上念省三

ダンスのほか、舞台芸術を中心とした評論。いくつかの大学で非常勤講師として、舞台芸術、ア…

上念省三

ダンスのほか、舞台芸術を中心とした評論。いくつかの大学で非常勤講師として、舞台芸術、アート・マネジメント関連の講義を担当。西宮市文化振興課アドバイザー。神戸在住。

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    ダンス(主にコンテンポラリー・ダンス)に関するレビューやご案内をまとめます

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「ダンスの時間」上演記録

ダンスの時間 2002年から2013年まで、40回にわたって、主にロクソドンタ・ブラック(阿倍野)で開催 第1回 2002年9月 前野香代子、高橋愛美、呆然リセット、片上守、佐藤玲緒奈、黒子さなえ、森美香代、サイトウマコト 第2回 2002年11月 前野香代子+末原雅広、松本芽紅見、佐藤玲緒奈、濱口慶子、呆然リセット、高橋愛美、ヤザキタケシ、杉本綾子 第3回 2003年5月 ハイディ・ダーニング+Rosaゆき+一色洋輔、松本芽紅見、片上守、呆然リセット、佐藤玲緒奈、布谷

    • ダンス映像闇鍋会(2)

      ダンス映像闇鍋会 5/5(日) 17:00-20:00(出入り自由) 1000円1ドリンク付き 桃谷Oooze: 〒544-0034 大阪府大阪市生野区桃谷2丁目22−4  JR桃谷駅南口から桃谷駅前商店街、桃谷本通商店街を進み、大阪シティ信用金庫生野支店の次の筋、オムライス屋さんの前の細道を左折、鶴橋小学校の側道にあります。駅から徒歩10分弱。  2002年〜2013年、コンテンポラリーダンスのショーケースプロジェクト「ダンスの時間」を大阪・阿倍野ロクソドンタブラックにて

      • 現代詩を読む会(7)マイ・フェイバリット……!②

        「わたしの好きな詩」について、自由に語り合いましょう 詩を読む会を続けています。 語呂がいいので「現代詩」と銘打っていますが、「現代詩」の定義もあいまいですし、広めにとっていきましょう。 今回は好きな詩を持ち寄り、自由に語り合おうという会の2回目です。前回は、津村信夫、石原吉郎、清水哲男、黒田喜夫、マーサ・ナカムラ、季村敏夫、寺山修司、草野理恵子…と、多彩な詩人について語り合うことができました。 もうすぐ昭和100年。近現代詩の魅力をたっぷり語り合いましょう。 2024年

        • ダンス映像闇鍋会(1)

           淡水というカンパニーの菊池航さんに乗せられて、「ダンス映像闇鍋会」でお話をしてきました。  まず、菊池さんの言葉を紹介します(二か所に出ていた案内文を編集)。 ◇ ダンス映像闇鍋会 4/6(土) 19:00-21:00 1000円1ドリ付き  2002年〜2013年コンテンポラリーダンスのショーケースプロジェクト「ダンスの時間」を大阪ロクソドンタブラックにて主催、10年以上で40回を開催された批評家/プロデューサーの上念省三さんと、大阪にかつてあったダンスパフォーマンスの映

        「ダンスの時間」上演記録

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          現代詩を読む会(6)終了

           2024年3月27日に、「現代詩を読む会」(6)を開催しました。  第一部は「シュルレアリスムの詩」と題して、上念が資料に即して説明。巌谷國士氏の事典や『シュルレアリスムとは何か』の記述、またブルトンの「宣言」、瀧口修造の「シュルレアリスムの詩論に就て」などを参照しながら、用語、現実への見方、ダダイスムとの関係についてなどの大まかなところを説明した後、西脇順三郎「天気」「世界開闢説」、瀧口修造「絶対への接吻」「妖精の距離」(写真)などの詩を読んで、言葉のイメージの反発と共鳴

          現代詩を読む会(6)終了

          「四季をうたう」 プログラムから

          作曲年代で約200年、距離にして東京とパリで9,738㎞と、たいへん隔たりや振り幅の大きなプログラムとなりました。 日本もヨーロッパも同じ北半球に位置しているので、四季は同じように訪れるはずとはいえ、地域や文化によって、季節の感じ方はそれぞれのようです。 今月は気温の変化が激しく、お彼岸が過ぎても雪がちらついたりしましたね。天候が不順だと、何かしら不安になります。それでも、確実に春は訪れます。 四季にちなんだ曲は、クラシック、ポピュラーを問わず数多く、人の感情を季節の風物や天

          「四季をうたう」 プログラムから

          「ヨーロッパ」という問い プログラムから

           日本人作曲家の作品を中心としたプログラムとなりました。タイトルを「「ヨーロッパ」という問い」としたのは、メシアンの Pourquoi? を踏まえたものですが、1910年にドイツに留学した山田耕筰をはじめ、ヨーロッパの作曲家らの影響を受けながら独自の手法を生み出そうとした日本の作曲家、詩人たちが、ヨーロッパの先人たちから受け取った問い、それへの解答を考えることができるような構成になったのではないかと思えたからです。  テーマや影響関係で緩やかなつながりを持ったプログラムを、

          「ヨーロッパ」という問い プログラムから

          音と動きがきらめくところ プログラム

          音と動きがきらめくところ ~Space where body and sound resonate~ 2024年1月26日(金) 西宮市プレラホール 【舞踊の流れ】  本日は大変な寒さの中、ご来場いただき、本当にありがとうございます。  赤ちゃんが何か手や足をばたつかせているのも踊っているように見えますし、心臓の鼓動はリズムに違いありません。しかし、舞踊と言い音楽と呼ぶ以上、そこには表現することへの意思が存在します。特にそれが個性的な個人の表現として強まったのが、近代以降

          音と動きがきらめくところ プログラム

          現代詩を読む会(6)開催

          6回目も、2本立てです。 ① シュルレアリスムの詩、② 和合亮一『such and such』。 ①では、戦後につながる1930年代のシュルレアリスムの詩人の紹介。 ②は、東日本大震災後twitter(現X)で「詩の礫」を投げ続けた詩人の、「オートマティズムの限界を超え、幾層もの次元をしなやかに飛翔する、言語の新世界」と称される、最新作。 難解と言われがちな現代詩ですが、同じ時代を生きる詩人の、なまなましい 言葉に耳を傾け、お互いの思い感じるところをわかちあいましょう。

          現代詩を読む会(6)開催

          妻帰天

           2月7日の薫の葬儀に際しては、平日昼間にもかかわらず、寒い中を押して、多くの方にお越しいただきました。本当にありがとうございます。また、SNS、メール、郵便等で、多くの方から薫にもわたくしにもあたたかい言葉をおかけくださり、重ねてありがとうございます。以下は、喪主あいさつの原稿に手を加えたものです。  写真は祭壇に使ったもので、薫が大学4年生の時、ジョセフ・ラヴさんといって、イエズス会司祭、上智大学英文学科教授、美術評論家、画家であった方が主宰・引率する「ヨーロッパ美術の

          「戦後日本の作曲家Ⅳ」曲目解説から マチネ・ポエティク関連

          2024年1月19日に開催したコンサート「ピアノと声楽でたどる 戦後日本の作曲家Ⅳ」のプログラム・ノートとして執筆したものです。 中田喜直(1923~2000) 「マチネ・ポエティクによる四つの歌」  中田の初期、27歳の時の作品。中田自身が「この中で『さくら横ちょう』が一番演奏されているが四曲を通して演奏すればなおよいと思う」と記しているように、重々しい「火の島」、スケルツォの「さくら横ちょう」、ゆるやかで抒情性豊かな「髪」、フィナーレにふさわしい勢いのある「真昼の乙女た

          「戦後日本の作曲家Ⅳ」曲目解説から マチネ・ポエティク関連

          音と動きがきらめくところ いよいよ明日

          いよいよ明日となりました。今年度のダンスと音楽の企画としては、最後の公演となります。西宮市内の大学に関係するダンサーや音楽家を中心に、3つの作品を紹介できることになりました。 緩やかなストーリーのあるものや、和テイストのバレエ、会場空間を劇的に使いホール公演という枠組みを崩そうとするものなど、多彩な作品が集まりました。おそらく、皆さんの予想の斜め上のバラエティだと思います。 稽古場レポートや、今後は当日の公演のレビュー記事などをまとめているのも、この公演の特徴の一つです。 近

          音と動きがきらめくところ いよいよ明日

          現代詩を読む会(5)開催

          現代詩を読む会(5) ①1950年代の詩「荒地」「列島」と谷川俊太郎 ②杉本真維子『皆神山』を読む  詩を読む会を続けています。  5回目も、2本立てです。① 1950年代の詩、② 杉本真維子『皆神山』。  ①では、戦後的抒情のはじまりあたりを考えられればと思います。前回鮎川信夫を読みましたので、田村隆一、黒田三郎、そして関根弘を読み、谷川俊太郎と対比したいと思っています。  ②は、今年の萩原朔太郎賞をはじめ多くの賞を受けている詩人の最新作。浮力を持った土着性というか、とても

          現代詩を読む会(5)開催

          「秋風のささやき」曲目解説

          ◆佐藤真由子(ソプラノ) ♬ 山田耕筰/かやの木山の 1922  北原白秋の詩で、秋の山里で囲炉裏端を囲んでかやの実を炒るお婆さんの姿が目に浮かぶような曲です。  かや(榧)の実は、オリーブより一回りほど大きな、アーモンドに似た緑色の実で、炒って食用にするそうです。少しほろ苦くて香ばしく、悪玉コレステロールの減少に効果があるとか。 ♬ 小林秀雄/落葉松 1973  野上彰の詩で、落葉松(からまつ)の間を歩いている「わたし」に雨が降り、手が、心が濡れていく。思い出があふれ、涙

          「秋風のささやき」曲目解説

          「秋、柔らかな音に包まれて」曲目解説

          ♫ エルガー「愛の挨拶」 作品12  エドワード・エルガー(Edward Elgar、1857~1934)は、イングランドに生まれ、行進曲「威風堂々」、「エニグマ変奏曲」等で知られています。29歳の時に、ピアノの生徒だったキャロライン(右写真)に魅かれ、反対を乗り越え3年後の1889年に結婚。その際、彼女は自作の詩「愛の恵み」を贈り、お返しとしてエルガーが贈った曲が、この「愛の挨拶」でした。元はヴァイオリンとピアノのための曲でしたが、様々な編曲が行われています。 ♫ 作者不

          「秋、柔らかな音に包まれて」曲目解説

          ダンスの中の日本らしさについて(2010年6月22日の講義録)

          写真はヤザキタケシSpace4.5 2010年6月に、神戸大学大学院「舞踊表現特論:の授業でお話しさせていただいた時の原稿です。 担当教員は、関典子先生。どうもありがとうございました。 テーマは、「ダンスの中の日本らしさについて」  コンテンポラリーダンスについてのお話ですが、その前に、コンテンポラリーアート、現代芸術というものに、「日本らしさ」なるもの、つまりある地域や民族に限定的な特徴というものがあるのか、ありうるのか、ということを考えてみましょう。  大まかな結論か

          ダンスの中の日本らしさについて(2010年6月22日の講義録)