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留学が半年終わった今、出国直前に立てた目標を振り返る

明日からいよいよPeriod3が始まります。
新年ということもあって今年の目標みたいなものを頭の片隅で未だに考え続けていますが(初七日過ぎたしそろそろ決めろや)、その前にこれまでの半年を振り返ってみようと思います。
めっちゃどうでも良いけど、今改めて出国直前に書いた「フィンランドでこれを成し遂げる!」シリーズを読んだらnoteの書き方のテンションがだいぶ変わってて1人で時の流れを感じた(笑)

①脱・食わず嫌い

日本にいるとき、とにかくビジネスとテクノロジーっていう言葉に対して無条件に拒否反応を起こしていて、自分でもその理由がうまく説明しきれないことにものすごく苛立ちを感じていました。稚拙な考えを包み隠さず言えば、ビジネスが嫌だったのはお金儲けに時間や労力を費やすことが私の中の「正義」みたいなものに反していたから、テクノロジーが嫌だったのはありもしないのに新しい技術が生まれる前提で社会システムについて議論するのがとても空虚に感じられたから。
自分でもこのどちらもなくして社会は存在しないことは頭で分かっていつつも、どうにもそれが腑に落ちなくてその葛藤に苛まれていました。
ただこれまでこの2つをまともに勉強したことがなかったから、せっかく新しいことを学べる留学というチャンスを活かしたいなと思って前期はかなりこの2つと徹底的に向き合うことを意識してました。

まずビジネス。
留学先のSchool of Businessで、ビジネスと持続可能性の関係性について考えるような授業を取りました。具体的にいうとPeriod1で取ったのがSustainability in Business、Period2で取ったのがSustainable Entrepreneurshipというコースを履修しました。1つ目のコースはいわゆる大企業が企業の持続可能性のためにどんな取り組みをしているか/できるかについて、2つ目のコースは社会の持続可能性を高めるためにスタートアップはどのような役割を果たせるかについて学びました。

細かい話はさておき、何よりも良かったなと思うのは、
同じことで悩んでいるのは私だけじゃないしむしろ悩んで当然なんだ
ってことがよく分かったこと。日本でこのビジネスとかテクノロジーへの嫌悪感みたいな話をすると
じゃあどうやってお金稼ぐの?どうやって生活するの?どうやってやりたいことやるの?
みたいなことをよく聞かれて、
そんなこと分かってるけどそれが割り切れないから気持ち悪いんだよ…
っていうもやもやがずっとあった気がする。でも授業で毎回のようにディスカッションをしたりチームプロジェクトをしたり、他の学生と考えを話すうちに迷ってるのは自分だけじゃないんだなって気づくことができた。

そして授業を通して気づいたのが、私が悩んでいるのはビジネスうんぬんという話というよりも少し言い換えると
社会・経済・環境のバランス
をどうやって保てるのかが分からなかったんじゃないかなってこと。ビジネスだってもちろんお金を社会や環境のために使えばそのお金は必要なものだし、テクノロジーだって社会が使い方を間違えなければ経済や環境にとって良いものなはず。でもこの3つの全部を完璧に達成することはやっぱりできなくて、その妥協点をどこに見出すかを考えることが必要なんじゃないかなって気づいた。そういう意味では訳も分からず「食わず嫌い」ではなく、その3つのバランスをどうやって保ってるかを見てビジネスの良し悪しを判断できるってことが分かったわけで、脱「食わず嫌い」は達成できたんじゃないかなあと。

次にテクノロジー。
これについては、前に別の場所で書いたこの投稿が自分の中でものすごく腑に落ちたところだからここで再掲。

色々都市のことを考えてみるとやっぱりテクノロジーはそれがなければできないことを可能にしてくれる側面がたくさんあるなって思った(このときメタバースによって都市のあり方がどう変わるかのワークショップに参加していた)。だから技術=悪、みたいに思っちゃうテクノフォービアは自分でもめちゃくちゃ葛藤しててこれ読んでたんだけど(これって言うのはこの記事です: https://shinsho-plus.shueisha.co.jp/column/techno_phobia/21938)、思ったのは、最初に新しいものを取り入れるときはやっぱり未知な部分も多くてそれには人命にかかわるようなリスクもあって、これまで守ってきた”伝統”みたいなものを壊す気もしてやっぱり怖いものなんだなと。そしてそれは歴史上何度も繰り返されていて、たぶん今現在でもそこに違和感みたいなものを感じてるのは私だけじゃないんだろうなと。
でもここで例になってる鉄道(上の記事で鉄道を導入するときに多くの批判があったことが言及されていた)は今は違和感を抱く人はいないほどに当然の存在になってて、事故は0ではないにしても発明当時に比べたら圧倒的に少ないどころか、もっと快適なものになってるわけで、そのこと自体は何も否定することではないわけで。ってことは、やっぱり生まれてすぐの技術を取り入れるときは痛みがあるけど、それを乗り越えればもっと良いものがあるというか。それくらいの長い目で見る必要があるな、っていうのが一つ。
ただ私がテクノフォービアなもう一つの理由はたぶん「こんなにどんどん進んじゃって、この先どうなっちゃうんだろう??」っていう、終わりの見えない進化への恐怖というか。段々進化のスピードが早くなりすぎて、下り道走ってったらどっかで早すぎて止まれなくなる、みたいなことが起きるんじゃないか、みたいな恐怖。この恐怖はどうやったら解決できるのか分からないけど、一つ思うのは、その止まれなくなっちゃうのの杖的な存在になれるのは自分たち文系の人の役割なんじゃないかなーと。あんまり文理っていう分け方もしたくないけど、技術屋さんたちが一生懸命技術を作ることに集中してる反対側で、それが正しい方向で社会に関われるような土台を先に作っておくというか。そういう意味でも、ちゃんと新しい技術にアンテナ張っておかなきゃいけないなって反省したし、もっといえば技術屋さんたちに「これが必要だよ!」って言えるくらいにならなきゃいけないなって思った。

12月3日のFacebook投稿より
(カッコ書きは筆者注)

アールトで1番楽しみにしていたPDP(Product Development Project)という学部融合のプロジェクト型授業で運良くKONEというビルオートメーションの企業とのプロジェクトに参加することができて、私が専門にしている都市計画にテクノロジーがどう影響を与えているか知りました。その話を聞いて、技術が今都市で問題になっていることを解決するキーになることはよく分かった。そして新しいテクノロジーを取り入れるのはやっぱり怖いことだけど、そこで起きる失敗を乗り越えることで新しいテクノロジーが社会に受け入れられていくのだろうなと思った。そしてその基礎を作るのは、テクノロジー自体じゃなくて社会システムを作る私たちの役割なんだろうなと。
そういう意味で、テクノロジーに対しても「何が怖くて何が必要なのか」を明確にできたおかげで向き合い方が分かったから、脱食わず嫌いは抜け出せたかなと。

②自分のウェルビーイングをマックスに保つ!

これまた「マックス」とか大胆な言葉使っちゃって…って過去の自分に自分で苦笑している(笑)

こっちに来て気づいたのは、
私めちゃくちゃ太陽好きだ!!
ってことかも。普段結構家から出るまでなんとなくめんどくさくて時間かかっちゃうんだけど、寮の窓から太陽が見えるとそのときだけは雪がどれだけ積もっていようがつっかけで飛び出していけるくらい。
太陽が出ないことで有名と言っても過言ではないフィンランドでそれは酷すぎでは?
とも思ったけど、逆に普段見られないからこそ太陽が出てる日はそれだけで1日明るい気持ちになれる気がする。
それで気づいたんだけど、東京って太陽見える場所すっごい少なくない??冬とか確かにすこーーん!って晴れて最高に気持ち良い日はたくさんあるけど、日の出とか日の入りとか、太陽が1番きれいな時間の太陽ってだいたいビルの建物のに隠れて見えないよなあって。高層ビルをぶっ壊せ!なんて言うつもりはまったくないんだけど、なんかどっかでチラッと太陽が見える場所とか、もっと東京にもあったら良いなって思うなー。せっかく空が綺麗な場所なんだから。

あともう一つ、自分の精神を安定させるのに大事かもなって思ってるのが「取捨選択」と「決断」。私はやれることはなんでもやってみたいタイプだし、そうやって色んなことに手出すせいで選択肢が増えすぎてあっぷあっぷしたり、どれも中途半端になって
うわーーーー
ってなっちゃったりすることが多いなと。
まあせっかくフィンランドにいられる残り半年だしもちろん新しいチャレンジは色々続けたいけど、専門とか帰国後の進路とかも固まってきたから、そこを深めつつ、それ以外のところは興味があるからやろう〜くらいの軽い気持ちでいこって思ってます。

③一次情報から考える力をつける

こっちに来て気づいたんだけど、私「事前の下調べ」というものがめちゃくちゃ嫌いらしいです。特に旅行行くとき。もっと色々調べてから行けば効率よく観光スポットを回れるし電車とかホテルだって良いところを安く取れるのに、とにかく調べるのがめんどくさくてやらなきゃやらなきゃって思いながら直前まで結局やらないみたいな。
でもなんでかなって考えてみると、まあもちろん単純にめんどくさいっていうのはあるんだけど()、
行った先の街中とか歩いてたらどうせ面白いものとか見つけちゃって予定通りに行かないんだから事前に調べる必要なんてないやー
みたいな気持ちもあるんだよね。
もちろん有名な観光スポットは行ってみたいけど、道の見たことない標識とか、壁の落書きとか、何売ってるのかわかんない地元のお店とか、そういうもの見るのが好きだから行ってみて考えればよいか、みたいな気持ち。でもそれで実際何も知らなかったのに自分で見つけた変なものが案外その国の大事な文化につながってた、みたいなこともあって結構それが楽しかったりする。だからまあここら辺はこのままで良いかなーと。

④アウトプットを習慣化する

最近気づいたんだけど、半年くらいnoteを書いてたらnote脳になってきた気が…!どっか行ったり新しい発見をしたときに、noteに書く文体で脳が思考するようになってきたwwそれが良いことなのかどうかはよくわからんけど、文字を通して人に伝えることは段々習慣化されてきたなと。
一方で問題なのはしゃべりです!!!誰かと話してるとやっぱり大抵聞き手なんだよね。何を話して良いのか分かんない、どういうテンションで話せば良いのか分かんない、相手がどう思うか分かんない……そもそも話すことが思いつけないときもあれば、話したいけどうまく話せないときもあれば、めちゃくちゃ話したいことがあるけど相手の顔色を伺っちゃって話せないときもある、みたいな。
正直前者に関しては話すことないなら話さんでえーやろ、って気もするからさておき、後者についてはいっぱいしゃべるうちにうまくなるものだと思ってるのでエネルギー使って喋っていきたいと思います。

⑤長く続く人間関係をつくる

今当時の記事を読み直してて心にしみたのが
「変に打算的になることなく、自然体で一緒にいて心地よいと思える人を大切にしたいなと思う」
っていう部分。自分良いこと言ってる!
こっちで留学生同士は寮が近いこともあってよく一緒にご飯食べたり出かけたり、純粋に一緒にいて楽しいから同じ時間を過ごすことが多かったんだけど、フィンランド人の友達をつくるのに苦戦して。それはたぶん自分が「フィンランドのことを知るためにはフィンランド人の友達を作るのが良いだろう」っていうちょっと打算的な目でフィンランド人のことを見ちゃってたのが原因だったと思う。そのせいで逆に自分で壁を作っちゃって仲良くなれなかったなと。だし、正直フィンランド人の友達と話してるときに例えば「フィンランドの有名な料理は何?」みたいな話って、まあ言えばネットで調べても出てくるわけじゃん。そうじゃなくて、フツーに一緒にいたらフィンランド人ってこんななんだ、みたいなことの方がきっと気づくこともあると思うから(別にそれに対して打算的になるわけじゃないけど)、もっとニュートラルにフィンランドの子と仲良くなれたら良いなって思ってます。


今書きながら留学前に立てた目標を振り返ってみて、頭の隅で考え続けている今年の目標が案外この目標の次のステップになってるものが多いことに気づいた。
悪く言えば「また同じ目標かい!」、良く言えば「ブレずに、でも同じ目標の1ステップ上へ」ってところかな。
フィンランド生活残り半年、後悔しないような1日1日を過ごしたいなって思います。

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読んでくれてありがとう!Kiitos!


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