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2人の決断

こんばんは、ナースさとみです。
以前、産婦人科に勤務していたころの体験談です。

日々私は、Baby誕生のお手伝いやそのママに寄り添い、不安な気持ちや悩みなどのお話を側で伺っていました。

そんなある日、某有名な偉いお父さまと娘さんが「手術をしてほしい」と来院され、そのまま入院となり2日後に手術!

その夜、私は日勤からの夜勤業務。
夜間のバイタルサイン、ステーション内にいるBabyちゃんのお世話など前半の夜勤業務をこなし、
就寝前のラウンドの時、日中の娘さんの
お部屋を伺うと、枕に口を押さえながら泣いていました。
理由を伺うと、「私、本当は手術したくないんです。私のお父さん自分のことしか頭になくて、自分の名誉とか世間体がすごく気になるみたいで。。。もーこんなのイヤです!
私たち、赤ちゃんが先に出来ちゃったけど、結婚を前提として付き合っているんです。でも、お父さんは、どうしても彼のこと、自分とは違うタイプだから気に入らないみたいなんですよね。
さっきも彼が来てくれて、窓越しで今後について少しの間だけだったけど話をしてくれたんです」と
その時、私は、「まるで、ロミオとジュリエットみたい。。。」と思いながらお話を伺っていました。

そして、

「お気持ちを話してくださりありがとうございます。今、お話してくださった内容を、もう一度、お父さまと彼氏さんとでお話ししてみてはいかがでしょう?それで、お互いが心から愛し合い、いろんな困難にもお互いに支え合い幸せに暮らしている姿をみたら、かなり時間はかかるかと思いますが、ご両親も認めてくれると思いますよっ」とお伝えし、
しばらくお話を伺って部屋を退室しました。

その後、いつもと変わらない朝を迎え夜勤業務終了!

夜勤明けの次の日、出勤してみると何やらステーション内が騒がしい様子。スタッフに理由を聞いてみると、娘さんが院内からいなくなったらしい…
これは、確かに大問題です。
それ以降、戻ってくることなく、病院側からご家族へ連絡し、ひとまず退院手続きとなりました。
私は密かに「お父さまとお話しできたのかしら?一瞬の感情のお付き合いじゃなかったようだね。本気で愛し合っていて、2人でよく話し合って決断されたんだなぁ。ご挨拶できなかったけど、どうかご無事で末永く幸せでありますように。。。」と
心の中でつぶやきました。

今でも、時々この日のことが鮮明に思い出されます。

今ごろ、どこで過ごされているんだろう〜
どうかご無事で幸せでありますように。。。🍀

今だからこそ話せる体験談でした。
最後までお読みいただありがとうございました(^^)


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