認知科学に基づくコーチングが扱う脳のカラクリを紐解く
少し間が空いてしまいましたが今回はコーチングに関する内容を書いていきたいと思います。
ここまでのハイライト
第一回目は、私自身がコーチングを始めた理由を含め、認知科学に基づくコーチングというものがどういったものかを解説しました。
マインドのカラクリを理解していき、自らのゴールを正しく設定することができれば、人生は劇的に変化していく。コーチは現状の外側のゴールに連れていく存在であることをお話ししました。
第二回目は、まさに「現状の外側のゴール」とは何者なのか。そして、どうやって設定することができるのか。少しHowに寄せた話を解説しました。
本音の欲求であることや1箇所ではなく人生の各領域でゴールを設定することなどをお話しさせていただきました。この設定こそが自身の概日リズムを変化させていき、私自身もスクールに通い始めて3ヶ月。さまざまな変化が起きてゴールに生きることを少しずつ体感し始めています。
そして第三回目は「職業機能」について触れていきました。「私は何屋か。」案外、自分の仕事について自分自身が知らないことが多かったりします。一方で仕事のゴール設定を行う際には、自らが世の中にどんな価値を提供する存在なのかを知る必要があります。
コーチングによるアプローチ
以前の記事でも解説しましたが、コーチングは以下のような内部モデルを書き換えていくことで、行動を変革を促します。なので、コーチはコンテンツには介入せず、マインドの使い方にのみ介入していきます。
行動の変化において必要なことが“ゴール設定”になります。重要なことは“設定=決断”するということです。
ゴールに対するマインドのカラクリ解説
コーチングにおけるマインドのカラクリを図字したものになります。現状の外側にゴール設定をすることで右側の円になっている未来側にコンフォートゾーンをズラしていくことで、ゴール達成していくマインドに切り替えて行きます。詳細の解説をここから進めていきます。
エフィカシー(≒自己効力感)
コーチングで最も大事なものの一つであると言っても良いのがこの“エフィカシー”です。エフィカシーとは「自分のゴール達成能力の自己評価」を指します。もう少し砕いて説明すると、現状の外側に設定したゴールを達成できる!と自分自身が心から思える能力のことです。
日本語だと、自己効力感と呼んだりもしますね。
第二回目に書いたゴール設定で現状の外側で設定する際のポイントをお伝えしました。
「達成するための道が見えていないこと」や「周囲から止められて辞めてしまう」といった状態は正しく現状の外側にゴール設定ができていないため、エフィカシーも上がらないでしょう。エフィカシーは“根拠なき自信”のようなことなので、道が見えなくても達成できる!と本気で思えたり、スポーツなどでは絶対に勝つことができると思う状態。これが正しくエフィカシーが高い状態と言えます。
コンフォートゾーンとホメオスタシス(ダイエットが続かないマインドのカラクリ)
コンフォートゾーンはみなさんも日常で使うことが多い言葉かと思います。
コンフォートゾーンとは、自分にとって居心地の良い場所を指します。
普段は「コンフォートゾーンを抜ける」といった表現が多く、ポジティブな使い方というよりは、あまり良くない状態を指していますよね。
コーチングでも非常に重要な存在ですが、コーチングにおけるコンフォートゾーンは抜けるではなく、「ずらす」という表現を用います。
人の脳は無意識にコンフォートゾーンに居続けようとする機能があり、これをホメオスタシス(恒常性維持機能)と呼んでいます。この機能により、すぐに現状に引き戻されてしまうことから、人は居心地の良い場所に戻ってしまうのです。
コーチングではコンフォートゾーンとホメオスタシスの力を使ってゴール達成していくマインドを手に入れていきます。そこで大事なことを2点お伝えします。
コンフォートゾーンは2つ同時に取ることができない。
脳は臨場感の高い方のゴールを採用する
現状(物理空間)とゴール(理想・イメージ空間)とで両方にコンフォートゾーンをとることは出来ず、よりリアリティを感じられる方に引っ張られ、そこがコンフォートゾーンとなるという話です。
ダイエットがわかりやすい例ですが、「1ヶ月で5kg痩せる!」と宣言をしたこと、一度や二度あるのではないでしょうか。私もあります。何度も笑。
結果はそれぞれかと思いますが、個人的な感覚では途中で断念してしまったり、痩せたけど数ヶ月後にリバウンドしたといったオチで終わることが多い印象を受けます。
まさにダイエット前の現状と5kg痩せた時のイメージと2つの自分をとることは出来ず、リアリティの高い方に脳は無意識でゴールを設定する。現状が強ければ、ダイエットを断念してしまうし、痩せた自分のリアリティが高ければ、きっと達成していくという原理です。
ゴール側にコンフォートゾーンをズラすためには、強くゴール達成イメージを持つことが重要になります。そこで重要なことが自分に語りかける言葉です。達成するイメージを自分の中に作り上げるためにはまず自分自身に日頃語りかけている言葉を変えなければ、自己のイメージは書き変わりません。
人は一日30000~50000回程度自分に無意識に語りかけていると言われています。
その無意識の語りかけ(セルフトーク)をポジティブなものにしていくことで、セルフイメージがゴール側に近づいていきます。すると、無意識に行動が変わり、コンフォートゾーンがゴール側にズレていくのです。
RASとスコトーマ(人は無意識に見たいものを選んでいる)
人は五感を用いて、日々あらゆる情報を脳に入れ、自らの情報処理システム(ビリーフ)で無意識に重要性の優劣が付き、行動として出力されています。
そのとき見えている世界をRAS(Reticular Activating System)、それ以外の見えていない世界のことをスコトーマと呼んでいます。
覚えておいて欲しいことは、「人は自分にとって重要と判断したものしか見えていない」ということです。
脳の仕組みとして、世の中に毎日溢れている大量の情報を全てインプットを繰り返していると、脳も処理しきれなくなってしまうため、基本的には脳は情報を取り入れないようにシャッターが閉まっていて、「これは重要だ」と判断したら、シャッターが開いてそこだけが重要性が上がって情報が入ってくる、といったイメージになっています。なので、このシャッターの部分がRASで他のシャッターが開いていない箇所全てをスコトーマと覚えておいてください。
RASの発火とスコトーマ外し
ここまで長々とマインドについて書いてきましたが、冒頭からお話ししていたことを整理すると、、、
現状の外側にゴール設定をする
ゴール達成において重要なことはエフィカシーの高さ
コンフォートゾーンをゴール側にズラすことで重要性が変わる
ゴール側にコンフォートゾーンをズラすためにはセルフトークで語りかける言葉を変える
ここまではなんとなく理解できたが、では実際どうやってゴール達成していくのか?プロセス見えてないって書いてましたよね?
これを解決するのがまさにRASとスコトーマを利用します。
自分の重要性は過去の経験や脅威などが起因していることが多く、生存本能が働き、回避しようと無意識にします。私たちが生きる上では非常に大事な機能であると同時に、見方を変えると視野を狭くしてしまうことにも繋がっています。つまり、人の可能性の広がりの邪魔になっているとも言えるわけです。
なのでよくビジネスの場で「コンフォートゾーンを抜けなさい」と指導されるマネジメントの方もいますが、重要性が書き換わらなければコンフォートゾーンはズレない為、ゴール達成にも近づけないんですよね。
だからこそ、『現状の外側にゴール』を設定することが重要なのです。
『現状の外側にゴール』を設定すると、今までやったこともないことだから何したら達成できるかが全くわからない。だから必要となる情報集めたりするため、RASが発火し、今までスコトーマで見えてなかったものが見えはじめます。
ここまでマインドのカラクリについて解説してきました。
ただ、「ふむふむ」と思っていた方もいると信じつつ、多くの人が「言うのは簡単だけど実際難しいし、本当にできるのか?」と思ったでしょう。
自分の可能性を拡げたいけどやり方がわからない
気持ちは前を向いているのに、体が動かない
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コーチの役割はまさに現状の外側からクライアントのゴール設定及びゴール達成を支援していく存在です。「今の自分」だと出来ないと思っているけれど、コーチがいれば出来ます。
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