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最近の話4 新聞の拡張員の話

ある休日の午後、自宅にいるとき、
「アサヒですけど・・・」
と、一本の電話がかかってきた。
それだけではわからなかったので、
「どちらのアサヒさん?」
と、聞き返した。
すると、
「朝日新聞です」
と言ったので、新聞の拡張かと思い、私は話しを聞くのをやめようとした。
新聞はもう何年も取っていないし、今さら紙の新聞を読む気持ちもなかったからです。
すると、
「今お宅の近くを内の者が回っておりまして、粗品を配っているので、気安い感じで受け取ってやってくださいませんか」
と言うのです。
私は、粗品を受け取るだけなら受け取ってもいいかなと思い、一応、先方の言うことを聞いて電話を切った。

数分後、チャイムの音がしたので、玄関のドアを開けた。
朝日新聞の人が姿を見せ面会したが、粗品と称して、缶ビールを一ケース持ってきた。
これでは、契約を前提の品ではないかと直感し、私は受け取りを拒否した。

「今は、ネットでニュースを見ているし、紙の新聞はもう読まないので、この品は受け取れないです」

すると、
「三カ月だけでもお願いできませんか」
と、缶ビールの箱を私に預けるようにして言うのでした。
私は、それは無理だと告げた。

まあ、新聞屋さんも今の時代、やっていくのが大変なのかもしれないが、私がそのために援助しなければならない義理もない。
必要のないものは必要がない。

ちょっと前にかかってきた電話の話しでは、「今は粗品を近隣に配っている・・・」ということであったが、結局のところ、この一ケースの缶ビールで再度の契約を結んで欲しいという要望であった。
二十四缶入りの缶ビール一箱は、粗品であろうか。
ちょっと違うように思う。


サザンカ

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