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セルビア 旅備忘録 2023年10月


はじめに

セルビアといえば、ストイコビッチとジョコビッチ、そして20数年前の紛争の震源地というイメージだった。
特に紛争に関しては、当時小学生だったが、あのNATO軍による空爆の映像は衝撃で今でも思い出せる。
ただ、なんで、NATO軍は空爆したんだ?本当にセルビアだけが悪いのか?という疑問が他の旧ユーゴの国々を訪れると沸々と浮かんできた。
なので、行ってみた。

ベオグラード

ベオグラードニコラテスラ空港から市内へ

空港から市内へはシャトルバスを利用した。
空港の到着ゲート近くの出口を出て、真正面にA1と表示のあるバスが停まっている。
運転手に乗り込む際に500ディナール支払い、以上、乗車完了。
途中、寄り道や渋滞にハマったので市内のバスターミナルまでは30分ほどかかった。

到着出口付近。シンプル。
出口目の前に赤いシャトルバスが。A1と書いてあれば問題ないはず、、
社内の様子。二人がけと一人がけの組み合わせ。荷物は運転手の隣のスペースに置くシステム。
道すがらこんなメッセージも。

ちなみに帰りは、早朝のフライトだったのでホテルからタクシーを利用。
20分ほどで空港に到着し、チップ込みで3,000ディナールだった。

街の規模感&交通機関

さすが旧ユーゴの首都というべきか、今まで行った旧ユーゴの国の首都と規模が比べものにならないくらい大きかった。
とはいえ、中央駅が少し遠かったのでタクシーに乗った以外は歩けなくはないので基本は徒歩。
(ノヴィ・セルビアに行くにはバスや電車を使ったほうが良いと思うが、用事がなかったので使わなかった)

アトラクション

共和国広場
街の中心。ここを拠点に観光を組み立てると良いかも。
大きな広場にプリンスミハイルの銅像があり、その奥に重厚なベオグラード国立博物館のファサードがある。夜は特に美しく、賑わいがあった。

20時頃の共和国広場。

旧参謀本部ビル”石の宮殿”
共和国広場から徒歩15分ほど。
その昔、旧参謀本部があったビルで1999年にNATO軍によって空爆を受けた場所。
今もその当時の姿を残している。

今にも崩れそうなビル。空爆の威力を物語っていた。

聖サワ大聖堂
共和国広場から徒歩30分ほど。
ベオグラードのMust Seeスポットランク上位。
今までで一番大きな正教会の建物だったかも。
中も非常に豪華絢爛で見応えたっぷりだった。

正面。写真では伝わりづらいがめちゃくちゃでかい。

ベオグラード要塞
共和国広場から徒歩15分ほど。
歴史深いベオグラードの要塞。
中は幾重にもなった城壁に守られ、いかにここが重要拠点であったか感じられる。
また奥にある展望台ではサワ川とドナウ川の合流地点を望め、ベオグラードが古より交通の要衝として発展していった理由が垣間見られる。

正面門。この後さらに門をくぐる。
サワ川とドナウ川の合流地点。これは交通の要衝になる要素満々。

ニコラテスラ博物館
共和国広場から徒歩25分ほど。
セルビアの偉人にテスラの博物館。
入場制限が設けられており入れなかった、
15時過ぎについたのだが、既に15時の回はいっぱいだから、16時の回を待ってくれとのこと。
で、16時の回のチケットの販売は15時45分頃なのだが、15時30分くらいから並び始めたほうが確実と言われ、断念。
次回リベンジ。

1時間前なのにもう並んでいる人が。

ベオグラード国立博物館
共和国広場から徒歩1分(もかからない)。
今回の旅1番の良い意味で期待を裏切られた場所。
特に19世紀以降の絵画のコレクションが秀逸で、ゴッホやモネ等、印象派の大御所あり、地元セルビア人画家の絵画ありで非常に眼福だった。

聖天使首ミハイル大聖堂
共和国広場から徒歩10分ほど。
セルビア正教会の大聖堂。
内装が非常に美しく、天井に描かれている絵画は19世紀セルビアで最も有名な画家によるものらしい。


Zavičaj
セルビア料理のお店。
Googleでの評価も高かったので行ってみることに。
子牛のスープが絶品だった。
いつもは混んでて入れないことが多いそうなのだが、昼に行ったからか、並ばずに入れた。

Sarajevski ćevap „To je to“
コスパ最強のThe 地元のレストラン。
名前にもある通り、チェヴァプチチが有名で、非常にうまい。
そしてめちゃくちゃ安い。
ビールと、チェヴァプチチで700ディナール。

ビールとの相性最高。

Wine Bar & Shop Quinta
エノテカ的なお店。
セルビアのワインとセルビアのお酒”ラキヤ”が美味しい。
店員さんも非常にフランクかつサービス精神旺盛で、セルビアワインとラキヤをどんどん飲ませてくれるのである意味、非常に危険。

奥のワインも普通に売っている。イタリアのエノテカ的な感じ。
これ好きだと思う!って試飲させてくれたオークの香りがついたラキヤ。うん、好きだった。

*反省*
Skadarska通りという道がベオグラードのグルメエリアのようなのだが、金曜の夜に訪れたということもあり、どこも予約客でいっぱいだった。
ちなみに翌日(土曜)の予約をしようにも、満席とのことでNGだった。
行く曜日を気にすること、予約をすることが非常に重要

宿

ホテル・バルカン
共和国広場から徒歩3分と立地最高。
非常に歴史のある建物にもかかわらず、室内は非常に綺麗でとても快適に過ごせた。

ノヴィ・サド

ベオグラードからノヴィ・サドへ

行きは電車、帰りはバスを使用した。

  • ベオグラード→ノヴィ・サド

    • 利用交通機関: 電車

    • 所要時間: 60分

      • 急行だと30分強で着くようだが、無事乗り遅れた

      • 遅延もなく出発&予定通りの時間に到着

      • 1時間に2本ほど

    • 費用: 約300ディナール 

    • 所管:

      • ベオグラード中央駅が街中から少し遠いのと、本数が多くないのが玉に瑕だが、しっかりと旅程を組めるのであればバスより快適に行ける。

ベオグラード中央駅の駅舎。外面は良い。中は絶賛工事中。
駅のチケット売り場、近くにチケットマーンもあったのだが、
乗りたい電車のチケット売切れだった。ただ、売り場では買えるという不思議現象。
鈍行列車の車内。この後、信じられないくらい混む。
セルビアの車窓から。途中までひたすら平地の中を走っていく。
ノヴィ・サド駅到着。
  • ノヴィ・サド→ベオグラード

    • 利用交通機関: 高速バス

    • 所要時間: 75分ほど

    • 費用: 950ディナール

    • 所管: 

      • 高い割に、時間かかる。が、頻度があるのでフレキシブルな旅には最適。

ノヴィ・サドバスターミナル。トイレに50ディナールかかる。
社内の雰囲気。意外と大きいバスだった。シート幅もまずまず。
帰りも平地を突き進む。

街の規模感&交通機関

アトラクションがある、旧市街と要塞エリアは徒歩で行動可能だが、駅とバス停が歩いて30-40分と離れた場所にある。
その為、日帰り等で時間がない場合は、バス、もしくはタクシーを推奨。

バスの運行地図。色が混ざってて本気で見づらかった。とりあえず、4は旧市街に行く。
4番のバス停。駅前から少し歩く。

アトラクション

聖処女マリア教会
カトリックの教会。
セルビア正教会しか見なかったベオグラードと比べると、この街の歴史的な面白さが垣間見れる。

ここで気づいたのだが、ヨーロッパっぽい街並みって自分の中で
=カトリックっぽい街並みだった。これからヨーロッパっぽいという感覚を変えられそう。

司教の宮殿
中には入らなかった(入れなかった?)が外見が非常に美しかったので記憶にある。
旧市街の中心にあるのでちょっと立ち寄るのには良いかも。

紳士が凛々しい。

ヴァラディン橋
ドナウ川にかかる橋で、旧市街と要塞を結ぶ。
ここからのペトロパラディン要塞の眺めが素敵なのでバスではなく一回は徒歩で渡ることを推奨。

ドナウ川沿いに佇むペトロパラディン要塞。絵になりすぎる。
橋の袂にある碑。NATOの爆撃によって亡くなった人がいる。

ペトロパラディン要塞アッパータウン及びロウワータウン
パステルカラーの建物が並ぶロウワータウンと古代の要塞を擁するアッパータウンの二つのエリアから成る町。
他のセルビアの街とは全く違った雰囲気を味わえる。

通称酔っ払い時計。季節によって時間がズレることがある、
かつ長針と短針が普通の時計と逆とのこと。設計者お茶目だな。


Project 72 Creative Local Cusine
Googleの評価が異様に高かったので訪れることに。
Google、間違いなし。。
セルビアで一番美味しい食事が楽しめた。
(写真を撮り忘れたのだが)地元のワインと、地元の食材を使った料理は非常に絶品で店員が言う全メニューがこの店のスペシャリティだというのはあながち嘘じゃないのかもとも思わせてくれた。

こういうのに弱い。


セルビア与太話

自分より少し年上くらいのベオグラード出身の方に1999年の空爆の話を聞いた話。
その人はまだ10代で学生だった。
朝起きると空襲警報が鳴る、パジャマのままマンション地下の防空壕に隠れ、2時間ほど空襲が止むのをそこで待つ。空襲が終わったらそのまま着替えて通学。
こんな生活がしばし続いたらしい。

その人はその話を優しい顔で話していた。
誰かを憎んだりすることはないかと聞きたかったが、聞かなかった。
もしかしたらあるかもしれない。
ただ、あの表情で話せる境地にいる人に対して、その質問は野暮のように感じられた。

ワンピース、ドフラミンゴの「平和を知らない子どもと、戦争を知らない子どもの価値観は違う」」ということの意味を少し感じられた瞬間だったかもしれない。

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