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「四季をうたう」 プログラムから

作曲年代で約200年、距離にして東京とパリで9,738㎞と、たいへん隔たりや振り幅の大きなプログラムとなりました。
日本もヨーロッパも同じ北半球に位置しているので、四季は同じように訪れるはずとはいえ、地域や文化によって、季節の感じ方はそれぞれのようです。
今月は気温の変化が激しく、お彼岸が過ぎても雪がちらついたりしましたね。天候が不順だと、何かしら不安になります。それでも、確実に春は訪れます。
四季にちなんだ曲は、クラシック、ポピュラーを問わず数多く、人の感情を季節の風物や天候の変化に象徴させ、しばしば詩的に用いられます。特に声楽曲では、詩(言葉)と音楽の双方が、その象徴表現として効果をもたらし、深く強く感情を揺さぶることになります。
今日のコンサートでは、女声のソプラノとメゾソプラノ、男声と、様々な声で、フランス語圏、ドイツ語圏、、日本の四季を歌った曲をお聴きいただきます。
恋心の表現も、日本と西洋(とひとくくりにしていいのかどうか…)ではずいぶん異なるといわれますね。I love you
季節の表現のしかた、季節に象徴される人の心、メロディやリズムの強弱やニュアンスなど、様々な違いと共通点を見出していただけるのではないかと思っています。
若い演奏家たちが選曲、プログラムを工夫して作り上げたひととき。どうぞ存分にお楽しみください。
本日は、ご来場ありがとうございました。

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2024年3月30日(土)
Music Hall Odeon(西宮北口)

ソプラノ 髙橋 花音
ソプラノ 髙橋 奏海
メゾソプラノ 柳 直友子
ピ ア ノ 山口 珠奈
バリトン 吉武 誠一

◎ 源田俊一郎(1957- )編曲 ふるさとの四季(1986)(全員)


◎ フランツ・シューベルト(1797-1828) Frülingsglaube 春の信仰(1820)(吉武)
◎ ジョルジュ・ビゼー(1838-1875) Chanson d’avril 四月の歌(1866)(奏海)
◎ ヨハン・シュトラウス2世(1825-1899) Frühlingsstimmen 春の声(1882)(花音)
◎ 別宮貞雄(1922-2012) さくら横ちょう(歌曲集「二つのロンデル」より、1951)(柳)


◎ ヨーゼフ・ハイドン(1732-1809) Welche Labung für die Sinne なんて爽やかな感じでしょう! (オラトリオ「四季」第2部[夏]第15曲アリア、1801)(奏海)
◎ リヒャルト・シュトラウス(1864-1949) Blauer Sommer 青い夏(「4つの歌曲」より、1895-96)(花音)
◎ 成田為三(1893-1945) 浜辺の歌(1916)(吉武)

◎ ジャン=フィリップ・ラモー(1683-1764) Gavotte et 6 doubles ガヴォットと6つのドゥーブル(「新クラヴサン組曲集 第1番(第4組曲)」より、1728)(ピアノソロ 山口)


◎ フランツ・シューベルト Herbst 秋(1828)(柳)
◎ フェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847) Herbstlied秋の歌(「6つの二重唱」より、1844)(花音、奏海)
◎ 瀧 廉太郎(1879-1903) 秋の月(組歌「四季」より、1900)(吉武)


◎ 山田耕筰(1886-1965) ペチカ(『満州唱歌集』より、1924)(花音、奏海、柳)
◎ フランツ・シューベルト Gute nacht おやすみ(歌曲集「冬の旅」より、1827)(吉武)
◎ ジョルジュ・ビゼー Après l’hiver 冬の後に(1866)(柳)

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