍵をかけて外に出た。待ち合わせ時刻にマンゴウが迎えに来た。

マ:「Hi! Shige. How have you been?」はい、シゲ。元気にやっていた?

鍵:「I’ve been fine, thank you. And you?」私は元気でやっています。ありがとう。あなたはどう?

マ:「Not too bad.」悪くはないわ。

鍵:「Where are you going?」どこに行くの?

マ:「Go to the Fruit’s house. I have come to pick you up.」フルーツの家に行きます。あなたを迎えに来たのです。

鍵:「Oh really. Thank you. How long is it on foot from here?」おうそうでしたか。ありがとう。ここから歩いて何分ぐらいですか?

マ:「It’s right over there.」すぐそこです。

鍵:「Why did you come to pick me up?」どうしてあなたが迎えに来てくれたのですか?

マ:「I’m a maid at Fruit’s house.」私はフルーツの家でメイドをしているのです。

鍵:「I see.」なるほど。

そんな話をしながら、豪邸の前についた。

マ:「Here. Wait a minute.」ここです。チョット待ってください。

といって、マンゴウはインターフォンで何やら話していた。中からフィリピン人の高齢の女性が出て来て門扉を開けてくれた。

 マンゴウから促されるままに中に入って、日本庭園風の庭を眺めながらしばらく歩いて玄関にたどり着いた。

最初に迎えてくれたのはマリヤ様だった。マーガリンはカトリュック教徒だと認識した。玄関ホールは10畳以上と広く、大きな吹き抜けがあった。正面にマリヤ様の像が見えた。

ホールの照明器具はどうやって掃除するのだろうと心配になるような高級ホテルにあるようなシャンデリアがぶら下がっている。

このような洋風の建物に日本庭園はとても不似合いに思えた。

マンゴウが待合室に通してくれたので、椅子に座って待っているとフルーツが大きなおなかを揺らしながらやってきた。

フ:「Thank you for coming. Please come in!」来てくれてありがとう。どうぞお入りください。

と言って、右側のドアを開けてくれた。

鍵:「Thank you.」ありがとう。と、そのまま靴で上がろうとすると。

フ:「Take off your shoes here, please.」ここで靴を脱いでください。

鍵:「えっ、靴を脱ぐの?」

フ:「はい、Put on these slippers inside the house.」家の中では、このスリッパを履いてください。

鍵:「It’s Japanese style, isn’t it?」和風ですね。

フ:「Yes, it is. And take off your slippers when you enter the Japanese tatami room.」はいそうです。そして、和室に入るときはスリッパを脱いでください。

鍵:「えっ、畳の部屋があるの?」

驚くと日本語になっちゃうが、フルーツはマンゴウも近くにいるので意識して、日本語を使わないようだ。マンゴウは「have a good one.」良い一日を言ってその場から立ち去った。

フ:「私の友達もユリとチエもう来ているのれす。2階の「waiting room.」に移動します。「Please follow me.」ついて来てくらさい。」

マンゴウがいなくなって、日本語で話してくれるようになった。これはありがたい。

鍵:「Yes, please.」はい、よろしく。

フルーツは、豪華な家具調の手すりの付いた幅が2メートル以上はある階段を大きなおなかを揺らしながら上がって、右の方に暫く歩きながらお手洗いの場所を教えてくれた。

 「Waiting room.」は突き当りにあった。部屋に入るとユリとチエは、フィリピン人の女性と歓談していた。

フィリピン人とのウクレレ練習会、一人は「おねえ!」

 私は「Hi! Everyone. 」皆さんこんにちは。と、皆さんに挨拶をしながら入室した。部屋の広さは12畳程の広さがあり、大きな鏡がありなぜかモニターがある。そして、アンプやマイク、譜面台が設置されていた。

 部屋に入ると、ジーンズにアロハシャツを着た3人の若者が椅子に座っていた。メンバー構成としては、男性一人と女性2名でフルーツが彼らに私の事を紹介してくれた。

鍵:「It’s nice to meet you. I’m Shige. You guys look good on Hawaiian shirts. Let’s play the ukulele together today.初めまして、シゲです。君たちアロハシャツが似合っているね。今日は一緒にウクレレで遊びましょう。」と、英語と日本語で挨拶した。こうすれば全員が理解できるからだと思ったからだ。そして、彼らの事をフルーツが紹介してくれた。

フ:「His nickname is Venus. He is a university student.彼のニックネームはビーナスです。彼は大学生で、おねぇです。」

鍵:「おねぇ?」

フ:「He came out. 彼はゲイであることをカミングアウトしているのよ。」

ユ:「ごめん!Came out? ですか?Coming outではないの?」

フ:「日本人はどないしてか間違ってはるけど。正しいのは“came out”。例えば、“He came out as a Trump supporter.”彼はトランプ支持者という事を発表した。と使うのよ。ビーナス、please.」

ビ:「Nice to meet you. I love Japanese manga and チャンバラ. That’s way I wont to learn Japanese.」よろしくお願いしま~す。日本の漫画とシャンバラが大すっき♡ だから日本語を学びたいで~す。

鍵:「Great! Nice to meet you too.」素晴らしい!こちらこそよろしく。

フ:「Her nickname is Daimon. She is a doctor.彼女のニックネームは大門。彼女はドクターれす。」

鍵:「Wow! Nice to meet you too. Why are you called Daimon? 凄い!こちらこそよろしく。あなたはどうして大門と呼ばれているのですか?」

大:「私、失敗しないので。」

ユ:「そうか。Doctor Xの大門未知子からなのね。」

大:「Yes, she is cool.」はい、彼女は恰好いいです。

チ:「そういえば、You look like Ryoko Yonekura.米倉涼子に似ていますわね。」

大:「I’m happy.」嬉しいです。

鍵:「Is your ukulele Kamaka?あなたのウクレレはカマカですか?」

大:「Yes.it is. 」

ユ:「シゲ。カマカってなに?」

鍵:「It’s high-class ukulele.高級ウクレレなのです。」

大:「I really like this.」私のお気に入りです。

鍵:「Do you mind if I play your ukulele?」あなたのウクレレを弾いてもいいですか?

大:「No, I don’t mind.」いいえ、かまわないです。

鍵:「Thanks.」ありがとう。

フ:「Her nickname is Kuma. She is an architect.彼女のニックネームはクマです。彼女は建築家れす。」

ク:「Nice to meet you. I am interested in Japanese castles and Karesansui. 」よろしく。私は日本の枯山水やお城に興味があります。

鍵:「Nice to meet you too. I also like Japanese castles. Why is your nickname Kuma?」こちらこそよろしく。私も日本のお城は好きです。何故、ニックネームがクマなんですか?

ク:「I’m studying Japanese architect Kengo Kuma at university. 」

フ:「私は大学で日本の建築家の隈研吾くまけんごを研究しているのれす。」

ビ:「私は丹下健三たんげけんぞうを研究しているわよ。」

鍵:「隈研吾も丹下健三も僕は知っているよ。」

ユ:「私は二人ともしらないわ。」

鍵:「二人とも世界的に有名な建築家で、隈研吾は新しい国立競技場、丹下健三は東京都庁を設計したんだよ。」

チ:「私は東京カテドラル聖マリヤ大聖堂に行ったことがありますわ。その時に、丹下健三が設計したと聞きましたわ。」

鍵:「その通りだよ。」

ユリとチエは、自己紹介は済んでいるようだった。

フルーツは私にみなをニックネームで紹介してくれたが、ビーナスのニックネームからすると、彼はこち亀ファンかもしれない。

ドクターの彼女は、大門未知子にあこがれて必死に勉強して医者になったというから凄い。

3人ともインテリジェンスが高いようだから英語での会話も可能だと安心した。

彼らの楽譜を見ると、日本語の歌詞がローマ字で書いてあった。

鍵:「I speak a little English. Please as slowly and easily as possible.私は少しだけ英語を話します。出来るだけゆっくり簡単なセンテンスを使ってください。」と英語と日本語で話をした。

※この出来るだけ簡単なセンテンスでというのは、Skype英会話で良く使っている。

フ:「Then why don’t you try playing, Daimon.それでは何か演奏してみて、大門。」

大:「All right. Let’s play Country Roads. If you like, please join us, Shige. 」

フ:「いいわよ。カントリーロードを演奏するわ。良かったら一緒にどうぞ、シゲ。」

鍵:「All right.」いいよ。ユリとチエに私の近くに来てもらって、楽譜を見てもらった。

ジブリのカントリーロードを弾き語り

耳をすませば 自由に使ってください企画に感謝!

 彼らの演奏が始まった、ジブリのカントリーロードを8ビートで軽快に演奏して、日本語で歌っている。頭の中には、耳をすませばの場面が浮かんできてキュンとしている。

大:「Sorry. Can I start over?」すいません。最初からやり直してもいいですか?

鍵:「Sure.」いいよ。

最初から弾き語りが始まったが、彼らの演奏の速さが分かったので私も加わった。そして、ユリとチエも一緒に歌ってくれた。マックに一緒に行ってからは、チエさんもチエと呼ぶようになっていた。

鍵:「Fantastic!」素晴らしい!

ユ:「It’s fun.楽しいわね。」

チ:「It’s more fun karaoke.カラオケよりも楽しいですわね。」

フ:「皆さん。素晴らしかったよ。Everyone was great!」

大:「How was our Japanese?」私たちの日本語はいけがでしたか?

鍵:「I think your Japanese is very good.あなた方の日本語はとても上手だと思います。」

大:「Thank you. I wish I were.」ありがとう。そうだといいのですが。

ユ:「I think so, too.とても日本語も上手。『And good at singing.』そして、歌がうまい。」

大:「Thank you, Yuri.」ありがとう。ユリ。

ビ:「To tell the truth, I don’t understand of the lyrics. 」

フ:「彼は、実を言うと、歌詞の意味は分かっていない、と言っています。」

鍵:「そうなんだ。フルーツは歌詞の意味は分かるの?」

フ;「歌詞は難しくて私もわかりません。The lyrics are difficult, and I don’t understand. 」

チ:「英語訳はないのかしら?」

鍵:「ググってみると、原曲のTake me home country roads.しか出てこない。」

チ:「それでいいんじゃないですか?」

鍵:「カントリーロードは、英語の歌詞をただ和訳したものではないんだ。」

ユ:「そうだったのか?知らなかったなぁ。」

フルーツが英語で説明してくれたので、彼らはうなずいている。

鍵:「Do you guys know about Take Me home country roads?」あなた達はTake me home country home.を知っていますか?

ビ:「I don’t know.」知りません。

Take me home country roadsの弾き語り

と言う事で、私が英語での弾き語りを披露した。

ビ:「What a wonderful play!やるわねぇ。」

大:「Great! Your English pronunciation is good.」素晴らしい!あなたの英語の発音が上手です。

コ:「Cool!」素敵!

鍵:「Not really.」いや、それほどでもないです。

フ:「Your performance was amazing.とても驚きのパフォーマンスでした。」

ユ:「あぁ驚いた。」

チ:「びっくりですわ。」

鍵:「てれるなぁ」

フ:「What’s テレルナ?Shige.」テレルナって、何?シゲ。

鍵:「Well.えーと。I can’t explain in English.えーと、英語では説明できません。」

チ:「チョット待っていて、Wait a minute.翻訳ソフトでチェックしてみる。Check it with translation software. Well.えーと、I’m shy.だって。」

フ:「Aha ha. I can’t believe you’re shy. アッハッハあなたがシャイなんて信じられません。」

鍵:「I think so, too.私もそう思います。」

その一言で、皆が笑って和やかな雰囲気になった。やっぱり笑いの力は偉大だ。

雑談の中で出てきた話としては、この部屋の下に本格的なホールがある。そして、この部屋はホールでパフォーマンスを披露するミュージシャンの為の控室とリハーサル室として使用している。

 なるほど、それならホールの様子が伺えるモニターがあるし、化粧するための大きな鏡があるのもうなずける。

彼らの話だと定期的に高齢者施設で慰問を行っているが、入所者から日本の童謡を歌って欲しいというリクエストがあるので教えて欲しい。そして歌詞の内容も教えて欲しいという事だった。

「みかけによらない」って英語で何って言うの?

 最初に「ふるさと」を練習することにした。必要な楽譜は、USBからフルーツに人数分印刷して貰った。

鍵:「Okay, first we sing. Are you ready to sing? ユリ、チエ、準備は出来ていますか?」

ユ:「Yes. I am.」はい、いいよ。

チ:「Yes, I was born ready.」はい、準備できてますわよ。

鍵:「ふるさとは、3拍子なのでワン、ツウ、スリーで行きます。はい、ワン、ツウ、スリー」

♪うさぎ おいし かのやま こぶなつりし かのかわ ゆーめは いーまも めぐりて わすれがたき ふるさと♪

三人で気持ちよく歌ったが、チエとユリは驚くほど歌がうまい。特にユリは声がきれいだ。

鍵:「二人とも歌がうまくて声がきれいだね。」

フ:「ホントレスネ。Your song is good. And your voice is beautiful. 歌がうまいし声がきれい。」

鍵:「ユリは見かけによらないなぁ。どうして?」

ユ:「地元のカラオケの会に入っているのよ。」

フ:「I’m in a karaoke group. What do you mean ミカケテヨラナイヨ?どういう意味れすか?」

鍵:「I’m sorry, I can’t explain in English.ごめんなさい。英語で説明できません。」

ユ:「チョット待って、調べてみるわ。えーと、フルーツこれ見てください。」

フ:「Does not match (one’s, its) appearance. 見かけによらない。I understand. 」

鍵:「チエはどうして?」

チ:「私は地元のコーラスグループに入っていますのよ。えーと。I’m in a chorus group at my hometown. 」

鍵:「そうなの。二人とも隅すみに置けおけないなぁ。」

フ:「ユリはカラオケグループでチエは、コーラスグループなのれすね。素晴らしい。」

大:「That makes sense.」なるほどそうでしょうね。

ビ:「だわよねェ。」

コ:「I want you to sing at the nursing home. 」

フ:「彼女は、あなた達に老人ホームで歌って貰いてえと言っております。」

ユ:「Thank you. 」

チ:「I definitely want to go.是非、ご一緒したいですわ。」

フ:「それはいいれすね。」

鍵:「Let’s practice.それでは練習しましょう。」

ふるさとをなんどか練習して休憩。フルーツがケーキと紅茶をごちそうしてくれた。

フルーツから、隅に置けないについて質問されたので、調べてみたら一例として「You are smart fellow.」が掲載されていた。なんのこっちゃ??

おねえのフィリピン人は鬼滅の刃が好き!

鍵:「What is your favorite manga?」好きな漫画はなんなの?とビーナスに聞いてみた。

T:「I like きめつのやいばだわねぇ。♡」

鍵:「きめつWhat? Sorry, I don’t know.きめつって?ごめん、知らないけど。」

チ:「私の娘夫婦も鬼滅刃が好きですわよ。二人ともカマドタンジロウがお気に入りですのよ。」

T:「きゃぁカマドタンジロウすっき♡ 漢字も書けますわよ。」

といって、本当に漢字で竈門炭次郎と書いてくれた。

鍵:「わぁ、こんな難しい漢字、俺には書けない!えーと、英語だとWow, I can’t write such a difficult kanji.」

ビ:「あら、オタクなら書けるわよ。」

フ:「Otaku can write. 」

鍵:「No way. Aer Otaku in English? ありえない。オタクって英語なの?」

ユ:「シゲ。Yeah, that’s it.そうだわよ。」

チ:「今年の4月からTVアニメになるって娘がいっていましたわよ。」

フ:「Really? That will be a TV anime.」本当に?テレビアニメになるんですって。

ビ:「Oh my goodness. Since when?」あらまあ、なんてことかしら。いつからなの?

チ:「I’ve heard from April.4月からって聞いていますわ。」

ビ:「I have to go to Japan.」日本に行かなきゃ。

鍵:「Have you been come to Japan?」日本に来たことはありますか?

ビ:「No, I haven’t.いいえ、ないわよ。」

鍵:「How do you study Japanese?どうやって日本語を勉強しているの?」

ビ:「チャンバラ映画を見るわよ。私お侍が好きなの。ぴょん。」

鍵:「侍が使っている言葉は、今、日本人は使っていないよ。」

フ:「We are not using the words that the samurai used right now. 」

ビ:「そんなこと言ったら、月に代わっておしおきよ。」

ユ:「へえ~。セーラームーン見たことあるんだ。」

ビ:「ちがいます。亀かめ有あり公園前派出所れす。」

鍵:「ゲッツ、あの変態デカ?僕は外国人が日本語を勉強するのに、あんな漫画を見ると日本を誤解しちゃうのではないかと心配なんだ。」

フ:「私も、日本語を勉強する為にアニメをみましたよ。I’m a fan of Ryotsu Kankichi.両津勘吉の大ファンです。」

ユ:「フルーツ、本当なの?」

フ:「あぁ~、はい!」

チ:「Please come to Japan. ビーナス。日本に来てくださいね。友達が沢山できましてよ。」

ビ:「ありがとう♡」

フ:「What’s 出来ましてよ。は、過去形れすか?」

チ:「いいえ。英語だとYou Know. I think you can many lot of friends in Japan.えーと。あなたは、日本で沢山のお友達が出来ると思うわ。」

フ:「ありがとう。」

童謡「ふるさと」の歌詞を英語で解説

では、最初に「ふるさと」で次は「赤とんぼ」を練習しましょう。

大:「Please tell me the meaning of the lyrics if possible.」出来れば歌詞の意味を教えてください。

フ:「Okey, let’s do the lyrics of Furusato first. それでは、ふるさとの歌詞を最初にやりましょう。」

大:「That’s good.」それはいい。

コ:「Sounds interesting.」楽しいそう。

フ:「Rabbits are delicious. That mountain. ウサギが美味しいあの山。」

鍵:「That’s not right.それは正しくないです。」

チ:「えーと、ユリちょっといい。She is a rabbit. And I am a kid.」と言って、ユリが逃げてチエが追いかけた。

大:「Nice! I understand. I chased the rabbit, right?」いいね!分かったわ。ウサギを追いかけたであっている?

チ:「Exactly.そのとおり。」

フ:「小鮒こぶな釣りしかの川 That river where I caught some small crucian carp.」

ユリとチエは、魚釣りのジェスチャーをしている。とても上手だ、流石にNHKのジェスチャーゲームを見ていた世代だ。

大:「I see.」そうですね。

フ:「夢は今もめぐりて。I still remember the scene. 」

ユリとチエは、寝転がって腕を枕のようにして夢見ているようなジャスチャーをしている。

大:「Chie and Yuri, Good job.」チエとユリ、上手。

フ:「忘れがたき ふるさと。I can’t forget my hometown.ふるさとを忘れることが出来ない。」

ユリとチエは忘れることが出来ないという部分は、耳の横で手のひらを外に向けてから、人差し指と親指でほっぺたをつねっている。

鍵:「二人とも素晴らしい。NHKのジェスチャー番組のターキーのようです。」

ユ:「ターキーとは古いね。」

チ:「水の江瀧子みずのえたきこですわね。見ていましたわ。しかし、これは、手話ですわ。」

大:「I understand sign language. I learned it in a college class. 」

フ:「手話は分かります。私はそれを大学の授業で学びやしたのよ。」

鍵:「That makes sense.そういう事だったのか。」

ユ:「そうだわね。医者だと手話を勉強するわよね。」

みな、ふるさとについては、理解してくれたようなので、続けて赤とんぼを練習。

彼らのウクレレでの赤とんぼの弾き語りは、それとなく日本語に聞こえる。

鍵:「Everyone is good at Japanese pronunciation.みな、日本語の発音うまいね。」

大:「Thank you. We want to know the meaning of Japanese Lyrics. 」

フ:「She said歌詞の意味が知りたい。」

チ:「Let’s get started」始めましょう。

フ:「夕焼け小焼けの赤とんぼ A red dragonfly in a small sunset.」

大:「You bet.」そうだよね。

フ:「追われていたのは I was being chased.」

例によって、チエとユリはジェスチャーを披露している。ユリが逃げて、チエが追いかけている。

鍵:「Nope.違うよ。」

チ:「どうして?I don’t think it’s a problem.私は問題ないと思いますわ。」

鍵:「Many Japanese are wrong. It’s really like this.」と言って、ユリにチエをおんぶして貰った。

フ:「多くの日本人が間違っている。本当はこうだ。」

鍵:「子供のころおんぶして貰って見た赤とんぼなんだ。」

ユ:「そうだったの?私誤解していた。恥ずかしいわ。」

鍵:「恥ずかしがることなんかないよ。思い違いなんって誰でもあるさ。僕は、コーディネイトを東北弁と思っていた時期がるんだ。洋服の組み合わせは “こおでぃねーと”いけない。ってね。」

チ:「それウケますわね。私も以前から赤とんぼに追いかけられるって変だと思っていたのですわ。おかげでスッキリしましたわ。」

フィリピン人に分かるようにおんぶされたまま、見るという手話をチエがしている。

ビ:「そうなのか。ガッテン!ガッテン!ガッテン!ですわ。」と言いながら、右手でテーブルを叩いた。

フ:「What’sガッテン?」

ビ:「Got it.わかったわ。」

フ:「Good point!なるほど、確かに。」

コ:「It’s a wonderful memory.素晴らしい思い出ですね。」

ユ:「I think so too.」私もそう思うわ。

赤とんぼの歌詞を家族と過ごした懐かしい思い出なんだということを皆で共有できた。

フルーツの旦那さんは会ってからのお楽しみ!

 それで、老人ホームで赤とんぼやふるさとを弾き語りすると、何人かがふるさとの事や子供のころの風景を頭に描くことで涙ぐむのだということが理解できたとフィリピン人の彼らは言って感謝してくれた。

大:「I hope you guys will join us at the upcoming Sunday event. Join us? 」

フ:「今度の日曜日のイベントにあなた達も参加してくれたら嬉しいのだけど。参加しない?」

鍵:「I will be happy to join you. 喜んで参加します。」

 来週の日曜日の施設への慰問には、我々も同行することになった。

鍵:「Today was fun. Thank you. Take care.」今日はありがとう楽しかった。元気でね。

と言いながら、フルーツの家を後にした。

 来週慰問に行く施設は、フルーツのご主人が経営しているとのことだった。フルーツからご主人にシゲの事を話したら会いたいと言っていたと話してくれた。

 フルーツの旦那さんはどんな人なのか凄く興味がある。ユリとチエは、会ったことがあるという事だった。

歩きながらフルーツの旦那さんはどんな人って聞いたが、二人ともふふふふと笑って、会ってからのお楽しみって言うだけで教えてくれなかった。ふと、会ってからのお楽しみって英語でなんて言うんだろうと考えて、「隅に置けない」「照れるなぁ」などを英語で説明することの難しさを認識した。

我々は、夕食の時間なのでそのまま食堂に移動して会話をつづけた。

ユ:「ウクレレの練習会楽しかったよ。シゲ、ありがとう。日本語で話してそれを自分で英語にして話すって、同時通訳ってあんな感じかしら、面白かった。」

チ:「フルーツがいてくれて助かったけど、3人で協力すれば彼女なしでも会話が成立しますわねきっと。そして、こんなに楽しいのならもっと英語を勉強したい。あと、2か月も楽しくなりそうですわ。」

鍵:「そうだね。最初にあった時にチエはスクールにいるのが苦痛そうだったけど今はイキイキしているから若返った感じだよ。それで、今日の料理教室はどうだった?」

ユ:「今日は、フルーツからフィリピンの家庭料理を教わったんだ。」

チ:「料理教室の英会話学習もユリに誘ってもらってありがたかったわ。今日はアドボというにんにくを沢山使った料理を教えて貰って作ったのですけど、食べてみたらとってもおいしかったわ。日本に帰ったら、娘婿に沢山フィリピン料理を作ってあげたいですわ。」

鍵:「良いお土産になるね。それでか、にんにく臭かったのは。」

ユ:「そうそう。ウクレレの練習会に参加した彼らも食べたから。なおさらだわよ。」

英語の料理教室は楽しい

チ:「このノートにレシピを沢山書きたいわ。そして、帰国したら料理学校に通っておいしい料理を娘夫婦に食べさせたいと思っているのですわ。

私は娘を育てるのが必至で趣味もなかったし勿論料理も習ったことがないのでこれから料理を趣味にしたいわ。」

ユ:「それって、いいじゃない。英会話の勉強に来て料理の楽しさに気づくって面白いね。」

このレシピに沿って英語で作り方を説明してくれるのよ。主婦にとっては興味のある事だから。こういう英語の勉強なら確かに楽しいよ。」

チ:「例えば、Cut a lot of onions. Crush the garlic with a kitchen knife. 」

鍵:「玉ねぎを多めにカットします。にんにくは包丁で潰します。という、意味でいいの?」

ユ:「そうそう。そして、The meat and onions in an oiled frying pan.」

鍵:「お肉と玉ねぎを、油を敷いたフライパンに入れます。で、合っている?」

チ:「Exactly. Lightly brown. その通り。軽く焼き色を付けます。って、フルーツが言ってくれるので理解できるのですわ。」

ユ:「Then, put water, soy sauce, vinegar, bay leaf, black pepper and garlic in a flying pan. Then simmer for about 20 minutes. 」

チ:「そうしたら、お水、お酢、お醤油、ローリエ、黒コショウ、ニンニクをフライパンに入れる。それから、20分ほど煮る。」

鍵:「凄いなぁ。そんなにきっちり書き留めているんだ?」

ユ:「まさかさぁ。レシピと作り方を英語と日本語で書いてあるプリントをくれるのよ。」

鍵:「そうなんだ。それで、フルーツは料理が上手なのかい。」

ユ:「フルーツは自分ではやらずに、説明だけをしていたわ。普段から料理はしないんじゃないかしら。セレブだから。」

チ:「そうそう。料理専属のメイドがいるそうよ。」

鍵:「メイドがいるって凄いなぁ。」

ユ:「そうでもないらしいわよ。フルーツの話だと普通の家庭でもメイドを雇っているって言っていたわよ。」

チ:「えーと。週に一度、掃除や洗濯や買い物とか料理を作ってもらっても一回500ペソ位ですって。それに、住み込みでも月に3,000~5,000ペソって話していましたわ。

だた、英語を話せるメイドは、月に8,000~10,000ペソになるらしいですわよ。」

鍵:「それでも随分人件費としては安いんだなぁ。それにしも何でもオープンに話してくれるんだなぁ。」

ユ:「そうよ。フィリピンの人達はなんでもオープンよ。先生たちの口に戸を立てられないから。先生に内緒話したらすぐに広がっちゃうからお互いに気を付けなくっちゃね。」

鍵:「二人は明日、先生方と一緒に出掛けるんだったね。楽しんできてくださいね。」

チ:「シゲは、一人でジープニーに乗ってクバオまで行くって聞いていますわ。気を付けて、楽しんできてくださいね。」

という会話を交わして、部屋に戻った。二人も明日の朝は食堂で食事してから外出するという事だった。
 部屋に戻って明日の支度をしている。リュックにウクレレと楽譜を入れてお金は3つの財布に入れて、ウクレレカフェの地図とジープニーに乗るためのバス停の地図を確認。

 言葉が通じない場合に困るので、ポケットに入るノートを用意した。そのノートには、道を尋ねるフレーズが日本語と英語とそして、タガログ語で書いてある。

 タガログ語は、マーガリンが英語のフレーズに合う文章を書き足してくれたものだった。

彼女はレッスンの時は鬼のようだと感じる瞬間もあるが、このような優しい面も持ち合わせている。


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