見出し画像

理学療法士国家試験直前対策:骨折に対する超音波治療について

直前予想問題の投稿で、骨折に対する超音波療法が問われるかもしれないとしましたが、Noteにおいて、某サイト解説では
この骨折治療について
1.プレートが入っているのでダメ
2.術翌日は時期的に(早く)ダメ
などと誤った解説がされているので、あらためて解説したいと思います。専門的な知識なく、なんとなく解説しているサイトを信用をすると痛い目に遭いますので注意してください。

骨折に対する超音波治療については、プレートが入っていても大丈夫です。以下のように過去に国試でも問われています。
【過去問】超音波治療が可能なのはどれか。 (第52回 午前 38)
1. 金属プレートによる骨折固定部位
2. 血友病性関節症
3. 小児の大腿骨下端部
4. 深部静脈血栓症
5. 転移性骨腫瘍部位

【解説】
1. 金属プレートによる骨折固定部位:○ 金属あってもOK
2. 血友病性関節症:×  小さい傷から出血しやすくなるので禁忌
3. 小児の大腿骨下端部:× 骨端線は禁忌
4. 深部静脈血栓症:× 血流が遅くなっているので加熱しすぎる
5. 転移性骨腫瘍部位:× 腫瘍に超音波はだめ(悪化する)

金属プレートが禁忌なのは極超短波による温熱治療です。プレートが高温になるからです。

また骨折に対する超音波療法は術後翌日からやって構いません。ほとんどの物理療法が受傷して間もない頃、つまり炎症期では使用する事が出来ません。炎症を助長させてしまうからです。しかし、超音波療法は積極的に取り入れて治療することができます。なぜなら、非温熱効果を狙った超音波治療は炎症組織の治癒促進の効果があるからです。また骨折治療については骨癒合を促進する効果があるので、術翌日から行われます。

たとえば以下の論文をみてみましょう。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/34/6/34_805/_pdf

この中で骨折に対する超音波治療法について術翌日から行っていると記載されています。このように、術翌日からでもやって良いのです。

【予想問題】骨折に対する超音波治療法について誤っているものはどれか。2つ選べ。
1.金属プレートによる骨折固定部には行わない
2.小児の骨端部骨折に対しては行わない
3.術後早期には行わない
4.腰椎圧迫骨折に対しては行わない
5.四肢骨折に対して行う

                    答え:1と3
1.×金属プレートで固定していても行って良い
2.○骨端線は禁忌
3.×術後早期から行って良い
4.○超音波治療は四肢の骨折について保険適応されています。
5.○

なお、骨折に対する超音波治療は非温熱効果です。以下に確認のためにまとめてみました。



 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?